One Boy's TENNIS Diary カテゴリー:-全力打球-編
プロテニスコーチが素直な想いを綴るテニスダイアリーです。
01
★第66試合『friend』
「誰運転すんの、これ?」
「俺ムリ。ペーパーゴールドだから」
「大丈夫っす。誰も期待してないです」
「あ、そう?」
「私取りましたぁ、免許」
「ダメ、お前は」
「とりあえず僕がしますよ」
「そうだね。いつも通りってことで」
毎年恒例の夏合宿。
でっけぇワゴンをレンタルして、向かった先は伊豆長岡。
二日間で12時間練習のハードスケジュール。
毎日ラケットを持ってコートに立ってる奴が半数なのに、ちょっとの夏休みすらテニスしちまうなんて・・・・・ホントテニスバカだよなぁ、俺達。
(だけど、あまりの暑さに開始二時間で弱音を言ったのは俺だった)
みんなのいきいきとした、輝いてる顔が嬉しかった。
一年以上会ってない奴もいたけど・・・・。
全ては必然でしかない事を再確認。
みんなで立てた練習メニュー。
辛くて投げ出しそうになった。
10センチ以上の五匹の家蜘蛛と戦いながら食べたBBQ。
味なんか分からなかったけど、メンバーの互いへの気遣いはすっげえわかった。
夜の反省会。
しおりまで作って・・・・暇人め。
二日目スタートでの結婚祝いサプライズ。
コートでクラッカーは今回限りだぜ。
幸せになれよ。
試合は意地のぶつかり合い。
「コイツらには負けるわけにはいかない」
いつまでも先頭に立ち続ける男でいなくては。
と言う想いは、打ち砕かれて0勝4敗。
強くなったね、キミたち。
来年も再来年も。
一生続けていこうぜ。
そろそろ時間だから、帰ろうか。
寂しいかい?
平気だよ。
だって想いは一つなんだろ?
じゃあな。
また来年!
「俺ムリ。ペーパーゴールドだから」
「大丈夫っす。誰も期待してないです」
「あ、そう?」
「私取りましたぁ、免許」
「ダメ、お前は」
「とりあえず僕がしますよ」
「そうだね。いつも通りってことで」
毎年恒例の夏合宿。
でっけぇワゴンをレンタルして、向かった先は伊豆長岡。
二日間で12時間練習のハードスケジュール。
毎日ラケットを持ってコートに立ってる奴が半数なのに、ちょっとの夏休みすらテニスしちまうなんて・・・・・ホントテニスバカだよなぁ、俺達。
(だけど、あまりの暑さに開始二時間で弱音を言ったのは俺だった)
みんなのいきいきとした、輝いてる顔が嬉しかった。
一年以上会ってない奴もいたけど・・・・。
全ては必然でしかない事を再確認。
みんなで立てた練習メニュー。
辛くて投げ出しそうになった。
10センチ以上の五匹の家蜘蛛と戦いながら食べたBBQ。
味なんか分からなかったけど、メンバーの互いへの気遣いはすっげえわかった。
夜の反省会。
しおりまで作って・・・・暇人め。
二日目スタートでの結婚祝いサプライズ。
コートでクラッカーは今回限りだぜ。
幸せになれよ。
試合は意地のぶつかり合い。
「コイツらには負けるわけにはいかない」
いつまでも先頭に立ち続ける男でいなくては。
と言う想いは、打ち砕かれて0勝4敗。
強くなったね、キミたち。
来年も再来年も。
一生続けていこうぜ。
そろそろ時間だから、帰ろうか。
寂しいかい?
平気だよ。
だって想いは一つなんだろ?
じゃあな。
また来年!
カテゴリー:-全力打球-編
08/10 18:33
02
★第65試合『DREAM』
昨日寝たのが午前0時過ぎ。
何でかって?
いや、ジュニア達が興奮しちまって、さ。
「寝れなぁい。眠くなぁい」
と、甘えてきた。
「うっさい。寝ろ。明日、テニスで上手くできないぞ!」
とも何だか可愛そうで、だってさ…楽しそうなんだもん。
「じゃ起きてれば」
ちょっと酔ってしまってあまくなったかな?
