Scene 281 [夜の恩返し]
子供のテニスの送迎。
「コーチに預けてる」のでレッスンは観ない。
なまじっか見ていると頭に来ちゃうのも勿論ある。
一応隣のゴルフ打ちっ放しの2階からたまに手を止めて景色として見てはいるが、後で口出しはしない。
あっ、喧嘩してドアのガラスを蹴破った時は怒ったか。
この間も子供を降ろし、トランクからクラブを出して打ちっ放しへ行こうとしたら、コートの中から呼び止められた。
コーチの誰かかなと振り返ったら、何と中高テニス部で一緒だった悪友。
そうだった、こいつも通ってたんだ。
ゴルフは後回しにしてお手並み拝見。
周りの人達がイキイキとしているのに比べて、奴は息が上がってる。
昔の自分とのギャップにも苦しんでるんだろうけど、あの頃体力だけでなく気力も目一杯ギリギリでやってたテニスを今更出来る訳がない。
“あの時の俺達”だから出来たんだよな。
レッスンの後しばし歓談。
「今度ここの市の団体戦に強制的に出る事になっちゃってさ」
このスクールの社長はこれ又中高の先輩。
ほとほと困った様子で話してる。
「お前もここ入るって言わなかったっけ?」
そうそうOB会で酔っ払って、二人して「先輩のところ入会しますよ!」と息巻いて、「OK!わかった!名前入れとく!明後日の土曜からな!」何てやり取りがあって、俺は元々冗談で約束とは思っていなく、奴だけが正直に行ったって訳だ。
それから数週間。
今度は顧問先生の定年退職祝いで高円寺に集結。
終始アタタカイ雰囲気の中、グッと来てホロっと来て呑み過ぎて二軒目へ。
弱小化した部をどうにか建て直そうなんて話で盛り上がっていたら、唐突に先生が、「おいみんな!今トップジュニア育成に関わっているのはOBでこいつしかいない!中高だけでなく日本テニス界から世界のトップが出る様に彼のジュニアを応援しよう!」と呼びかけ。
ああしようこうしようと話しているうちに、「よし、OB会で基金を作ろう!」と決定。
儲かってるらしい後輩が、「わかりました!お姉ちゃんのいる店行くの止めてその分100万位寄付します!」と真面目な顔で答えてる。
やりたい放題やって来た馬鹿共がようやくテニス界に恩返しする気になった訳だ。
河岸を変えようと阿佐ヶ谷に向かってると、「先輩!こいつも先輩のところ入会するって!」と言う声。
“ほとほと困ってた”奴が今度は後輩を引きずり込もうとしてる。
「テニスやんなきゃヤバイってずっと思ってたんですよね。よ〜し、じゃあやりますか!」
「OK!わかった!名前入れとく!今度の土曜からな!」
2010.4.10
Asagaya-kita
「コーチに預けてる」のでレッスンは観ない。
なまじっか見ていると頭に来ちゃうのも勿論ある。
一応隣のゴルフ打ちっ放しの2階からたまに手を止めて景色として見てはいるが、後で口出しはしない。
あっ、喧嘩してドアのガラスを蹴破った時は怒ったか。
この間も子供を降ろし、トランクからクラブを出して打ちっ放しへ行こうとしたら、コートの中から呼び止められた。
コーチの誰かかなと振り返ったら、何と中高テニス部で一緒だった悪友。
そうだった、こいつも通ってたんだ。
ゴルフは後回しにしてお手並み拝見。
周りの人達がイキイキとしているのに比べて、奴は息が上がってる。
昔の自分とのギャップにも苦しんでるんだろうけど、あの頃体力だけでなく気力も目一杯ギリギリでやってたテニスを今更出来る訳がない。
“あの時の俺達”だから出来たんだよな。
レッスンの後しばし歓談。
「今度ここの市の団体戦に強制的に出る事になっちゃってさ」
このスクールの社長はこれ又中高の先輩。
ほとほと困った様子で話してる。
「お前もここ入るって言わなかったっけ?」
そうそうOB会で酔っ払って、二人して「先輩のところ入会しますよ!」と息巻いて、「OK!わかった!名前入れとく!明後日の土曜からな!」何てやり取りがあって、俺は元々冗談で約束とは思っていなく、奴だけが正直に行ったって訳だ。
それから数週間。
今度は顧問先生の定年退職祝いで高円寺に集結。
終始アタタカイ雰囲気の中、グッと来てホロっと来て呑み過ぎて二軒目へ。
弱小化した部をどうにか建て直そうなんて話で盛り上がっていたら、唐突に先生が、「おいみんな!今トップジュニア育成に関わっているのはOBでこいつしかいない!中高だけでなく日本テニス界から世界のトップが出る様に彼のジュニアを応援しよう!」と呼びかけ。
ああしようこうしようと話しているうちに、「よし、OB会で基金を作ろう!」と決定。
儲かってるらしい後輩が、「わかりました!お姉ちゃんのいる店行くの止めてその分100万位寄付します!」と真面目な顔で答えてる。
やりたい放題やって来た馬鹿共がようやくテニス界に恩返しする気になった訳だ。
河岸を変えようと阿佐ヶ谷に向かってると、「先輩!こいつも先輩のところ入会するって!」と言う声。
“ほとほと困ってた”奴が今度は後輩を引きずり込もうとしてる。
「テニスやんなきゃヤバイってずっと思ってたんですよね。よ〜し、じゃあやりますか!」
「OK!わかった!名前入れとく!今度の土曜からな!」
2010.4.10
Asagaya-kita
カテゴリー:Tennis
2010/04/10 18:54













