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Oneboy

One Boy's TENNIS Diary カテゴリー:~全力打球~編

プロテニスコーチが素直な想いを綴るテニスダイアリーです。
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01

★第15試合 『日記』

「へぇ、とうとう引越ししたんだ」
「ん、まあな」
「で、どうだよ、新しい家の住み心地は?」
「変わらないよ、一人暮らし用のアパートなんてどこ住んでも一緒」
「そんなもんかねぇ」
「そんなもん」
「あの辺りは、ちょっと先に行くと大きなショッピンセンターがあって何でも揃うんだぜ。そうそう、でっかいパチンコ屋もあったな。もう行った?」
「あぁ、ショッピングセンターには行ったけど、パチンコは行ってないよ。もうやめたし」
「あ、そうなの?けど飲み屋も近くにないし、やることないんじゃない?」
「いいんだよ、愛する部屋に直帰するから。昨日なんか自炊しちゃったぜ。何年ぶりかな?まあ失敗して鍋を焦げ付かせたけど」
「何というか・・・やることが堅いというか。愛する部屋じゃなくて、早く人を見つけろよ。メシも作ってもらわなきゃなぁ!」
「余計なお世話!お前は実家だからメシが出てくるし、いいよな」
「俺はその分入れてるから、家に」
「当たり前だっつぅの」
「はいはい」
「そういえば、この近くにテニスショップみたいなのって無いの?」
「あぁ、小さいのは有るよ。駅前に1軒あったな。もうちょっと大きい店になると、車か電車で行かないと無いかもな?なんで?」
「いやさ、知り合いの子がテニス始めたんだけどさ。まだ4歳なんだけどね。近くのスクールに入って、ラケットはそこで買ったんだって。けどね、ボール?普通のボールじゃなくて、もっとベコベコの柔らかいボールを探してるんだって。スクールで注文すると何十個単位になっちゃうみたいで、困ってたからさ。もし近くにあるなら買って送ってやろうと思ってさ」
「へぇ、いいとこあるじゃん。なんなら連れてってやろうか?今日車だし」
「ほぉ、いいとこあるじゃん。けど今日はダメなんだ」
「なんで?」
「いや、人が来る予定なんだよ、夜」
「なんだよ、彼女できた?」
「ちゃう。後輩が近くの草大会出るらしく、泊まりにくるんだ」
「もう利用されちゃってるのね。溜まり場になる予感・・・」
「活用と言ってもらいたいね。でさ・・・・見た?伊達」
「おお!復帰だろ?嬉しいよな。あのストロークがまた見れるかと思うとワクワクするよ」
「だよな~。」
「うん」
「・・・・・ちょっと練習しない?」
「いいね!じゃあボール落すの禁止ね」
「言うと思った。上がりっぱなオンリーね。ライジング勝負!」
「OK!!」
カテゴリー:~全力打球~編
04/10 13:16
02

★第14試合 『夢の途中で』

「コーチ・・・負けちゃったよ・・・」
いつもの威勢のいい元気な声はそこには無く、
どうしていいか分からない表情でラケットをしまっている彼の姿があった。
「うん・・・見てたよ・・・ナイスゲーム・・・ドンマイ」
一言一言しか言葉を発せなかった。
それ以上は言葉と一緒に何か違うモノが溢れてきそうだったから。

勝者がいれば必ず敗者が存在している。
それは、どうしようもない事実。

現に、反対側のコートには満面の笑みで友人と喜びを分かち合っている選手の姿。
ちょっと後ろに目をやると、母親らしき女性が泣いている。
よっぽど嬉しかったんだろう。
理由だって何となく分かる。
と言うのは、2人の関係は、言ってみればライバル関係だったって事で、今まで何度も対戦してきたって事。
ただ、結果は今回の逆のパターンが非常に多かったって事。

この大会は小学生までが対象だから、来年はもうどちらも出られない。
俺は、最後の大会で「優勝させたいなぁ」と考え、彼は「優勝したいなぁ」と思ってた。
でも、相手サイドは違ったのかもしれない。
俺達以上に「優勝」の二文字を意識していたのかも・・・。
もっともっともっと、ああしてあげてれば、こうしてあげてれば、なんて思ったりしたけど、後の祭りだよな・・・。
あいつに「来年頑張ろうぜ!」が、言ってやれない。
ただその事が、どうにもならないその事が悔しい。