自販機には上品な酒しかなくて、仕方なく寝酒に梅酒を買った。
事実、半分近く飲んだところで俺は配分てきとうなレモンサワーが恋しくなる。
が、しかしジュニア達は容赦ない。
「僕はお酒飲む人が嫌い-」
「うえ-、コーチ、酒飲むの-」
「なんやかんや-」
ま、要はいろいろ責められたわけだ。
・・・・・ちぇっ・・いいんだ。
ただ、俺の消灯時間延長許可に対しては、
「いいの?!やったぁ-!ありがとう!コーチ!」
現金な奴等だ。
昨日今日とスクールのジュニアキャンプ。
だった一泊だが、彼等彼女等の一生の思い出になれば、それでいい。
帰りの電車でふと、聞いた。
「ねぇ、君は将来何になりたい?」
「う-ん、インド人になりたい」
一瞬しらけて、
「あっそ。大変だねぇ」
「うん」
そして、間が空いて恥ずかしそうに下を向きながら俺に言ってきた。
「僕はねぇ、ホントはねぇ、テニスのねぇ、プロの選手にねぇ、なりたいんだ」
嬉しくて、言葉が出なかった。
「・・・そうかい!じゃあ帰ってからも頑張ろうね!」
「けどさぁ、無理だよねぇ」
「そんなことはないさ!頑張ろうね!」
「・・・うん!」
これがあるからやめられねぇんだよな。
さ、明日からもファイトだぜ!
何でかって?
いや、ジュニア達が興奮しちまって、さ。
「寝れなぁい。眠くなぁい」
と、甘えてきた。
「うっさい。寝ろ。明日、テニスで上手くできないぞ!」
とも何だか可愛そうで、だってさ…楽しそうなんだもん。
「じゃ起きてれば」
ちょっと酔ってしまってあまくなったかな?
自販機には上品な酒しかなくて、仕方なく寝酒に梅酒を買った。
事実、半分近く飲んだところで俺は配分てきとうなレモンサワーが恋しくなる。
が、しかしジュニア達は容赦ない。
「僕はお酒飲む人が嫌い-」
「うえ-、コーチ、酒飲むの-」
「なんやかんや-」
ま、要はいろいろ責められたわけだ。
・・・・・ちぇっ・・いいんだ。
ただ、俺の消灯時間延長許可に対しては、
「いいの?!やったぁ-!ありがとう!コーチ!」
現金な奴等だ。
昨日今日とスクールのジュニアキャンプ。
だった一泊だが、彼等彼女等の一生の思い出になれば、それでいい。
帰りの電車でふと、聞いた。
「ねぇ、君は将来何になりたい?」
「う-ん、インド人になりたい」
一瞬しらけて、
「あっそ。大変だねぇ」
「うん」
そして、間が空いて恥ずかしそうに下を向きながら俺に言ってきた。
「僕はねぇ、ホントはねぇ、テニスのねぇ、プロの選手にねぇ、なりたいんだ」
嬉しくて、言葉が出なかった。
「・・・そうかい!じゃあ帰ってからも頑張ろうね!」
「けどさぁ、無理だよねぇ」
「そんなことはないさ!頑張ろうね!」
「・・・うん!」
これがあるからやめられねぇんだよな。
さ、明日からもファイトだぜ!
カテゴリー:-全力打球-編
07/25 12:22
03
★第64試合『motivation』
「じゃあ、テニスが上手くなるために一番必要な事は?」
「う〜ん、フットワークですか!」
「はい、頭だして」
「あ、ちょっ、ちょっと待って!あ〜・・・(ゴン!)いてっ!ちょっとは手加減してくださいよ!」
「うっさい。はい、あと三秒以内に答えて。3、2、1・・・・・」
「うあぁぁ〜。えと、え〜と・・・・素質?」
「ア・・・・・ホ!!出せ」
「・・・・頭ですよね?(ガゴン!)いでっ!」
「ギブ?」
「はい・・・」
「答えは・・・・トモハル、分かるか?」
「モチベーションです」
「そうだな」
「あれ?何でしってんの?て言うか、何で俺に教えてくれないの?きったね〜」
「いいか?モチベーションが低かったら、どれだけ練習しても上手くなんかならない。それを与えるのもコーチの役目だよ」
「はぁ」
「だから、お前の今日のジュニアレッスンは、お前が悪いんだよ。分かる?」
「は?ジュニアが真面目にやらないことが、ですか?」
「そう。なのにお前は・・・・」
「・・・・説教しました」
「そう!悪いのは・・・・・」
「僕なのに?えぇ〜」
「まだ分かってないか?」
「だって、アイツラいくら言っても言うこと聞かないし。・・・俺だって、ちゃんとやってますよ!」
「つもり、だろ?俺ならもっといいレッスン出来るよ?来月から代わるか?」
「ぐ・・・いや、全然負ける気無いっすから!
