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Oneboy

One Boy's TENNIS Diary

プロテニスコーチが素直な想いを綴るテニスダイアリーです。
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01

★第81試合『あの夕日に向かって』

「俺達は、拳を握り締めて夕日に向かって走り続けるんだ!いつまでも、いつまでも・・・」
「?・・・どうした?急に」
「お前、こういうのって好きだろ?」
「まあ・・・嫌いじゃないよ」
「俺も悪くはないと思うんだけどね・・・」
「何が言いたいの?」
「全力で走ってる時ってさ、もうそれだけじゃん?」
「必死だからね」
「そうなんだよな。一生懸命である事はとても素晴らしい事なんだけど・・・けど“夕日”しか見えてないようじゃ、いけないと思うんだよね」
「夕日ってのはゴールみたいなもんかな?」
「そうだね。若い時ってのは、そうなっても勢いが持続するしさ、いいと思うんだ。我武者羅って感じで」
「うんうん」
「だけど、一回立ち止まって、ゆっくり歩き出してもありだと思うんだよね。その時にすれ違う人がいるなら話を聞いてみてもいいし、隣に一緒に歩いてくれる人が居るなら相談しながら進んだっていいし」
「アドバイスをもらうって事?」
「そんな感じかな〜」
「感じ?」
「自分の中でも上手くまとまってなくて、表現するのが難しいんだよ」
「ふーん、で、お前はどういう状況なの?」
「走ってもなく、歩いてたかな?それなのに、話に耳も傾けてなかった?・・・
いや・・・聞いていたけど、真の意味までは理解出来てなかったのかも」
「それはよくないねぇ。もしアドバイスをしっかり聞いて理解してから走ってたら・・・」
「“夕日”にはもっと早く近づけていたよね」
「でさ・・・この話をどうやってテニスに結びつけるの?」
「簡単だよ。人の話にはしっかり耳を傾けましょう!テニスも仕事も!」
「強引〜」
カテゴリー:-全力打球-編
03/25 20:26
02

★第80試合『まあ、たまにはね?』

「どうすか?」
「何が?」
「いや、困ってんでしょ?」
「だから何が?」
「ネタ、メルマガの」
「・・・・・なんで 分かった?」
「いやいや、分かりますよ。この時期になると不機嫌だしね」
「そっか。そりゃ悪かったね。三回に一回はネタ切れだよ」
「だからといって、こういう誤魔化し方、使いすぎじゃない?そろそろ最終回にしちゃえば?」
「そんな訳にはいかないだろ」
「なんで?」
「そりゃお前・・・・」
「なんで?」
「そりゃさ…俺しか書けないからだよ!」
「ふ〜ん」
自分だけのもの。
これぞアイデンティティなのだ。
と言うわけで、今週号スタートです。

年齢が一回り以上離れたスタッフと練習した。
ふと思ったのは、
『俺が18の頃はこんなに打てなかったなぁ』
って事。
ワンセットして勝ったから、あの頃よりは上手くなったんだな、俺。
・・・・当たり前か。
若手をしっかり育てるのもテニス界にとって必要な事。
なんて事を思うなんて俺もそれなりに歳を重ねたって事か?
“心は10代”なんていつまでも言ってらんないな。

「う〜ん」
「何?」
「次回は頑張りましょうね」
「お前に言われたくないよ!」
また来週〜!
カテゴリー:-全力打球-編
03/10 22:00
03

★第79試合『生き場所』

「飲み過ぎたか・・・」
話しかける相手なんかいないのに、独り言。
頭は冷静に働かせているつもりだったんだが、体はアルコールに正直に反応しちまってる。
かろうじて真っ直ぐ歩ける、くらいか?
「いやいや、まだまだ大丈夫、大丈夫」
また独り言。
一体誰に聞いてほしいんだか・・・。
そんな悪酔い気分を紛らわすため、大音量でイヤホンから曲を流す。
こういう時に選ぶ曲は大体いつも変わらない。
周りに誰もいないからと、鼻歌なのか口ずさむのか・・・・。