運営スタッフでもある俺は、表彰式の時に準優勝の彼に「銀メダル」を渡す役だった。
その時に「おめでとう」を言ってあげたかったんだけど・・・・、
いや、言ったんだけど、その次に無意識に出てきた言葉があったんだ。

「ごめんね」

聞こえたかどうかは分からなかった。
もしかしたら声になってなかったかもしれないから。

帰りのバスの中、疲れ果てて寝ている彼。
彼はどんな夢を見ているのかな?
きっと、もう次に向かってる夢だろうな。
そうだよ、君はまだまだこれからだ!
この経験が大きなモノとして貴方に残りますように。
最後に、

「今まで本当にありがとう。これからもよろしくな!」

腹減ったな!
さ、早く家に帰ろうぜ。
カテゴリー:~全力打球~編
04/03 11:33
03

★第13試合 『それが大事』

今日は某所で打ち合わせ。
知識の浅い深い関係なしにぶつかる関係が好き。
だって仕方ないでしょ?
想い、思い、オモイの深さは人それぞれだしね。
あ!だからって勘違いしないでね。
足りない部分は受け入れます。
言い合いになることだって構わない。
いいんだ。
それが一歩目なんだから。

まあ、ミーティング後は、更なる打ち合わせだ!と理由づけして、
そこの地元オススメの居酒屋へ。
レバサシが旨い。
で、なんだかんだとカラオケ屋になだれ込む。
上司は早く帰りたいらしく嫌がりながら(とは言ってもホントは嫌がってない)誰よりも、うん、誰よりも楽しそうに歌ってる。
そんな中、若手の一人が、この歌を熱唱。
久しぶりに聞いて、なんかとっても胸に響いたね。

負けない事
投げ出さない事
逃げ出さない事
信じ抜く事
涙見せてもいいよ
それを忘れなければ
(それが大事/大事MANブラザーズバンド)

俺達は立ち止まってなんかいられないんだよ。
さあ、前を向いて進もう。
カテゴリー:~全力打球~編
03/27 15:25
04

★第12試合 『CHALLENGE!!』

対角に座ってる奴の言葉に対して、急所を打ち抜かれたような感覚があった。
食い足りてない焼肉のことなんか忘れちまったよ。
目を逸らしそうになったが、何とか耐えて、続けて話を聞いた。
まあ、焦げ付き始めた肉なんか気にならないくらいにイラついていたんだよ、実際。
だから、よく聞けたと自分を褒めてやりたい。

「何も分かってないんだよ、テニスの事」
はあ?
「じゃあこれ、答えてみぃや」
はぁ・・・。
「やっぱり何も知らんじゃないか」
・・・・はぁ。
「そんなんじゃアイツラが上手くなるはずあらへんやろが!ただのインチキじゃ!」
・・・・。
ぐう。

手元にあった御絞りを叩きつけて帰らなくて良かったぜ。
何でかって?
負けてっからだよ、今は。
いいか?
今日だけだ。
これからは俺は負けない。
いつか、ぐうの音も出ないくらいに言い返したる!
そして、ギャフンと言わせたるからな!
まずは知識を、自分の幅を広げよう。
すごい久しぶりの図書館になりそうだ。

ああ、今日は人生で三番目に入るくらい悔しい日だ。
だからこそ忘れないし、成長するチャンス。
明日から挑戦開始。

待ってろ!明日!
カテゴリー:~全力打球~編
03/20 20:31
05

★第11試合 『早朝の笑顔は』

ねぇねぇ、と肩を叩かれて、
「あれ、あの集団、先週もいたよね?」
まだ朝も早く、体は起きているが、頭は不完全状態。
何のことかよく分からずに、友人の視線の方に顔を向けるてみる。
何やら真っ赤なスポーツウェアを着た集団が駅前に広がっている事に気付き、確かに先週も見たことを思い出した。
「ね!なんかチラシ配ってたじゃない?何かな?この前はめんどくさくて受け取らなかったんだけど」
知っていた。
「テニススクールのチラシだよ」
性格なのか、目の前に出されたものは、必ずといっていいほど手を出してしまう。
まさに先週も性格通りの行動。
テニスに興味は無かったわけではないし、そのスクールを知らないわけでも無かった。
だけど、『テニスなんて・・・ねぇ』としか考えなかった。
そうそう、学生時代に体育の授業で、ちょっとやったことがある。
その時は、体育の先生が一生懸命ラケットを振っていて、なんだかその様子がとてもぎこちなかった印象が強く残っている。
「へぇ~。テニススクールね~。うわぁ!見て見て!おっきなラケットがあるよ!すっご~い!本物?なわけないか~」
「おっきいね、確かに」
宣伝の為だろう、身長程あるラケットを持って“声だし”している。
これなら嫌でも目に入るか。
「テニスかぁ。やってないな、最近」
「え?」
意外な一言に友人の顔を見直す。
「やってたの?テニス」
「あれ?言ってなかったっけ?学生時代バリバリの体育会系よ」
「あ、そう・・・・・」
「なんだぁ。テニススクールあるなら覗いてみようかな。ね?行って見ない?」
「うん・・・・」
「なに?乗り気じゃない?行こうよぉ。ほら、何とか王子も出てきたみたいだし。なんだっけ?」
「なんだっけね」
「冷たいなぁ・・・」
「・・・じゃあ帰りにでも行ってみる?」
「決まりね!なんだか燃えてきたわ!今日も一日頑張っちゃお!」

