Scene 265 [夏の轍 #2]
「足の裏で地面つかまえてから大きく振ってみな!」
これだけを言い続けてた家族旅行でのテニス。
毎朝二時間が精一杯だったけど、子供達は目に見えて上達してく。
軽井沢から帰って来た翌日。
今度は独り高速バスで山中湖へ。
母校の中学校の合宿のヘルプ。
iPodには“忌野清志郎 青山ロックン・ロール・ショー 2009.5.9 オリジナルサウンドトラック”。
バスが国立府中を通過するという時にかかっていたのは“多摩蘭坂”。
昨日は中学の同級生の親父さんである偉大なスイマーの訃報が報じられていた。
宿に入って、一週間ぶっ通しで参加のOBが4名と聞いて驚く。
そのうちの一人は先日打合せした強化ジュニアスクールの社長。
合宿はもう後半。
彼の喉は潰れている。
生徒達は聞いていた程はだらけていない。
そりゃそうだろう、このかすれ声だ。
どんな展開だったかはすぐわかる。
聞けば数日前の土砂降りの日は山中湖一周マラソンをさせたらしい。
朝のランニングから始まって、激しいドリル、厳しいトレーニング、全てが初体験だった生徒達は文句を言いながらも全員完走。
やりたくないこと、やらされたことでも、終ってやり遂げてしまえば、自分の糧になることがあると気付いただけでも、彼等がこの合宿に来た意義がある。
「お父さん、お前位の時にここ一周したんだぞ」と、助手席にいる子供に話しかける奴等の姿が見える気がした。
とは言え、練習で俺が発した言葉は「返事は!」「走れ!」が殆ど。
体育会系の締め付けでも何でもなくて、最低限の礼儀、集中力を示せない“テニス部の後輩”に何とか壁を越えてほしかったんだが、彼等に通じただろうか。
テニスは上手くなった分だけ、強くなった分だけ見える世界が変って来るんだからさ。
数日後、恒例の日比谷野音でのSION-YAON。
“たまらん事が多すぎる たまらん俺が多すぎる 誰にも見つかりたくないくせに お前に見つけてほしい どうなってんかな 三つから進歩なし”鬼は外/SION
先月末のシオンの友人である女性ロックシンガー、川村カオリの死。
“たまらん事が多すぎる”というフレーズを涙をこらえ切れずに振り絞る様に唄う姿に、グッと来る。
たっぷり聴いてたっぷり呑んで、気付けば打上げの席で友人は酩酊。
家人と娘と一軒で早々に退散……呑み出しが早かったんでそれでも6時間は呑んでるんだが。
そして翌日。
山中湖で一緒だった先輩のスクールのジュニアレッスンを観に行った。
息子を実験台に入会させ、効果測定。
最初から最後まで無駄のないハードなレッスン。
効率よく多人数を廻すとかそういうことじゃあない。
上手くなることだけでなく、強くなることを追求したシンプルで明るいエネルギーに満ちた空間。
(そうなんだよなあ……)と、得意の独りごち。
と、そこに先日の毎トー50歳以上男子複で優勝した先輩が訪ねて来た。
堅気の会社勤めをしているくせに真黒だ。
その辺の若手プロコーチよりも黒いかもしれない。
週何時間テニスやってんだ-!
からかい合い、突っつきあいゲラゲラ笑って、いつかみたいに手を振って別れた。
世間様はこれからお盆休み。
振り返った時、今年の夏の轍が楽しいものでありますように。
2009.8.9
Shiki
これだけを言い続けてた家族旅行でのテニス。
毎朝二時間が精一杯だったけど、子供達は目に見えて上達してく。
軽井沢から帰って来た翌日。
今度は独り高速バスで山中湖へ。
母校の中学校の合宿のヘルプ。
iPodには“忌野清志郎 青山ロックン・ロール・ショー 2009.5.9 オリジナルサウンドトラック”。
バスが国立府中を通過するという時にかかっていたのは“多摩蘭坂”。
昨日は中学の同級生の親父さんである偉大なスイマーの訃報が報じられていた。
宿に入って、一週間ぶっ通しで参加のOBが4名と聞いて驚く。
そのうちの一人は先日打合せした強化ジュニアスクールの社長。
合宿はもう後半。
彼の喉は潰れている。
生徒達は聞いていた程はだらけていない。
そりゃそうだろう、このかすれ声だ。
どんな展開だったかはすぐわかる。
聞けば数日前の土砂降りの日は山中湖一周マラソンをさせたらしい。
朝のランニングから始まって、激しいドリル、厳しいトレーニング、全てが初体験だった生徒達は文句を言いながらも全員完走。
やりたくないこと、やらされたことでも、終ってやり遂げてしまえば、自分の糧になることがあると気付いただけでも、彼等がこの合宿に来た意義がある。
「お父さん、お前位の時にここ一周したんだぞ」と、助手席にいる子供に話しかける奴等の姿が見える気がした。
とは言え、練習で俺が発した言葉は「返事は!」「走れ!」が殆ど。
体育会系の締め付けでも何でもなくて、最低限の礼儀、集中力を示せない“テニス部の後輩”に何とか壁を越えてほしかったんだが、彼等に通じただろうか。
テニスは上手くなった分だけ、強くなった分だけ見える世界が変って来るんだからさ。
数日後、恒例の日比谷野音でのSION-YAON。
“たまらん事が多すぎる たまらん俺が多すぎる 誰にも見つかりたくないくせに お前に見つけてほしい どうなってんかな 三つから進歩なし”鬼は外/SION
先月末のシオンの友人である女性ロックシンガー、川村カオリの死。
“たまらん事が多すぎる”というフレーズを涙をこらえ切れずに振り絞る様に唄う姿に、グッと来る。
たっぷり聴いてたっぷり呑んで、気付けば打上げの席で友人は酩酊。
家人と娘と一軒で早々に退散……呑み出しが早かったんでそれでも6時間は呑んでるんだが。
そして翌日。
山中湖で一緒だった先輩のスクールのジュニアレッスンを観に行った。
息子を実験台に入会させ、効果測定。
最初から最後まで無駄のないハードなレッスン。
効率よく多人数を廻すとかそういうことじゃあない。
上手くなることだけでなく、強くなることを追求したシンプルで明るいエネルギーに満ちた空間。
(そうなんだよなあ……)と、得意の独りごち。
と、そこに先日の毎トー50歳以上男子複で優勝した先輩が訪ねて来た。
堅気の会社勤めをしているくせに真黒だ。
その辺の若手プロコーチよりも黒いかもしれない。
週何時間テニスやってんだ-!
からかい合い、突っつきあいゲラゲラ笑って、いつかみたいに手を振って別れた。
世間様はこれからお盆休み。
振り返った時、今年の夏の轍が楽しいものでありますように。
2009.8.9
Shiki
カテゴリー:SION
2009/08/10 18:43