プロコーチの集団がお互いの成果を見せ合い、アツい魂を確認し合った。
その時トップが言った、
『ここが俺達の生きる場所なんだ』
心に突き刺さる一言だったぜ。

それなのにお前は、認められたいからやるのか?
・・・そうかもしれない?
けど、それを自ら求めちゃいけねぇや。
言い訳がましい、ちょっと甘えちまった夜だ。

“stand up! 何してんだ stand up! マジ言いてぇんだ stand up! 夢を捨てんな”
(応援歌/湘南乃風)

この場所を選んだのは誰でもない“俺”なんだもんな。
カテゴリー:-全力打球-編
02/25 23:20
04

★第78試合『wake up!』

「明日、練習しようよ」
「いいよ、何時?」
「7時30分」
「うん・・・・え?朝の?」
「うん」
「いやいや、え?何?午前7時30分?」
「そうだよ、しつこいなぁ。OK?」
「なんでまたそんな時間に?」
「この時間しかダメなんだよ。あとは埋まってるから」
「・・・・・」
「あ、ちょっと弱気になってない?いいよ、やらないなら。俺だけ上手くなりますから。ちなみに言っとくけどアイツラもみんな来るからね」
「行くよ!行きます!誰も行かないって言ってないだろ!」
「OK!じゃ7時30分ね」
「・・・・ちなみに集合が、だよね?」
「いや、開始が、だよ」
「やっぱりそうだよな〜。今日はもう寝るわ〜。じゃ明日な」
「じゃ」
朝練。
素晴らしいじゃないか。
こうやって時間って作ってくモンなんだよな。
そして練習をするのは、プロとして当たり前の事なのだ。

「あれ?アイツ来てなくね?」
「朝練の事を考えてたら眠れなくて寝坊したみたいだよ。さっきメールあった」
「なんだよ、言い出しっぺのくせに!」
「朝飯はアイツの奢りだね」

まあ、そう言う事もあるさ。
カテゴリー:-全力打球-編
02/10 19:17
05

★第77試合『俺達に明日はある』

「いやいや、紙一重でしたよ。どの勝負も、どっちが勝ってもおかしくはなかったね」
これは勝ったチームのセリフ。
勝ったからこそ言える言葉だな。
「そうだね」
一言だけ返した。
と言うか、それ以上何も出てこなかった。
スコアを見ると、0-3。
確かに試合内容は競っていた。
ただ、ここぞと言うポイントは全て抑えられていたし、2試合の中で2回握ったマッチポイントは簡単に凌がれた。
『紙一重』と言うには、あまりに厚く重い紙だった。
完敗だよ、これは。

「今年も負けちゃったね?」
当たり前だ。
大して練習していないんだから。
けどそれは俺の責任でもあるんだな。

悔しい事には変わりないんだ。
負けたんだから。
だけど、それで終わりにしてしまうのか?
次に向けて、どんな準備、練習をしていくのか?
今のモチベーションを下げずに、むしろもっと上げていけるのか?
サポートはいくらでも出来るが、実際にやるのは選手自身でしかない。

試合終了後に控えの1人が、
「来年は選手になれるように練習していきます」
静かだが、力強く約束してくれた。
「そして勝ちます」
その一言が嬉しかった。
まだまだ・・・やれるもんな。
そうだよな。

もっともっとコートに立とう。
一心不乱にボールを追いかけよう。
勝っても負けても涙が流せる試合になるように。
そんな一年にしていこうぜ。
明日から。
カテゴリー:-全力打球-編
01/25 18:17
06

★第76試合『古き友、新しき年、変わらぬ想い』

「あれ?アイツは来るの?」
「ちょっと顔出すってさ。」
「え?すぐ帰るって事?」
「明日が誕生日なんだって、娘さんの。一歳だってさ」
「へぇ、もう一年か。そりゃ長居は出来ないよな」
「あいつは?」
「あいつは簡単には出歩けないよ。嫁さん、予定日が来週らしいから」
「そっか?。ま、そうでなくても奥さんの目が厳しいからな」
「はは、言えてる」