これも何かの縁かな。
張り切っている友人はもちろんチラシをもらっていたけど、例の如く、また私も受け取っちゃって・・・。
配っている子も感じのいい子だったなぁ。
笑顔がとってもニッコリしてて。
カテゴリー:~全力打球~編
03/13 15:02
06

★第10試合 『風の中の少女』

午前中の暖かな気候が嘘のように、冷たい風が吹き始め、重い雲が空を覆いだす。
頬に冷たい何かを感じたが、
「気のせいだ」
と自分に言い聞かせ、ジュニアにボールを出し続ける。

「大丈夫?頑張れる?」
身長と同じくらいのラケットを両手でしっかりと握り締めた小学2年の女の子は小さく頷いた。
今にもこぼれ落ちそうな涙を我慢しながら。
俺は、今日、その子に会った瞬間からの出来事を頭のなかで思いだし、整理し始める。
分からない。
その少女を悲しくさせている原因が掴めないまま、結局は雨が強くなってきてレッスンは中断。
「みんな中に入って!」
と俺が言い終わる前に、少女はコートを駆け出し、母親の元へ。
俺が何かしてしまったのか?
隣にいた若手コーチか?
クラスの悪ガキ大将のあいつか?
俺は色々な思いを抱きながら、親子の元へ急いだ。
何れにせよ、気付けなかった自分が腹立たしかった。

この子がテニスを嫌いになったらどうする?
彼女のこれからの大きな道を閉ざしてしまったらどうする?
言葉に出来ない悔しさ、辛さが大きな波になり俺を飲み込もうとしていた。
心の中では少女に謝り続けながら、
(ごめん、ごめんね)
「どうしちゃったのかな?」
少女の身長まで頭が下がるように膝を曲げ、腰を落とした。
必死に母親にしがみついた彼女はチラッと俺を見ただけだった。
悲しみの涙が俺の心を震わせ、押し潰されそうになった、その時。
「風がね・・・風が嫌いなんですよ、この子」
一瞬戸惑い、間違った反応だった気がしたが、ちょっと安心してしまった自分がいた。
「ああ、そうなんですか」
「ビューって音がね、嫌いなんだよね?」
彼女は小さく頷く。
それだけだった。
「じゃあ、帰ろうか」
母親の声に、また頷いただけだった。
「さよなら、またね」
そして、俺の声には小さな手を小さく振って応えてくれた。
「バイバイ、コーチ」

外は雨が上がり始め、風も治まってきたみたいだ。
もちろん俺の心の中も同じだった。
カテゴリー:~全力打球~編
03/06 12:21
07

★第9試合 『吉祥寺POWER』

「優勝しました!」
友人からメールが入り、「おめでとう」と返した。
最近は忙しさを理由に練習もサボりぎみ、試合も出てない。
上司からは試合に出なさい、と五月蝿く言われてんのになぁ。
って、反省してたら、後輩からメール。
「また飲んでくださいね!」
「しょうがねぇなぁ」なんて返信をして一段落。

あまり行かないけどお気に入りな店が吉祥寺にあってね。
今日はそこで焼き鳥三昧。
汚いけど、連れてった女の子は必ず喜ぶんだ。
マジだよ。
・・・・大きな声で言えることじゃないんだけどね。
知りたい人はこっそり聞いて。
ま、今日はそこで昔話を話してきたわけよ。
4年くらい前のことか?
懐かしい。
あの頃の気持ちが甦るよね。
あの頃はコート~居酒屋~家~コート・・・・と、まあエンドレスでね。
それでも体は動いたし、気持ちも切れなかった。
あの頃は、ね。

