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another side of tennis

Scene 194 [隣のテーブル]

横須賀迄帰る友人が帰って独りのカウンター。
小野リサのボサノバが心地良い。
最近心を痛めてる事をマスターに話してみるが、自分に有利に話をしている気になって話題を変える。
そこに常連が入って来た。
いつも通りデカイ声でマスターに話かけだす。
あまりに声がデカイのと、誰と目を合わす訳でもなく、ちょっと顎を上げてマスターの頭の上のボトル棚を見ながらって感じの話し方で、横から茶々を入れる気にもならない。
でも他の客にテンションは出してるんで、マスターがトイレに行って二人だけになると居心地悪そうにしてる。
マスターが戻って来るや否や又話出す。
(もういいや……)と席を立った。

この間読んだゴルフの本にこんな言葉があった。
「隣のテーブルに会話をこぼすな」
レストランでの食事、ラウンジでの一杯がセットになってるゴルフらしい言葉だけど、正くその通りだ。
まあ色艶がない声の奴は、大体が夜を泳ぐセンスがないから仕方ない。
「お前は昼の世界じゃ無力なくせに」と言われればそれまでだが。

でもね、隣のテーブルならまだいいんだよね。
これが同じテーブルだと……。
テニスって名のテーブルで目がドルマークになってる奴と話すのは気分が悪い。
小手先の話じゃなくてもっともっと大きな話をしないとだ。
とは言え目がドルマークになってても、テーブルにつくだけの活力がある奴は心の奥底にテニスへのシンパシーが垣間見える。
問題はテーブルについても話さない、いやテーブルにつけない奴だ。
「育児に大切なのは関心と時間」と言われる。
「育児」を「育成」に置き換えてもそれは全く同じだ。
あのガラガラの全日本の客席。
首都圏の指導者、選手の何%が観戦に行ったんだろう。
「関心と時間」の両方は必要じゃあない。
「関心」があれば「時間」は作れる。
「無関心」だから「機会」を作らないんだ。
そういう奴に限って俺等の見知らぬテーブルで陰口を叩くから始末が悪い。

バーに寄る前の呑み会で、隣にいたテニスクラブオーナーの携帯が鳴った。
クラブに良く練習に来る選手からの全日本優勝報告を兼ねてのお礼の電話だった。
「良かったですね」と答えるのを見ていて幸せな気分になった。
もうちょっとこのテニスってテーブルで呑んでみるか。

2007.11.21
Nishishinjuku1


カテゴリー:Tennis
2007/11/22 11:30

筆者紹介:坂東海


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