Scene 181 [真夏のValentine]
ちょっと暑さがゆるんだ週末。
タチの悪いって言うのか、甲斐性がないって言うのか、まあとにかくそんな連中と年に一度つるむ日がやって来た。
ゆるんだとは言え、夕暮れでも汗をかく暑さの中、帰り出す家族連れと入れ替えで日比谷公園に入る。
「元気?」と、数人と握手。
最後に家人が娘と現われ、面子は揃って野音に入る。
いつ来ても野音はいい。
そしてぶっとい和音が響き出した。
しばらくしてちょっと戸惑ってる娘を連れて売店にビールを買いに行った時、一番聴きたかった曲のイントロが始まった。
慌てて席に戻る。
“バレンタイン 君の ママにもそんな日が バレンタイン 幼く かわいいそんな日が 強くなったのは君を 守っていくためだよ”
メロディもギターの鳴りも全部いい。
そして家人と娘と一緒に聴いてることにグッと来る。
“矢のように時は流れて あの頃にかけた心配をしている”
“人を二種類にしか 分けない街じゃ あぶれた俺は 擦り切れた希望を 無くさないのがやっとさ クラッシュアイスにメーカーズマーク注ぎ ゆっくり流すのさ”
ミディアムな曲が続くのに皆が前に集まり出す。
“ココロ”が“魂”に近づきたがっているんだよな。
そして「ウスッ!」と毎年仕事で途中からになるテニスコーチが到着。
それとほぼ同時にバンドが加速して行く。
俺等も通路に出てビールを煽りながら楽しんでいたら、そこに娘が来た。
後ろの若い女の子に「5秒だけ肩車してやっていい?」と聞いて娘を肩車。
娘を下ろしたら、斜め後ろの気の良さそうな兄ちゃんが、仕草で「ここに立って観ていいですよ!」と娘を椅子の上に招いてくれる。
終演後、その兄ちゃんが話しかけて来て、連れの先輩とおぼしき人に「後ろの子に“5秒だけ肩車していい?”って断って、娘さん肩車してあげてんですよ!最高ですよ!」。
何か恥ずかしいんで「一緒に呑みに行く?」と誘って歩き出す。
話をしてみたら、彼等は学童クラブの職員、しかもウチの学区域内。
全く世の中狭いもんだねえ。
通りにビールケースを机代りに並べた呑み屋で盛り上がっていたら、一番付き合いが長くて家人と仲がいい女が「今日子供の誕生日なんだよね」とポツリ。
奴は最近旦那と別れたから、多分そのガキは今夜独りか実家。
もういたたまれなくなって娘の手を引いてケーキ屋探し。
でもケーキ屋はどこも開いてなくて、レストランに入ってケーキを買おうとすると、どの店も時節柄持ち帰りはNG。
「金は出すからさあ」と言っても「申し訳ございません」。
諦めて戻ろうとしたら、閉店で暗くなってるけどシャッターは閉まってないケーキ屋。
「一番でかいケーキちょうだい!」
そうそう、呑んべのくせに呑まないで観てた子がいて、終演後は「呑まないで帰る」。
新婚でお腹の中にはBaby!
「そっかあ!良かったじゃん!旦那優しいか?」と握手。
本当良かった、良かった、幸せにな!
“お前の分も俺が行くからな お前の分も俺がやるからな”
新しいアルバムの中から1曲だけやらなかった曲。
何かわかる気がする。
多分あそこにいた奴等はライヴ中ずっと、あの曲に込められたスピリッツを感じていたんだから。
呑みは、俺と娘がケーキを買って来たのがきっかけになったのか、早目の勘定。
そう言えばあの調子のいいテニスコーチはどうしたんだ?
「まだ10時半っすよ!」とわめいていたのは覚えてるけど、ちゃんと帰ったか?
“やるからな”2007/SION
2007.8.19
Sukiyabashi
タチの悪いって言うのか、甲斐性がないって言うのか、まあとにかくそんな連中と年に一度つるむ日がやって来た。
ゆるんだとは言え、夕暮れでも汗をかく暑さの中、帰り出す家族連れと入れ替えで日比谷公園に入る。
「元気?」と、数人と握手。
最後に家人が娘と現われ、面子は揃って野音に入る。
いつ来ても野音はいい。
そしてぶっとい和音が響き出した。
しばらくしてちょっと戸惑ってる娘を連れて売店にビールを買いに行った時、一番聴きたかった曲のイントロが始まった。
慌てて席に戻る。
“バレンタイン 君の ママにもそんな日が バレンタイン 幼く かわいいそんな日が 強くなったのは君を 守っていくためだよ”
メロディもギターの鳴りも全部いい。
そして家人と娘と一緒に聴いてることにグッと来る。
“矢のように時は流れて あの頃にかけた心配をしている”
“人を二種類にしか 分けない街じゃ あぶれた俺は 擦り切れた希望を 無くさないのがやっとさ クラッシュアイスにメーカーズマーク注ぎ ゆっくり流すのさ”
ミディアムな曲が続くのに皆が前に集まり出す。
“ココロ”が“魂”に近づきたがっているんだよな。
そして「ウスッ!」と毎年仕事で途中からになるテニスコーチが到着。
それとほぼ同時にバンドが加速して行く。
俺等も通路に出てビールを煽りながら楽しんでいたら、そこに娘が来た。
後ろの若い女の子に「5秒だけ肩車してやっていい?」と聞いて娘を肩車。
娘を下ろしたら、斜め後ろの気の良さそうな兄ちゃんが、仕草で「ここに立って観ていいですよ!」と娘を椅子の上に招いてくれる。
終演後、その兄ちゃんが話しかけて来て、連れの先輩とおぼしき人に「後ろの子に“5秒だけ肩車していい?”って断って、娘さん肩車してあげてんですよ!最高ですよ!」。
何か恥ずかしいんで「一緒に呑みに行く?」と誘って歩き出す。
話をしてみたら、彼等は学童クラブの職員、しかもウチの学区域内。
全く世の中狭いもんだねえ。
通りにビールケースを机代りに並べた呑み屋で盛り上がっていたら、一番付き合いが長くて家人と仲がいい女が「今日子供の誕生日なんだよね」とポツリ。
奴は最近旦那と別れたから、多分そのガキは今夜独りか実家。
もういたたまれなくなって娘の手を引いてケーキ屋探し。
でもケーキ屋はどこも開いてなくて、レストランに入ってケーキを買おうとすると、どの店も時節柄持ち帰りはNG。
「金は出すからさあ」と言っても「申し訳ございません」。
諦めて戻ろうとしたら、閉店で暗くなってるけどシャッターは閉まってないケーキ屋。
「一番でかいケーキちょうだい!」
そうそう、呑んべのくせに呑まないで観てた子がいて、終演後は「呑まないで帰る」。
新婚でお腹の中にはBaby!
「そっかあ!良かったじゃん!旦那優しいか?」と握手。
本当良かった、良かった、幸せにな!
“お前の分も俺が行くからな お前の分も俺がやるからな”
新しいアルバムの中から1曲だけやらなかった曲。
何かわかる気がする。
多分あそこにいた奴等はライヴ中ずっと、あの曲に込められたスピリッツを感じていたんだから。
呑みは、俺と娘がケーキを買って来たのがきっかけになったのか、早目の勘定。
そう言えばあの調子のいいテニスコーチはどうしたんだ?
「まだ10時半っすよ!」とわめいていたのは覚えてるけど、ちゃんと帰ったか?
“やるからな”2007/SION
2007.8.19
Sukiyabashi
カテゴリー:SION
2007/08/23 19:41