いつまでも上から目線で居られると思わないでくださいね!」
「じゃあ、ダメなら再来月代えるからな」
「分かりました!すいませ〜ん!生中追加で!」
「あ、俺レモンサワーね」
「僕カシスオレンジで」
「はいはい!ったく、自分で頼んで下さいよ!」
と、まあ、こんな感じのやり取りは、毎日だった。
読んでもらえれば解るように、モチベーションを与えられていたのは、俺だったんだな。
う〜ん、やるなぁ。
明日からまた頑張ってみますか!
「う〜ん、フットワークですか!」
「はい、頭だして」
「あ、ちょっ、ちょっと待って!あ〜・・・(ゴン!)いてっ!ちょっとは手加減してくださいよ!」
「うっさい。はい、あと三秒以内に答えて。3、2、1・・・・・」
「うあぁぁ〜。えと、え〜と・・・・素質?」
「ア・・・・・ホ!!出せ」
「・・・・頭ですよね?(ガゴン!)いでっ!」
「ギブ?」
「はい・・・」
「答えは・・・・トモハル、分かるか?」
「モチベーションです」
「そうだな」
「あれ?何でしってんの?て言うか、何で俺に教えてくれないの?きったね〜」
「いいか?モチベーションが低かったら、どれだけ練習しても上手くなんかならない。それを与えるのもコーチの役目だよ」
「はぁ」
「だから、お前の今日のジュニアレッスンは、お前が悪いんだよ。分かる?」
「は?ジュニアが真面目にやらないことが、ですか?」
「そう。なのにお前は・・・・」
「・・・・説教しました」
「そう!悪いのは・・・・・」
「僕なのに?えぇ〜」
「まだ分かってないか?」
「だって、アイツラいくら言っても言うこと聞かないし。・・・俺だって、ちゃんとやってますよ!」
「つもり、だろ?俺ならもっといいレッスン出来るよ?来月から代わるか?」
「ぐ・・・いや、全然負ける気無いっすから!
いつまでも上から目線で居られると思わないでくださいね!」
「じゃあ、ダメなら再来月代えるからな」
「分かりました!すいませ〜ん!生中追加で!」
「あ、俺レモンサワーね」
「僕カシスオレンジで」
「はいはい!ったく、自分で頼んで下さいよ!」
と、まあ、こんな感じのやり取りは、毎日だった。
読んでもらえれば解るように、モチベーションを与えられていたのは、俺だったんだな。
う〜ん、やるなぁ。
明日からまた頑張ってみますか!
カテゴリー:-全力打球-編
07/10 11:40
04
★第63試合『走る』
「どうだったの?」
「1-2だったよ」
「へぇ、惜しかったね」
「1stは取ったんだけどね。ちょっと足にきちゃったみたいだよ」
「けど・・・ありきたりな言葉だけど、『すごい』よね」
「うん」
彼女は『来年もプレーヤーとしてウィンブルドンにもどってきます』と宣言していた。
いい笑顔だった。
結果はどうあれ、ライジング・サンは健在だった。
「走ってくる」
誰に言ってるんだかな。
自分に?
言葉に出さないと、ドアを開けられない気がして。
兎に角、興奮して体を動かしたくなって、外へ出た。
まだ雨が上がりきらずにいたが、気にしなかった。
いや、むしろ、心地よい感じさえした。
気の向いた方へ進む。
走ってる時は、考える時間であり、無心にもなれる時間でもある。
何を考えていたのか?
じゃ逆に無心になれる理由は?
それは走った本人にしか分からないよね。
彼女の走る姿が僕に勇気をくれた。
まだ止まる時じゃない。
まだ負ける時じゃない。
まだ・・・・まだまだ。
雨はいつの間にか上がり、太陽が顔を見せた。
(汗もかいたし、シャワーを浴びて・・・・・)
そう。
帰りにビールを買おうとしてるところが・・・まだまだかな。
さ、もうちょいだけ走るか!
「1-2だったよ」
「へぇ、惜しかったね」
「1stは取ったんだけどね。ちょっと足にきちゃったみたいだよ」
「けど・・・ありきたりな言葉だけど、『すごい』よね」
「うん」
彼女は『来年もプレーヤーとしてウィンブルドンにもどってきます』と宣言していた。
いい笑顔だった。
結果はどうあれ、ライジング・サンは健在だった。
「走ってくる」
誰に言ってるんだかな。
自分に?
言葉に出さないと、ドアを開けられない気がして。
兎に角、興奮して体を動かしたくなって、外へ出た。
まだ雨が上がりきらずにいたが、気にしなかった。
いや、むしろ、心地よい感じさえした。
気の向いた方へ進む。
走ってる時は、考える時間であり、無心にもなれる時間でもある。
何を考えていたのか?