うん。

今は口ばかり達者になって・・・・。
今日飲んだ奴は4月から京都勤務。
夢と希望に満ち溢れてて。
眩しかったぜ。
「頑張れよ」なんて言ったら、「お前も頑張れよ!」なんてツッコミも入りそうだ
な。
だからやることは、ただ一つ。

明日からまた走りだそう。

あ、ちなみに今日の呑み相手は男だからね!
カテゴリー:~全力打球~編
02/28 10:28
08

★第8試合『WHY TENNIS?』

「どうなってる?」
先に応援に来ていた奴らに、そっと近づいて、聞こえるか聞こえないかくらいの声で尋ねた。
(聞かなくたって、接戦になってるんだろうってことは、プレーヤーの4人の表情から分かったんだが)
「一勝一敗でダブワンに回ってきて、ゲームカウントは4オール、カウントは30-30っす」
「競ってんなぁ」
この会話で、後はコートの方に神経を集中させる。
俺のちょっとした想いが、あいつらの力になってくれれば・・・なんて思いながら。

隣では、応援だか野次だか解説だか分からないようなアドバイスを送っている、
相手のチームキャプテンらしき男性が観戦していた。
「ポーチないない!ど真ん中打ち抜いたれや!」
試合後に何人もの選手がアドバイスを聞きに来ていたことから考えると、野次並みの声援を送る彼は絶大な信頼を得ているのだろうな。
だからといって野次が許されるものではないんだが。
まあ不快な気分になったわけではないから、特に気にならなかったし、いいだろう。

チームの代表という立場で試合する団体戦。
何故か、不思議な力が湧いてくる。
目に入ってくるのは、コート、ボール、敵プレーヤー。
というか、それしか見てないのに。
・・・・感じてしまう、仲間の声を、勇気を、彼等の後押しを。
だから、ショットの一本々々に気合が伝わり、それこそ重いボールになったり、普段出ない、あと一歩が出てボールに追いついてカウンターが打てたりする。

だから・・・・・だから好きなんたよ。
テニスが。
団体スポーツとは思ってもらいづらい我等が庭球。
だけど、現実はこう!
こうなんだよ!

分かる?
分かるよなぁ?

明日はジュニアレッスンについてのミーティングがある。
あ~だ、こ~だ、あるんだろうけど、明日は言わなきゃいけないな。
『子どもたちの団体戦をしましょう!いや、しなきゃいけません!』

興奮がMAXに達したときに、味方リターンが白線を飛び越えちゃった。
残念!
すっきりした顔してるけど、実は違うんだろ?
早く握手してこっちに来いよ。
けど涙は居酒屋まで溜めとけよな!
カテゴリー:~全力打球~編
02/21 15:07
09

