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another side of tennis

Scene 192 [猿]

“何でもできると思ったのは 何にもしてない時だった 猿みたいな顔で生まれ 猿みたいな顔で死んでゆく 何でもできると思ったのは 何にもしてない時だった 肩を怒らせ睨みを利かして 何か怖いものでもあるのかよ” 猿/SION

「お前さあ覚えてる?リハ終った後とか呑んでるとお前が急にいなくなってさ、俺とあいつでいつも金払ってたの。生まれも暮らしもパンクじゃないくせにルードボーイ気取ってたにせよ、こっちは惨めで、全く酷かったよ」

「あなたの才能を信じてずっと応援してたけど、あなたはいつも私が傷つく様な言葉ばかり投げかけた。それはもういいけど今も自分を信じれてるの?」

「俺はお前に一生付いて行こうと思ってたんだぜ」

「何だかんだあんたの彼女全部知ってるけど、皆いい子ばっかだったよねえ。あんたが酔っ払ってる陰でフォローしたり。そういうのわかってんの?」

“明日にまわせる明日はもうない 泣こうがわめこうがもうない 誰の顔が浮かぼうが消えようが 誰が生きない奴の為に生きるか” 猿/SION

「“インハイ迄で選手を止めた俺なんて”と言いながら、それなりに広い顔でいい気分になってるんじゃねえだろうな。“あのタレント俺のダチのダチ”って言ってる奴と一緒になるなよ」

「相変わらず細いパンツ穿いてるじゃん。まあ俺は今じゃ太っちゃって薄くなって来てだけど、その分お前よりもらってるってはずだ。お前いくらもらってる?そうだな、そんなもんだ」

「“金じゃない”ってのはカッコいいけど、今のお前がいる場所はどう見てもそうじゃない。スーツ着る様になったらなったでWhite-Collar気取ってるんだろうけど、いい加減外見と中身、外面と内面のギャップを何とかしたらどうだ?」

「同居でもめてるって言ったって、そんなの見え見えの話だし、そもそもお前にはお袋さんの血が流れてるんだから、お袋さんと同じことをお前もどこかでしてるんだよ」

“何でもできると思ったのは 何にもしてない時だった 猿にも劣る思いやりと 猿にも劣る学習能力で 何でもできると思ったのは 何にもしてない時だった 肩を怒らせ睨みを利かして 何か怖いものでもあるのかよ”猿/SION

死んだ親父が何度も俺に繰り返した言葉は“自分を大事にしろよ”。
焼酎を呑みながら目はTVの方に向けたままつぶやく様に言ってた言葉を今口にしてみる。
あいつと二人のガキ、“おれの家族”の顔が脳裏に浮かんだ。

2007.11.3
Enmeiji


カテゴリー:word
2007/11/08 16:47

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筆者紹介:坂東海


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