じゃ逆に無心になれる理由は?
それは走った本人にしか分からないよね。
彼女の走る姿が僕に勇気をくれた。
まだ止まる時じゃない。
まだ負ける時じゃない。
まだ・・・・まだまだ。
雨はいつの間にか上がり、太陽が顔を見せた。
(汗もかいたし、シャワーを浴びて・・・・・)
そう。
帰りにビールを買おうとしてるところが・・・まだまだかな。
さ、もうちょいだけ走るか!
カテゴリー:-全力打球-編
06/25 21:01
05
★第62試合『signpost』
「彼と会う機会があったので、貰っときましたよ」
「何を?」
「サイン」
「えぇ!ありがとう!家宝にするね!」
彼がウインブルドンベスト4を懸けて、サンプラスに臨んだ試合を深夜放送で見た。
当時のナンバーワンからファーストセットを奪った時は、心の底から奮えたなぁ。
根拠も無く、「勝てる!」なんて思ってね。
高校生の俺の目には、カッコイイ日本人に見えたんだ。
もちろん今だって。
その時にもサインをもらったっけ。
(俺がきったねぇ字で送った往復はがきを送り返してくれたんだよなぁ)
書いてあった言葉?
“テニス頑張って!”だったなぁ。
そこからだった。
それがきっかけだった。
テニスROADを突き進み始めたのは。
数日後、届いた色紙には、大きく彼の名前が書いてあった。
名前の横には、宛名、そして一言。
“この一球”
ありがとよ。
今、ちょっとだけこの道で足踏みしてた気がする。
けどもう大丈夫。
いつか貴方と同じコートに立てるよう・・・・
絶対無二のアツい人生を送ってやるぜ!
「何を?」
「サイン」
「えぇ!ありがとう!家宝にするね!」
彼がウインブルドンベスト4を懸けて、サンプラスに臨んだ試合を深夜放送で見た。
当時のナンバーワンからファーストセットを奪った時は、心の底から奮えたなぁ。
根拠も無く、「勝てる!」なんて思ってね。
高校生の俺の目には、カッコイイ日本人に見えたんだ。
もちろん今だって。
その時にもサインをもらったっけ。
(俺がきったねぇ字で送った往復はがきを送り返してくれたんだよなぁ)
書いてあった言葉?
“テニス頑張って!”だったなぁ。
そこからだった。
それがきっかけだった。
テニスROADを突き進み始めたのは。
数日後、届いた色紙には、大きく彼の名前が書いてあった。
名前の横には、宛名、そして一言。
“この一球”
ありがとよ。
今、ちょっとだけこの道で足踏みしてた気がする。
けどもう大丈夫。
いつか貴方と同じコートに立てるよう・・・・
絶対無二のアツい人生を送ってやるぜ!
カテゴリー:-全力打球-編
06/10 13:58
06
★第61試合『アツく生きるという事』
「お疲れっす!」
「おう、お疲れ。大丈夫か?」
「何がっすか?」
「いや、レッスン連続だっただろ?あいつの代わりもあったし」
「あぁ!全然問題ないですよ!けど普段やってないクラスって緊張しますよね!」
「そうだな。どうだった?」
「全部楽しかったっす!」
「そうか。テンション上がってるもんな」
「分かります?」
「うん、声の大きさで分かる」
「え?でかいっすか?」
「うん」
「すいませ〜ん。メシ食ってきます!」
「いってらっしゃい」
そうだった。
テニスをしている時間は最高の時間だったね。
要らぬ心配をしてしまった自分に反省し気合を入れなおした。
そして俺はテニスコートに向かった。
「じゃ、お先〜っす」
「うん、また明日もよろしくな」
帰り道に聴いた曲は・・・・沁みたぜ。
“火傷するくれぇアチィ人生選んだんだろう”
(親友よ/湘南乃風)
待ってろ!明日!
「おう、お疲れ。大丈夫か?」
「何がっすか?」
「いや、レッスン連続だっただろ?あいつの代わりもあったし」
「あぁ!全然問題ないですよ!けど普段やってないクラスって緊張しますよね!」
「そうだな。どうだった?」
「全部楽しかったっす!」
「そうか。テンション上がってるもんな」
「分かります?」
「うん、声の大きさで分かる」
「え?でかいっすか?」
「うん」
「すいませ〜ん。メシ食ってきます!」
「いってらっしゃい」
そうだった。
テニスをしている時間は最高の時間だったね。
要らぬ心配をしてしまった自分に反省し気合を入れなおした。
そして俺はテニスコートに向かった。
「じゃ、お先〜っす」
「うん、また明日もよろしくな」
帰り道に聴いた曲は・・・・沁みたぜ。
“火傷するくれぇアチィ人生選んだんだろう”
(親友よ/湘南乃風)
待ってろ!明日!
