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Oneboy

One Boy's TENNIS Diary

プロテニスコーチが素直な想いを綴るテニスダイアリーです。
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01

★第36試合『STAR』

「フケたな、お前」
「お互い様だろ」

大した会話もなく、奴オススメの店に向かう。
言葉なんてなくたって別に構わないんだが・・・。
取りあえずの、歩きながらの近況報告。

「で、どうよ?」
「何が?」
「仕事の調子」
「ん、ああ、部署が変わって新しいスタートだよ。 売り手から買い手に変わってね。大変、いろいろ。お前は?」
「・・特に変わらないかな」
「ふ-ん」

オススメの店は学生時代には入らなかったような渋いトコ。
とりあえず生ビールを一気に飲み干して、一息ついた。
久しぶりの再会で固かった空気が柔らかくなったように感じた。
コイツは学生時代に同じテニススクールでアルバイトしていた仲間。
俺が新人だった頃、バリバリにレッスンしていた奴だ。
初めてレッスンで組んだ時、何も知らない俺は迷惑ばかり掛けていた。
だけど奴は怒りもせずに、丁寧に教えてくれたっけな。
いい奴だった。

「こないだのUSオープン、スゴかったな」
「ああ、錦織だろ?」
「日本テニス界希望の?」
「星だよ」
「だよなぁ」

今はテニスからちょっと距離を置いた奴にだって、そう感じさせる。
当たり前か。

「俺、久しぶりにガッツリテニスしたいなぁ」
「何だよ、来ればよかったじゃんか。こないだの合宿」
「いや、行きたかったけどさ。急なんだよ、いつも」
「ああ、すまん」
「次はいつやるんだ?」
「春くらいかなぁ」
「絶対行くから、早めに決めてな」
「分かったよ」

終盤、あの頃の話が出てきて、
「お前、泣きながら言ってたよな」
「何が?」
「いや、覚えてない?仕事にするって決めた時」
「?」
「泣きながら、『俺はこの仕事をやるんだ!』って」
「マジ?」
「覚えてない?」
「うん」
「酔っぱらってたからな、お前」
「そいつは迷惑をかけたな」
「いや、迷惑なんかじゃなかったけど・・・・お前は希望の星になったの?」
「・・・・・・」
「もう一軒行く?」
「そりゃあ」

スターへの道は果てしないのだ。
まだまだやり足りないぜ。
カテゴリー:-全力打球-編
09/11 11:20
02

★第35試合 『さあ!』

休日のランチ。
まあ別に洒落た店に行くわけでもなく、部屋でサンドイッチをパクつく。
昨日の酒が抜けたかどうかはよく分からないが、やはりビールは無くてはならない。
そういや一回戦は勝ったみたい。
相手は結構なランキングなんだから、もうちょい取り上げてもいいんじゃない?なんて思ったり。
ボスがハッピ着ながら真後ろから応援したんだって。
旗もって。
「俺のおかげだぁ!」
なんて言ってそうだな。
とにかく、この調子で勝ってもらいたいもんだ。

夢を追い続けた少年は、青年になりそれを掴みかけている。
今まさに、輝きを最高にして。

ふと、走りに行きたくなった。
ビールは半分以上残っているが、気にせずに外へ。
部屋から一歩踏み出した。

さあ行こうか!
カテゴリー:-全力打球-編
08/28 20:55
03

★第34試合 『プロローグ?』

「・・・・・」
「どうしたんですか?」
「・・・・・」
「ねぇ!どうしたんですかってば!」
「ん?ああ・・・思いつかなくて。メルマガネタが」
「あぁ、大変っすね-、いつも」
「お前、来年から代われよ」
「いいんですか!いやー、いつ声が掛かるかドキドキしながら待ってたんですよね!」