駅のホームから階段を下りて改札に向かうと、久しぶりの顔が並んでいた。
変わってねぇなぁ、なんて思いながら手を振って、
「おう!」
「あれ?太りました?」
「お前なぁ・・・久しぶりの一言がそれかよ」
「あ、すいません。明けましておめでとうございます!」
一瞬にしてあの頃に戻っちまったね。
懐かしいこの感じ。
「近くの居酒屋でいいっすよね?」

結婚したヤツもいたし、子どもが産まれたヤツもいる。
上手くやってるヤツもいたし・・・・そうでないヤツも。
悩んでるヤツもいたし、それを親身に聞いてやるヤツも。
時間は流れて、それぞれの取り巻く環境が変わっていっても・・・・。
だけれども、変わらない関係ってのはあるんだな。
そう信じてる、ずっと。

「テニスしてないんですよね、最近」
「どれくらい?」
「半年・・・くらいかな?」
「それはマズイだろ?!」
「けど、まだまだやれますよ、きっと」
「そりゃ妄想だな。じゃ、やるか、明日?」
「やりましょう!」
「おまえ、明日、娘さんの誕生日じゃなかったっけ?」
「あ!・・じゃあ午前中だけってことで」
「誕生日よりもテニスを取るんだね」
「いや、そういうことじゃなくてですね、時間の有効活用といいましょうか・・」
「分かったよ。とりあえず、怪我だけはすんなよ」

たまにね、表面しか見てないようなヤツは言うんだよ。
馴れ合いを求めてるんじゃない?
おいおい、やめてくれよ。
俺達には、10年後も20年後も、いつも、いつだって分かり合える想いがある。
そんな時間を過ごしてきた。
そして、それに勝るものは、今のところ見つかってない。
ただ、それだけなんだよ。

「じゃ、解散しますか」
「おす。次は・・・忘年会か来年の新年会ですね!」
「そんな先か?」

Some Old Friends,See You Next Time!
カテゴリー:-全力打球-編
01/10 09:53
07

★第75試合『サンタさんへの願い事』

「いやぁ、いいなぁ・・」
「・・・?」
「うんうん、すごくいい・・・」
「・・?・・・どうしたの?」
「いやね・・・すごくいいと思うよ」
「何が?気持ち悪いなぁ!」
「ごめんごめん。あのさ・・・こないだ新しく入った○○ちゃん、いるだろ?」
「あぁ、小学3年生の女の子でしょ?」
「そう」
「その子がどうかした?」
「あの子がさ、俺に言ってきたのよ」
「なんて?」
「うん、『コーチ、私ね、ラケットどうするか教えてあげようか?』ってね」
「あの子、まだ自分のラケット持ってないよね?あぁ!クリスマスプレゼントに買ってもらう約束したって事?」
「惜しい!ちょっと違うんだよね」
「??・・・じゃ、何?」
「○○ちゃんね、まっすぐな瞳で俺を見て『サンタさんが持ってきてくれるの!』って、あの純粋な瞳で見られたら・・・」
「自分の不純さが恥ずかしくなった?」
「そう・・・もうなんて俺って汚い存在なんだろう・・・・っておい!!」
「で、お前はなんて言ってあげたの?」
「そりゃぁ『そうか!良かったね!』だよ」
「いい話じゃん!そう言えばさ、俺の知り合いにも、クリスマスの日にはサンタの格好して、二階のベランダから入って子ども達にプレゼント渡すって人もいたよ」
「へぇ、やるなぁ」
「子どもが素直に育つのは、親のそういった努力と言うか、愛があるんだろうね」
「そうだね」
「でさ、お前はサンタには何をお願いしたの?」
「俺?俺はさぁ・・・俺この前さ、年末ジャンボ買ったんだよね」
「もういい、何も言うな」
「やっぱ、ダメか〜」