カテゴリー:-全力打球-編
05/25 15:32
07
★第60試合『本気のありがとう』
「本気のありがとうって言ったことある?」
「何?急に?ありがとう?」
「そう、本気の」
「そうだなぁ・・・財布落としたときに拾ってくれた人とか、
試験前にノート見せてくれた人にとか・・・相手がダブルフォルトした時とか?」
「あのねぇ・・・そんな自己中心的な本気ではなくてさぁ・・・」
「じゃあ、どんなのを本気って言うのさ」
「それはねぇ・・・両親へのありがとう、なんだよねぇ-」
「ふふん、言ってるよ、ありがとう。
ちょっと財布の中身が厳しい時なんかにタイミングよく荷物送ってきてくれた時とか。
もうチョー本気のありがとうだよね」
「あっそ・・・薄っぺらい本気ですね」
「違うの?やっぱし」
「正解は『お母さん、産んでくれてありがとう。お父さん、私のために働いてくれてありがとう』っていう本気」
「ほうほう」
「みんな、心のどこかでは思ってるんだろうけど、それをしっかり伝えることが大切なんだよ」
「結婚式の披露宴とかで花嫁さんが読む手紙とか、そうだよね。俺、あれ読まれるとダメ、弱いんだよねぇ」
「そうそう。俺もこの前、友達の結婚式で鼻すすった」
「で、お前は言ったことあるの?ありがとうを」
「う-ん・・・言えなかった。だから、手紙にしてね、伝えたよ。『二人の息子で良かった』も付け加えた」
「やるねぇ。俺も帰ったら書いてみるかなぁ・・・」
「あとはね、テニスの道を歩ませてくれて、選ばせてくれてありがとう、も入れた」
「そうだな、感謝しなきゃな」
テニスコーチの道を選ぶことを伝えた時、母は一瞬反対をした。
口には出さなかったが、表情がそう言っていた。
けど、「どうせ何言ってもダメなんでしょ」と一言だけ。
父には直接伝えることが出来なかったが、母が上手くやってくれたんだろうな。
(もしかしたら、逆かもしれないけど)
今日は『母の日』だから、感謝の気持を伝えます。
母さん、ホントにありがとう。
父さんには来月ね。
「何?急に?ありがとう?」
「そう、本気の」
「そうだなぁ・・・財布落としたときに拾ってくれた人とか、
試験前にノート見せてくれた人にとか・・・相手がダブルフォルトした時とか?」
「あのねぇ・・・そんな自己中心的な本気ではなくてさぁ・・・」
「じゃあ、どんなのを本気って言うのさ」
「それはねぇ・・・両親へのありがとう、なんだよねぇ-」
「ふふん、言ってるよ、ありがとう。
ちょっと財布の中身が厳しい時なんかにタイミングよく荷物送ってきてくれた時とか。
もうチョー本気のありがとうだよね」
「あっそ・・・薄っぺらい本気ですね」
「違うの?やっぱし」
「正解は『お母さん、産んでくれてありがとう。お父さん、私のために働いてくれてありがとう』っていう本気」
「ほうほう」
「みんな、心のどこかでは思ってるんだろうけど、それをしっかり伝えることが大切なんだよ」
「結婚式の披露宴とかで花嫁さんが読む手紙とか、そうだよね。俺、あれ読まれるとダメ、弱いんだよねぇ」
「そうそう。俺もこの前、友達の結婚式で鼻すすった」
「で、お前は言ったことあるの?ありがとうを」
「う-ん・・・言えなかった。だから、手紙にしてね、伝えたよ。『二人の息子で良かった』も付け加えた」
「やるねぇ。俺も帰ったら書いてみるかなぁ・・・」
「あとはね、テニスの道を歩ませてくれて、選ばせてくれてありがとう、も入れた」
「そうだな、感謝しなきゃな」
テニスコーチの道を選ぶことを伝えた時、母は一瞬反対をした。
口には出さなかったが、表情がそう言っていた。
けど、「どうせ何言ってもダメなんでしょ」と一言だけ。
父には直接伝えることが出来なかったが、母が上手くやってくれたんだろうな。
(もしかしたら、逆かもしれないけど)
今日は『母の日』だから、感謝の気持を伝えます。
母さん、ホントにありがとう。
父さんには来月ね。
カテゴリー:-全力打球-編
05/10 12:40
08
★第59試合『“トスアップ-俺達の道-”最終話』(不定期連載青春テニスストーリー)
《前回のあらすじ》
ユウスケはアメリカに行ってしまった。
スミオは全てを受け入れ、高校最後の大会に臨む。
試合終了後、彼が感じる事は・・・
応援席の奴らが下を向いた。
隣のコートでは試合終了の握手。
(金子達・・・負けたか)
三面同時にスタートした試合はダブルスから決着が着いた。
(まだだ!俺達が勝てばいいんだ!)