★第7試合『“とこだけ”な奴、そうじゃない奴』

「ほれみろ!」
「何が?」
「見りゃわかんだろ?!雪だよ、雪!お前が朝練しよう!なんて言うからだぜ!
試合が近いからって・・・そういうとこだけなぁ・・・」
「なんだよ、それ」
「あ~・・・もう、うっすら積もってるし・・・こうなるとな、バイト先のコートの雪を・・・ほら来た!
・・・はい!お疲れ様です!明日ですか?はい!はい!大丈夫っす。7時集合?はい!
もちろん大丈夫っす!はい!はい!失礼します!・・・はぁ~」
「どした?誰から?」
「バイト先のヘッドコーチから。明日、雪掻き決定だってさ。チキショー!
俺、今日の飲み会パスね」
「マジかよ~!みんな来るんだぜ。ほら、○○!○○ちゃんも来るんだぜ、
あの、お前が気にしてたあの子」
「しらん、どうでもいい」
「嘘つけ、アホ」
「嘘じゃねぇ!ましてアホじゃねぇ!!」
「はいはい、そういうとこだけ、仕事優先みたいな顔しちゃって」
「・・・喧嘩売ってんの?」
「ん?買う気があるなら売ってやるよ?」
「上等!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「じゃあ8時ね。スマンが頼むよ。うん、ああ、じゃあな」
「捕まりました?」
「何とかね。皆来たくないんだろうけどな」
「はは。ヘッドに言われたら断れないんじゃないすか?仕方なく、ですよ」
「おい、せめて義理人情くらいに言ってくれよ」
「どっちにしても来てくれるだけいいじゃないっすか。変な言い訳して、
かわす奴っているじゃないですか?だけど美味しいとこだけ持ってく、みたいな。
俺、そういう奴、大っ・・・嫌いなんすよね!」
「まあ、そう言うなよ。そうだ、明日は雪掻き終わったら、皆で飲みにでも行くか?」
「あ、明日はやめときます。俺、次の日朝一だし」
「そうか。鍋代くらいは出してやろうと思ったのにな。お前が来ないなら、
二人前浮いた勘定になりそうだから、あのうどんすきの美味い店にでもしちゃうかな」
「あ、え、ちょっと待って下さいよ。あそこっすか?え、奢りっすか?
行きます!うどんすき、行きます!」
「・・・美味しいとこだけ持ってくのな」
「俺の場合は雪掻きしてるから、『とこだけ』とは違いますよ!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「おはようございま~す」
「おはよう。ん、どうした?そのあざ」
「なんでもねぇっす!さ、早く雪掻きしちゃいましょう!」
「やけに張り切ってるじゃないか!今日は終わったら、うどんすきだぞ」
「いや、ちょっと昨日飲みすぎちゃって・・・」
「なんだよ。かわいい子でもいたのか?」
「勘弁して下さいよ~。そんなんじゃないっすよ」
「そうか・・・今日は俺の奢りなのになぁ!」
「・・・行きます!さ!頑張りましょう!」
「お前も『とこだけ』人間じゃないもんな」
「なんすか?それ?」
「こっちの話だよ。それ、美味い鍋を食うために頑張るぞ!」
「うっす!!」
カテゴリー:~全力打球~編
02/14 15:12
10

★第6試合『究極の選択』

「私と仕事と、どっちが大事なの?」
「なんだよ、急に!」
「びっくりした?いやさ、もしこんなこと聞かれたらなんて答える?」
「はぁ?」
「こないだテレビでやってたんだけど、この手の質問で最高の答えがあるんだってさ」
「ふ~ん、で、何て言うの?」
「まず、真剣に答えてみてよ」
「じゃあ、『仕事もお前もどっちも大事で、決められないよ』どう?完璧?」
「はい40点。そんなありきたりな答えのはずないでしょうが!」
「だよね~。お前が出す問題にはいつも裏があるからなぁ」
「なんだよそりゃ。いい?仕事も私も、どちらか一方だと『不安ダースの犬』になるらしいぜ」
「つまらん。だったら俺の答えでOKじゃないの?」
「だとおもうだろ?」
「違うんでしょ。お前は何て答えんだよ」
「・・・・・・いや、まあ、な・・うん」
「なんだよ、一緒かよ!」
「・・・・まあまあ、この答え聞いたらビビるぜ。いいか。・・・・・・・『ごめんな。そんな心配させちゃって』だって!どう!これ!!」
「次なに飲む?コーラ割りでいい?」
「ちょっと・・・・お前なぁ、少しは感動しろよ」
「分かった分かった。で、今の奴には何て言ったの?」
「あぁ、大丈夫。そんな心配させてないから」
「こないだも午前様だったのにか?」
「あれは朝帰り。ちなみに仕事ではなくて、飲んでいて話が盛り上がっちゃって
場所を変えたらカラオケだっただけ」
「一緒だよ、そんなの!」
「とりあえず順調だから、いらん心配すんな」
「ごちそうさま。でもさ、『ごめんな』の後にやっぱりどっちか選ぶんじゃないの?」
「良いところに気が付いた!まさしくその通り!」
「で、どっちなんだよ?」
「なんだよ、やっぱり知りたいの?」
「ここまできたら一番の答え知っとかないとねぇ」
「実は・・・・・その次はあまり関係ないらしいよ。『ごめんな』が全てを解決してくれるから」
「ホントかよ?!」
「ホント」
「もういいや、おあいそしよ」
「あれ?つまんなかった?」
「面白かったよ。けどもう帰らなきゃ、さ」
「彼女が心配するから?」
「ちゃうよ。明日のテニスに響くだろ?」
「なんだよ、じゃ、質問が違ったな。『テニスと俺、どっちが大事?』だった?」
「あぁ、だったら、『ごめんな、そんな心配させちゃって』これでいい?」
「ん~、で?」
「分かったよ!とりあえずコーラ割りをもう一杯!」
「満点!」
カテゴリー:~全力打球~編
02/07 15:12
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