2009年も何とか書ききりました。
そして、いつも暖かく読んでいただいた皆様、ありがとうございます。
配信が月2回になったとはいえ、計画性のない作者One Boyとしては毎回毎回ギリギリの入稿になってしまい、編集長を苛立たせていました。
編集長、すいません・・・。
2010年は計画性を持って、また、内容ももっともっとアツいモノにしていけるように努力していきます。
それでは読者の皆様!良いお年を!
カテゴリー:-全力打球-編
12/25 10:04
08

★第74試合『Do our best!!』

「赤ん坊ってさ、全力じゃん?」
「何が?」
「いや、何でも、さ」
「何でも?」
「そう。ミルク飲むのも、ハイハイするのも、昼寝するのも、泣くのも」
「まあ、本能、ってやつだろうな」
「生きるための、ね」
「で?」
「うん・・・・俺達は全力かな?今でも」
「俺達?」
「そ。テニスコーチとして初めてコートに立った、あの頃のようにさ」
「そりゃあ!あったり前じゃん!お前は違うの?」
「全力さ。だけど・・・・・いつまでも赤ちゃんの全力になってんだよな」
「??」
「いくら全力でもハイハイだったら大して進まないし、スピードも遅いって事よ」
「あ-・・・」
「そろそろ・・・二足歩行で走らなきゃ」
「そうだな・・・・・ミルクからビールには成長したのにな!」
「そうだなぁ」
「あれ?怒らないの?」
「お前の冗談に付き合うのも卒業しようかと」
「そこは全力でノってくれよ-」

という事で、全力でよろしく!
カテゴリー:-全力打球-編
12/10 18:05
09

★第73試合『心が宿るという事』

「おい…おい!おいってば!」
「ん…ああ、何?」
「お前、ずいぶんキレイな感じだな。傷もあんまないし」
「大事に使ってもらってるからね。それにガットもマメに張り替えてもらえるから、いつだって気持ちがいいよ」
「そうなのか-」
「そういうキミはだいぶ使い込まれてる感じだね」
「ん…」
「どうしたの?」
「そうじゃなくてさ…乱暴なんだよね、持ち主」
「あ、そうなの?誰?」
「○○だよ」
「もしかして、ミスるとラケット折れそうな力で地面叩くアイツ?」
「そう…」
「そりゃ大変だなぁ」
「アウトする度に段々不機嫌になってくからたまんないよ。サービスゲーム落とした時なんて最悪。悪いのは俺じゃなくてアイツの腕前なのにさ!もう手伝ってなんかやらないんだ!」
「まあまあ、そんなに怒るなよ」


なんて会話?があるかは分からないけど、キミのラケットは大丈夫かな?
せっかく手に入れた宝物なんだから。
大事に使っていないと、重要なポイントで言うことを聞いてくれないかもよ?
ね?

カテゴリー:-全力打球-編
11/25 21:09
10

★第72試合『背負うという事』

「アイツの顔、見た?」
「あぁ見た見た。だらしない顔してたよね」
「ね!デレデレしちゃってさ!」
「ま、仕方ないか-かわいかったもんね-」
「そうだね-・・・」
「あ、やっぱり羨ましいんだね」
「だってそうだろ。あんな可愛い赤ちゃん見せられたら、さ!」
新居に招待?いや押しかけて?『おめでとうパーティー』
色黒な大男達が大勢で取り囲んでも全然泣かない赤ん坊に癒された。
人見知りしない、いい子になれよ。
ちなみに言うと、俺の一指し指をしっかりと掴んだ一瞬で彼女にメロメロになっちまったぜ。
「テニスさせるの?」
「う-ん、分からないな。この子が選んでくれればいいんだけどね」
そういったアイツはとても嬉しそうだった。

「けど・・・納得だよな-・・・」
「何が?」
「アイツさ、最近頑張ってると思わない?」
「そりゃ、守るモンが“倍”になったんだからさ!」
「上手い事言うね。俺達もテニスを日本一メジャーにするために、明日からまた頑張りますか!」
「うん、あの子がテニスを選んでくれるようにね。じゃあ、とりあえず明日からって事で、今夜は・・・」
「付き合うよ?」
「OK!」

カテゴリー:-全力打球-編
11/10 18:21
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