隣のヤスオは何度もガッツポーズをしているし、大丈夫なはず。
ベンチコーチがいたが、ヤスオのスコアは聞かなかった。
いや、そうではなくて・・・聞けなかったのかもしれない。
一度大きく深呼吸して、俺は目の前の相手に集中した。
4―4。
競っている。
対戦相手の奴には、二年前にダンゴで負けたこともある。
だけどそれからの二年、ひたすらにガムシャラにやってきた。
朝練もしたし、毎日練習後に走った。
炭酸飲料だって我慢したんだ。
(ついこないだ、解禁しちまったけど)
とにかく、あの頃の俺とは違うんだ。
2ポイントずつ取り合い、30-30になった。
俺の1stサーブ。
トスを上げた。
ちょっとズレて躊躇った。
打たずに構えを解き、ボールが地面に着いた、その瞬間。
隣を見るとヤスオが膝を突いていた。
そっか、負けてたのか。
勝敗が決した試合は途中で打ち切られる。
団体戦とは無情なものだ。
ただ・・・ただ、最後までやりたかった。
ま、仕方ないか。
ユウスケには「ほら見ろ、お前がいないから負けちまった」と報告してやろう。
俺は、もう一度だけトスアップして、そのボールを落とさずに捕った。
俺達のテニスストーリーは始まったばかりだ。
トスアップ-俺達の道-・第一部・完
(ご愛読ありがとうございました。次号から通常のOne Boy's TENNIS Diaryに戻ります)
ユウスケはアメリカに行ってしまった。
スミオは全てを受け入れ、高校最後の大会に臨む。
試合終了後、彼が感じる事は・・・
応援席の奴らが下を向いた。
隣のコートでは試合終了の握手。
(金子達・・・負けたか)
三面同時にスタートした試合はダブルスから決着が着いた。
(まだだ!俺達が勝てばいいんだ!)
隣のヤスオは何度もガッツポーズをしているし、大丈夫なはず。
ベンチコーチがいたが、ヤスオのスコアは聞かなかった。
いや、そうではなくて・・・聞けなかったのかもしれない。
一度大きく深呼吸して、俺は目の前の相手に集中した。
4―4。
競っている。
対戦相手の奴には、二年前にダンゴで負けたこともある。
だけどそれからの二年、ひたすらにガムシャラにやってきた。
朝練もしたし、毎日練習後に走った。
炭酸飲料だって我慢したんだ。
(ついこないだ、解禁しちまったけど)
とにかく、あの頃の俺とは違うんだ。
2ポイントずつ取り合い、30-30になった。
俺の1stサーブ。
トスを上げた。
ちょっとズレて躊躇った。
打たずに構えを解き、ボールが地面に着いた、その瞬間。
隣を見るとヤスオが膝を突いていた。
そっか、負けてたのか。
勝敗が決した試合は途中で打ち切られる。
団体戦とは無情なものだ。
ただ・・・ただ、最後までやりたかった。
ま、仕方ないか。
ユウスケには「ほら見ろ、お前がいないから負けちまった」と報告してやろう。
俺は、もう一度だけトスアップして、そのボールを落とさずに捕った。
俺達のテニスストーリーは始まったばかりだ。
トスアップ-俺達の道-・第一部・完
(ご愛読ありがとうございました。次号から通常のOne Boy's TENNIS Diaryに戻ります)
カテゴリー:-全力打球-編
04/25 05:05
09
★第58試合『“トスアップ-俺達の道-”第六話』(不定期連載青春テニスストーリー)
《前回のあらすじ》
ついに明かされた真実。
数日後、ユウスケはアメリカへ飛び立つ事になる。
それを聞いたスミオは?
彼等のテニスストーリーはどうなるのか?