「・・・いや、やっぱり俺がやるわ」
「えぇぇぇぇ・・・・」
「お前じゃ不安だもん。日本語怪しいし」
「ちぇっ」
「って、無駄な会話に時間使っちゃったな。ほら、レッスンだろ?早く行けよ」
「ひでぇなぁ。まるで人を邪魔者みたいに」
「そんな事言ってないよ。そういえば最近ジュニアクラスの人数が多いよね」
「あ、話そらした-。ジュニアレッスンの夏期講習が人気なんですよ」
「あのシールがたまるとコーチからコメントがもらえるってやつだろ?ある意味、通信簿だよね」
「もらったジュニアはとても喜んでますよ」
「そうだろうな。やる気も出てくるだろ」
「はい、上達の度合いがマジヤバイッス!」
「そんな日本語を使ってるうちはメルマガは渡せん」
「はいはい、結構なんだかんだ言ってて、毎週楽しく書いてんですよね?
じゃあ、もっともっとやる気になるように、これからメルマガ一本書くごとに僕がシールあげますよ!」
「・・・いや、いらんな」
「・・・コメントもあげますよ?」
「もっといらん」
「冷たいなぁ」
「ほら、早くレッスンいけよ。俺は上がりだからビールのみに行くから」
「メルマガ書いてからですよ!」
「分かってるよ。仕事を終えてから飲まなきゃ美味しくなんかないからな、ビール」
「ビールの為に仕事してんすかぁ?手抜きした作品にしないで下さいよ-」
「早くレッスン行け!」
「は-い」
「ったく・・・さて、集中して原稿作るか!」

さて、今週のOne Boy's TENNIS Diary は・・・・・
カテゴリー:-全力打球-編
08/21 20:47
04

★第33試合 『ジュニア日記特別編-夏-』

久しぶりにあったジュニア。
もう中学生で、ちょっと大人になってたジュニア。
「テニスは?」
「近くのスクールに通ってる、週2回だけど」
「ふーん、部活は?」
「通ってる中学校にはなかった、軟式しか」
「そっか、他の部活には入らなかったの?」
「う-ん。考えたんだけど、他の部活やっちゃうと忙しくてテニスできなくなっちゃうから、入らなかった」
「そうか」
「うん。コーチ元気だった?」
「うん」
「そっか!」

なんだろう・・・やっぱり、テニスを続けてくれている事が、嬉しかった。
何がきっかけで、誰が火をつけて、どんなふうに導かれていたのか、今となっては分からない。
今更「俺が、俺が」としゃしゃり出る気は無いし、考えてみたら、実際俺は何もしてなかったんじゃないかって思って。
まあ、とりあえず嬉しかった。


新しく部下になった奴。
こんなに歳の離れた部下は初めて。
・・・それだけ俺も歳を取ったってコトか。
で、コイツがいきなり、
「僕、ここのジュニアクラス持ってみたいんですけど!」
って3つくらいボリュームを上げて言ってきた。
コイツにとっては普通の大きさだったみたいだが、デカイ。
何しろ・・・・デカイ。
「分かった分かった。けど、そうしたらこの日、シフトきつくなるよ、いいの?」
「ウッス!そのくらい大丈夫っす!」
「空き時間、あんま無いよ?」
「いいんです!この子達とレッスンしてみたいっす!」
「じゃあ・・・ちょっと考えておくよ」
「やったぁ!!」(←デカイ!!)
「ちょっと考えてから、だよ!」

効率ばかり考えて、一番大事なコトを見失ってなかった?
言い訳ばかり考えて、次の行動が遅くなってなかった?
まっすぐな気持ちで・・・・見てた?
止まってなかった?

あのジュニア達が今も続けてくれているのは何故だろう?って考えてみた。
少なくとも、俺が、俺達が、デカイ声で、非効率でも、すぐに、まっすぐに、進んでいたから、だよな?
いつだって全力打球。
今、その気持ちを持ってるか?

まだまだ負けてられないぜ!
もしも・・・・もしも止まっているならもう一度!
“デッカイ”声で・・・・、

「ヨーイ!ドン!!」
カテゴリー:-全力打球-編
08/14 13:47
05

★第32試合 『10972377』

A「父さん97連荘!」
B「なに?お父さんがどうかしたの?パチンコ?」
A「あれ?知らない?兄さん、7でリーチ!は?」
B「は?やっぱりパチンコ?」
A「ダメだなぁ。パチンコばっか。それでもテニスプレーヤー?」
B「・・・ま、一応ね。で、何なの?」
A「コートの大きさ、だよ。横が10.97メートル、縦が23.77メートル」
B「で、父さんと兄さん?アホクサッ!」
A「けどこれで覚えたでしょ?」
B「一生忘れないよ。だけど俺、コートの大きさは知ってたよ」
A「あ、そう?じゃあネットの真ん中の高さは?」
B「0.914メートル。これね、大体俺の股下と一緒くらいなのよ」
A「へ-・・・ってそんなに足長くないでしょ、キミ」
B「ぐ・・失礼な。アレーコートの幅、どう?」
A「1.37メートル。意外に大きいのよ、これが」
B「じゃあ、1.07メートル。これは?」
A「ダブルスの-ネットポストの-高さかな-」
B「見事な5、7、5!テニスより才能あるかも!ちなみにシングルスの時でも高さは一緒だよ」
A「テニスよりもか-うん、そうかも!・・・・っておい!」
B「お後が宜しいようで!ちゃんちゃん!」

よくもまあ考えたものです。
父さん-、兄さん-。
けどさ、自分達がプレーするコートの大きさ位は知っておきたいでしょ?
え?知ってるって?
ホントに-?

