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another side of tennis

Scene 163 [三軒目の店ごと]

若干お付き合い気分で行った、協会の“勉強会”。
開始10分前に会場に着くと、席が指定されていて僕は何と最前列。
これが武道館でのライヴなら嬉しいけど、“勉強会”ではちょっと気が引ける。

今日の講師はウチの社長と“義兄弟”と呼ばれている他テニススクールの社長。
社長と“義兄弟”だけあって、僕もやたら一緒に呑む機会が多い。
最近の呑みはどこでも焼酎が多いけど、“義兄弟”は大のウィスキー好き。
僕もウィスキー好きだから、皆が焼酎を呑んでいる中二人でウィスキーを呑むことになったりもする。
社長もウィスキー好きで、三人で呑むとウィスキーのソーダ割り、ハイボール。
今夜もそうなるのかな。

“勉強会”が始まる。
テーマは、“義兄弟”の「会社誕生秘話」。
“出会い”=“縁”をキーワードに話が進んで行く。
テニスを生業とした正しくその時に、郷里でお父様が亡くなっていた話、会社独立の時に社員が奔走して資金を掻き集めた話で、“義兄弟”は目を真っ赤にする。
僕もグッと来る。
泪にグッと来た訳じゃあない。
そういう遠い絆の話をしているこの今に泣ける“義兄弟”にグッと来たんだ。
そしてこういう“機会”ってやつの大切さを感じる。
照れくさくて言えないこと、改めて今更言えないこと、そんなことを人に話す、人から聴ける“機会”。
まあこんなことを感じるってことは、僕も歳をとったってことかな。

当たり前の様にそのまま西口の呑み屋に流れる。
当然ウィスキー。
いつもの優しさに泪の裏打ちが加わった“義兄弟”に感動と感謝を伝える。
とは言え、いつも通り皆でデカイ声で話をして、わんこそばの様にグラスを空けて行く。
そして又当たり前の様に二軒目になだれ込む。
つまみは玉子焼きだけで神戸牛の様に呑む。
仕方ないよ、いい夜なんだから。
って、それは呑んべの言い訳か。

三軒目を出たところで24時ちょっと前。
流石に解散となって皆で新宿駅へ歩く。
僕はまだ夜を泳ぎたくて東口へ。

あれっ?!そう言えば主役の“義兄弟”はいつ帰ったんだろう?
失敗したなあ。
今夜こそ朝まで道連れにしようとしてたのに。
次は目を離さないぞ。

2007.4.18
Nishi-shinjuku1-8-3


カテゴリー:word
2007/04/19 12:37

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筆者紹介:坂東海


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