「(アメリカか・・・)」
授業なんか耳に入るはずも無く、窓ガラス越しに校庭を眺めていた。
昨日、ユウスケから告げられた事実はどうしようもなくスミオの頭の中に巡っていた。
「スミオ!!!」
「はひ?!」
数学担当のコガ先生だ。
「どこ見てんだ!集中しなさい!」
「すいません・・・」
しまった・・・。コガ先生は視野が広くて、居眠りなんかしてると、すぐ見つかるんだった。
残りの時間は、何とか教科書と黒板に顔を向けていたが、この授業は欠席したようなもんだ。
授業が終わり、部室に向かった。
ユウスケはもう着替えてストレッチをしている。
「オス」
「おう」
ぎこちない挨拶、もちろん会話なんて無かった。
それに気付いた部員は一人もいなかっただろうが。
俺が着替え終わるくらいに、顧問のニイホリ先生が入ってきた。
「みんないるか?」
全員を見渡して、
「ちょっと練習前にみんなに報告があるから。おい、ユウスケ」
と言うと、ユウスケはストレッチを止めて、アメリカ行きを話し出した。
全員の顔が驚きの表情になるが、俺はもう知っていたためだろうか、何も感じなかった。
出発が一週間後になったため、急遽報告に至ったらしい。
その日の練習で一番集中し、良い動きをしていたのは俺とユウスケであったろう。
コイツとテニスできるのは後ちょっと・・・そう思うと普段は取れなかったボールに手が伸びたりした。
お互い、まだまだ伸び代があるんだな、もっと追い込めるんだなって。
一週間、2人は集中をキープしレベルアップを見せた。
そんな密度の濃い時間はあっという間に過ぎ、ユウスケはアメリカに飛び立った。
最後に交わした言葉は、
「がんばれよ」
「おう、お前も」
何だかあっけなかった。
俺達は練習を続け、大会を迎えた・・・。
ユウスケはアメリカへ。
スミオは高校最後の大会へ。
ユウスケのいない大会で感じることは・・・。
次回、必読の最終回!
(青春テニスストーリー掲載は打ち切りになったわけではありません・・・)
つづく・・・(え?次号最終回ですか!?編集長?)
ついに明かされた真実。
数日後、ユウスケはアメリカへ飛び立つ事になる。
それを聞いたスミオは?
彼等のテニスストーリーはどうなるのか?
「(アメリカか・・・)」
授業なんか耳に入るはずも無く、窓ガラス越しに校庭を眺めていた。
昨日、ユウスケから告げられた事実はどうしようもなくスミオの頭の中に巡っていた。
「スミオ!!!」
「はひ?!」
数学担当のコガ先生だ。
「どこ見てんだ!集中しなさい!」
「すいません・・・」
しまった・・・。コガ先生は視野が広くて、居眠りなんかしてると、すぐ見つかるんだった。
残りの時間は、何とか教科書と黒板に顔を向けていたが、この授業は欠席したようなもんだ。
授業が終わり、部室に向かった。
ユウスケはもう着替えてストレッチをしている。
「オス」
「おう」
ぎこちない挨拶、もちろん会話なんて無かった。
それに気付いた部員は一人もいなかっただろうが。
俺が着替え終わるくらいに、顧問のニイホリ先生が入ってきた。
「みんないるか?」
全員を見渡して、
「ちょっと練習前にみんなに報告があるから。おい、ユウスケ」
と言うと、ユウスケはストレッチを止めて、アメリカ行きを話し出した。
全員の顔が驚きの表情になるが、俺はもう知っていたためだろうか、何も感じなかった。
出発が一週間後になったため、急遽報告に至ったらしい。
その日の練習で一番集中し、良い動きをしていたのは俺とユウスケであったろう。
コイツとテニスできるのは後ちょっと・・・そう思うと普段は取れなかったボールに手が伸びたりした。
お互い、まだまだ伸び代があるんだな、もっと追い込めるんだなって。
一週間、2人は集中をキープしレベルアップを見せた。
そんな密度の濃い時間はあっという間に過ぎ、ユウスケはアメリカに飛び立った。
最後に交わした言葉は、
「がんばれよ」
「おう、お前も」
何だかあっけなかった。
俺達は練習を続け、大会を迎えた・・・。
ユウスケはアメリカへ。
スミオは高校最後の大会へ。
ユウスケのいない大会で感じることは・・・。
次回、必読の最終回!
(青春テニスストーリー掲載は打ち切りになったわけではありません・・・)
つづく・・・(え?次号最終回ですか!?編集長?)