「キミがやけに調子がいい時は、センターの高さを正確なメジャーで計り直したほうがいい」

とは、有名な外国のテニスプレーヤーの台詞・・・・・ではないです。

ちゃんちゃん。
カテゴリー:-全力打球-編
08/07 14:21
06

★第31試合 『respect』

甲子園に出ている高校球児。
いつまでも彼らが年上のような感じがして、毎回見るたびに尊敬している自分がいる。
映像でもビンビン伝わってくる熱気と情熱がそうさせるんだろう。
負けたチームは、その夏、初めての敗北になる。
そりゃあ・・・・辛いよねぇ。
けど勝ったチームはまだ負けてないんだよね。
それって、すごいよね!

インターハイ。
毎回毎回、見に行こうと思ってて・・・。
場所が遠かったり、予定が合わなかったりとあきらめていたけど。
今回は・・・・!
これはもう行くしかないでしょ!
もちろんテニスも見に行くよ。
高校テニスプレーヤーの『彼等』は俺の目にどう映るんだろう?
やっぱり・・・・年上に見えちゃうんですかい?

あの頃に叶えられなかった夢。
その舞台を遠くからでいいから、直に感じてみたい。
俺達がどれくらい遠かったのか?
今はどれくらい近づけたのか?
もう永遠に届かないGOAL。
だけど想いはあの頃のまま。
歩み続ける。

Respect you!
悔い無きキミの夏を!

うん、今年の埼玉はアツくなりそうだ。
カテゴリー:-全力打球-編
07/31 16:03
07

★第30試合 『気付き』

「うわ!太っ!なんすか?この足?」
「ちょっと転んでやっちゃってね」
「練習中にですか?うわ〜太ももと同じ太さですね〜。・・・何て言うか・・・」
「何だよ」
「・・・メタボ足」
「なんか楽しそうだね、君」
「そんなことないっすよ。で、なんでコケたんすか?」
「ん?遠いボールを追いかけてね」
「で、もつれた、と」
「はいはい、もうそれでいいよ」
「けど、暫くはテニス出来ないっすね」
「そう・・・それが一番辛いのだ」

普通に歩いて、普通に走って、普通にテニスしていた。
時にはキツくて練習で手を抜いたり、サボったり。

今はサボることすら出来ない。
人は失ってはじめて、その大事さに気付くんだ。
友とのケンカ別れも、恋人とのツライ別れも、別れてから気付くものよ。
うんうん。
けど、人生はその気付きがあってから、どうするかが重要なんじゃない?

だから・・・次からはもっと愛します!
サボったりなんかしないからね!
ゴメンね、テニス。
待ってて、テニス!
カテゴリー:-全力打球-編
07/24 21:34
08

★第29試合 『進』

「ねぇ先輩・・・」
「何?」
「合宿やりません?」
「え?合宿?って合宿?あの学生がやる合宿?」
「そっす。昼はテニスして夜は花火して飲んで。肝試しもしたいなぁ」
「本気でいってんの?」
「いつがいいっすかね!8月中にしますか。やっぱり山梨かなぁ。僕、合宿所とかの、あのちょっとパサついたご飯の朝食が好きだったんですよね。あと昼飯は高確率でカレー、みたいな」
「要は、遊びに行きたいんだろ?」
「違いますよ!テニスがメインで・・・・」
「で?」
「で、まあ・・・遊びたいんです。けどテニスはしっかりやりますよ。あの炎天下の下、ガッツリ練習です!」
「山中湖の辺りはよく夕立がきて、練習中止になるんだよな」
「それも夏合宿の醍醐味ですよ」
「うん。そうだな。環境を変えて練習するのも大事だね。いつも同じ練習相手、試合相手じゃ緊張感も無いし、上達度合いも少ないしね」
「・・・それ、僕の事言ってません?」
「いや、そんなつもりじゃ無いけど」
「チェッ。ま、いいや。じゃ、決まりですね!」
「けど、皆の予定があうかなぁ?」
「時間は自分で作るもの、予定は自分で立てるもの、です!」
「はいはい、分かったよ。珍しく強気だねぇ。企画倒れにならないようにな」
「とりあえず、皆にメールで連絡しましょう!先輩も手伝って下さいね!ほら!早く!」
「分かった分かった。(こういう行動力は凄いんだよな)」
「なんか言いましたか?」