カテゴリー:-全力打球-編
04/10 15:14
10
★第57試合『“トスアップ-俺達の道-”第五話』(不定期連載青春テニスストーリー)
《前回のあらすじ》
ユウスケに真実を聞き出すため後を追うスミオ。
「このイライラを止める」スミオの頭にはそれしかなかった。
ユウスケとスミオの話合いが始まる。
「なんで黙ってたんだよ・・・・」
「・・・・」
「じゃあ・・・ダブルスも組めないのか?」
ユウスケは下を向いて黙ったままだった。
大会は団体だけじゃない。
もちろん個人戦も行われる。
ユウスケの言っていることが本当なら、俺は個人戦のペアを変更しなければならない。
と言うか、時期的にもうエントリーは済んでるはずだから、もう・・・・
「お前はヤスオと組むことになってる」
「そうか・・・・どうりで最近良く組まされるわけだ」
「そういうことだ」
俺達は駅前のファーストフード店に入った。
「ダブルバーガーセット!ポテトとコーラ!LLで!」
なんだかどうでもよくなり、禁じていた炭酸飲料をがぶ飲みしたくなった。
ユウスケも
「同じの。ファンタオレンジで」
席についてポテトを口に運んだ。
俺は一本ずつ。
ユウスケは2-3本ずつまとめてだった。
「で、なんで?」
「うん・・・・実はさ、引っ越すんだよね」
俺達はポテトとコーラ、ファンタを交互に口にしながら会話を続けた。
バーガーは手つかず。
これを食べてしまうと会話が途切れてしまうような気持ちになった。
「どこ?別にそっから大会にくればよくね?」
「ちょっと厳しいんだよ」
「なんで?」
「アメリカ」
「は?」
「アメリカだからさ。引っ越し先」
ポテトすらも止まってしまった。
そこからどうやって家まで帰ったか、よく覚えてない。
ただアイツが父親の仕事の関係でもう近々にアメリカに立つこと。
アイツのわがままで日本に残ることは許してもらえなかったこと。
ニイホリも何とかしようと動いたがダメだったこと。
全て細かく話してくれた。
ただ、俺が一番理解出来たことは、奴が最近英語ばかり勉強していた理由だけだった。
帰宅してメシも食べずにベッドに入った。
腹は全く減らなかったが、それがダブルバーガーのせいかどうかは良く分からなかった。
ついに明かされた真実。
もうどうしようもない事実。
スミオとユウスケのテニスストーリーはどうなるのか?
(青春テニスストーリー掲載はもうすぐ終わると思います)
つづく・・・(そろそろ最終回に?)
ユウスケに真実を聞き出すため後を追うスミオ。
「このイライラを止める」スミオの頭にはそれしかなかった。
ユウスケとスミオの話合いが始まる。
「なんで黙ってたんだよ・・・・」
「・・・・」
「じゃあ・・・ダブルスも組めないのか?」
ユウスケは下を向いて黙ったままだった。
大会は団体だけじゃない。
もちろん個人戦も行われる。
ユウスケの言っていることが本当なら、俺は個人戦のペアを変更しなければならない。
と言うか、時期的にもうエントリーは済んでるはずだから、もう・・・・
「お前はヤスオと組むことになってる」
「そうか・・・・どうりで最近良く組まされるわけだ」
「そういうことだ」
俺達は駅前のファーストフード店に入った。
「ダブルバーガーセット!ポテトとコーラ!LLで!」
なんだかどうでもよくなり、禁じていた炭酸飲料をがぶ飲みしたくなった。
ユウスケも
「同じの。ファンタオレンジで」
席についてポテトを口に運んだ。
俺は一本ずつ。
ユウスケは2-3本ずつまとめてだった。
「で、なんで?」
「うん・・・・実はさ、引っ越すんだよね」
俺達はポテトとコーラ、ファンタを交互に口にしながら会話を続けた。
バーガーは手つかず。
これを食べてしまうと会話が途切れてしまうような気持ちになった。
「どこ?別にそっから大会にくればよくね?」
「ちょっと厳しいんだよ」
「なんで?」
「アメリカ」
「は?」
「アメリカだからさ。引っ越し先」
ポテトすらも止まってしまった。
そこからどうやって家まで帰ったか、よく覚えてない。
ただアイツが父親の仕事の関係でもう近々にアメリカに立つこと。
アイツのわがままで日本に残ることは許してもらえなかったこと。
ニイホリも何とかしようと動いたがダメだったこと。
全て細かく話してくれた。
ただ、俺が一番理解出来たことは、奴が最近英語ばかり勉強していた理由だけだった。
帰宅してメシも食べずにベッドに入った。
腹は全く減らなかったが、それがダブルバーガーのせいかどうかは良く分からなかった。
ついに明かされた真実。
もうどうしようもない事実。
スミオとユウスケのテニスストーリーはどうなるのか?
(青春テニスストーリー掲載はもうすぐ終わると思います)
つづく・・・(そろそろ最終回に?)
カテゴリー:-全力打球-編
03/25 07:39
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