想いが想いのまま終わるか。
その想いを行動に移せるか。
やっぱり前者になってしまうことが多い。

“夢をかなえる一番の方法 君に教えよう それはかなうまでやり続ける事 自分を信じて”(夢唄/コブクロ)
まず一歩目!
カテゴリー:-全力打球-編
07/17 20:44
09

★第28試合 『1825日、BOM-BA-YE!』

ここでのレッスンも残すところ、あと数日。

「5年か・・・」

長かったな、やっぱり。
帰り道にふと思ったことが、気付かないうちに声に出ていて、驚いた。
同じところに居続けることで、仕事もどんどんやりやすくなって、何よりレッスンが進めやすくなっていった。
だから、俺なりに『想い』を伝え続けて来られたんだ。
だけど、ぬるま湯?って感じることも・・・確かにあったな。
甘えていた部分も・・・もしかしたらね。
目の前に広がる同じような風景に対して、
『自分の成長にブレーキをかけてんじゃないか!』って意味もなく悩んだりして。
勿論、そんなことはないんだけどね。

上司のアイツは『寂しい』と言ってくれた。
寂しいよ。
俺の方が。
いや、アンタとの別れがじゃなくて。
出会った人達との別れが。
練習をしたこのコートが。
喜怒哀楽が溢れていたあのスタッフルームが。
5年の月日全てが俺を引き留めてしょうがない。
だけど俺がこのコートを離れることには、きっと大きな意味があるはず。
まだやることがあるはず。ちげぇねぇ。
いつかまた戻ってきたい。
そんときは、アンタと肩を並べたいもんだな。

待ってろよ、埼玉。
まだまだこれからだぜ!

5年間に関わった全ての事に感謝します。
ありがとう。
さようなら。
また会う日まで。
カテゴリー:-全力打球-編
07/10 01:47
10

★第27試合 『決戦前夜』

「もう寝ましょうよ〜」
「ん、あぁ、もうちょいだけ」
「明日早いっすよ?試合なんすよ?」
「分かってるよ。だけどな、いいイメージを持つためには見なきゃいけないのよ」
「はいはい。だけど本当に勝ちたいなら飲まずに寝るべきですよね」
「うるさいな。オマエだって結構飲んだじゃないか」
「僕は適量&睡眠だから大丈夫ですよ」
「じゃ、寝れば?俺はイギリスの熱き闘いを目に焼き付けるから」
「勝手にしてください。おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」

「おはようございま〜すぅ」
「おはよう」
「・・・なんかずいぶんスッキリした感じですね」
「そうか?普通だよ。」
「ウインブルドンどうなったんすか?」
「・・・・」
「どうなったんすか?」
「・・・・」
「ねぇ!」
「それは見ていた者の秘密だろ。スゴかったなぁ、アイツ・・・」
「はいはい。試合で空回りしないで下さいよ」
「オマエも湘南のコートにひれ伏するだろうな」
「朝飯はどうします?」
「シカトか。そうだな、モス食べたい、俺」
「高いっすよ、モス。おごりっすか?」
「打ち上げの焼肉が割り勘でいいなら奢ってあげるよ」
「え!?モスくらいは自分で払いますよ!楽しみだなぁ、焼肉」
「焼肉云々じゃなくて、試合を楽しめよ」
「ヘ〜イ。で、今日の作戦は?」
「そうだなぁ・・・やっぱりサーブ&・・・おい!」
「ちぇっ。別に身内なんだからいいじゃないっすか!」
「わかってないなぁ、やっぱり・・・・」
「何がですか?」
「もう試合は始まってるってことだよ。俺はどんな試合も負けたくないの。身内の相手だってね。かつての名選手ブラッド・ギルバートは格上の選手に勝つために様々な手を使ったらしい」
「誰すか?」
「・・・もういい」
「けど、それは僕を格上と見てくれてるんですよね!嬉しいなぁ〜」
「オマエはモスも肉も自腹で払いなさい」
「冗談です〜」

試合も仕事も人生も同じ。
常に真剣でいこう。
そして誰にも負けたくない。
まだまだ突っ走らなきゃ。
カテゴリー:-全力打球-編
07/03 20:23
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