Scene 259 [すべてはALRIGHT]
“新宿の片隅から”のエンディング。
激しくかき鳴らされるギターにかぶってシオンがこう唄った。
“昨日は車の中で寝た あの娘と手をつないで”
“昨日は”だけで悲鳴にも似た歓声があがり、俺も涙が滲んだ。
シオンは客に、そして天を見上げて「ありがとう」と言ってステージを降りた。
数日後家人を久々に職場迄送って行った帰りにふと思い出す。
(あっ、多摩蘭坂!)
家人の職場は“多摩蘭坂を登り切る手前”じゃなくて、多摩蘭坂を登り切った信号二つ先。
RC命って訳じゃない俺は奴と付き合いだして随分たったある日、「あれっ-!ここ多摩蘭坂じゃん!」って驚いて車を降りて、石垣に書いてあるRCフリークの“落書き”を眺めたんだ。
次の日、テニス界でお世話になっている方のお父様の告別式。
訃報を見た時沈痛な気持ちになりながらも気付いた。
(ここ昨日清志郎の密葬やった場所だ……)
予想外降り続いた雨が朝の雷雨で途切れた晴れ間。
行人坂から目黒川を太鼓橋で渡り、山手通りを越えた辺り。
祈りを捧げ、重い気分で駅に向かって歩き出してから踵を返した。
式場の敷地の隅っこから、チャボがハミングバードを掲げてた辺りに向かって手を合わした。
その夜又降り出した雨の中、真っ直ぐ帰れずに足はゴールデン街に。
俺が「今日お世話になってる方のお父さんの告別式でさ、その会場が-」と言いだすのと、マスターがCDをPLAYにするのがジャストだった。
流れて来たのは清志郎の“Boys”。
“Memphis”が出た後のブッカーT&MG’sとの武道館を2階最後列で大勢でベロベロになりながら観た時の様子がフラッシュバックする。
そう言えばSOLD OUTの野音を塀をよじ登って観たなあ。
“ミラクル”の時で、昼間にボ・ガンボスの代々木公園でのフリー・コンサートを観た後、大挙して急遽野音に行った。
開演から大分たっていたけど、よじ登ってすぐに始まった“いい事ばかりはありゃしない”は最高だった。
「このCD貸したまま返って来ないんだよなあ」「こんないいアルバム返って来ないよ」
本当に一杯だけで帰ろうと考えていたんだが、最後の“MTN”迄聞いて席を立った。
帰ったら家族はまだ起きてて賑やか。
風呂につかってノンビリしてたら、「あ-っ!」という家人の声が聞こえて、娘が半べそをかいて「ごめんなさい」と謝りに来た。
小さなプラスティックのサーブ練習機で素振りをしてたらすっぽ抜け、液晶TVにぶつかり、液晶は「パリン」と音をたてて、下半分が黒地に奇麗なレインボーカラーの格子模様に姿を変えたらしい。
翌朝メーカーに電話すると「そうですねえ、一番高い部品ですから14万5千円位かかっちゃいますね。買った方が安いかと」。
“金が欲しくて働いて 眠るだけ”
頭の中で清志郎が、「しょうがないじゃん」と笑ってた。
2009.5.10
Tamaranzaka
激しくかき鳴らされるギターにかぶってシオンがこう唄った。
“昨日は車の中で寝た あの娘と手をつないで”
“昨日は”だけで悲鳴にも似た歓声があがり、俺も涙が滲んだ。
シオンは客に、そして天を見上げて「ありがとう」と言ってステージを降りた。
数日後家人を久々に職場迄送って行った帰りにふと思い出す。
(あっ、多摩蘭坂!)
家人の職場は“多摩蘭坂を登り切る手前”じゃなくて、多摩蘭坂を登り切った信号二つ先。
RC命って訳じゃない俺は奴と付き合いだして随分たったある日、「あれっ-!ここ多摩蘭坂じゃん!」って驚いて車を降りて、石垣に書いてあるRCフリークの“落書き”を眺めたんだ。
次の日、テニス界でお世話になっている方のお父様の告別式。
訃報を見た時沈痛な気持ちになりながらも気付いた。
(ここ昨日清志郎の密葬やった場所だ……)
予想外降り続いた雨が朝の雷雨で途切れた晴れ間。
行人坂から目黒川を太鼓橋で渡り、山手通りを越えた辺り。
祈りを捧げ、重い気分で駅に向かって歩き出してから踵を返した。
式場の敷地の隅っこから、チャボがハミングバードを掲げてた辺りに向かって手を合わした。
その夜又降り出した雨の中、真っ直ぐ帰れずに足はゴールデン街に。
俺が「今日お世話になってる方のお父さんの告別式でさ、その会場が-」と言いだすのと、マスターがCDをPLAYにするのがジャストだった。
流れて来たのは清志郎の“Boys”。
“Memphis”が出た後のブッカーT&MG’sとの武道館を2階最後列で大勢でベロベロになりながら観た時の様子がフラッシュバックする。
そう言えばSOLD OUTの野音を塀をよじ登って観たなあ。
“ミラクル”の時で、昼間にボ・ガンボスの代々木公園でのフリー・コンサートを観た後、大挙して急遽野音に行った。
開演から大分たっていたけど、よじ登ってすぐに始まった“いい事ばかりはありゃしない”は最高だった。
「このCD貸したまま返って来ないんだよなあ」「こんないいアルバム返って来ないよ」
本当に一杯だけで帰ろうと考えていたんだが、最後の“MTN”迄聞いて席を立った。
帰ったら家族はまだ起きてて賑やか。
風呂につかってノンビリしてたら、「あ-っ!」という家人の声が聞こえて、娘が半べそをかいて「ごめんなさい」と謝りに来た。
小さなプラスティックのサーブ練習機で素振りをしてたらすっぽ抜け、液晶TVにぶつかり、液晶は「パリン」と音をたてて、下半分が黒地に奇麗なレインボーカラーの格子模様に姿を変えたらしい。
翌朝メーカーに電話すると「そうですねえ、一番高い部品ですから14万5千円位かかっちゃいますね。買った方が安いかと」。
“金が欲しくて働いて 眠るだけ”
頭の中で清志郎が、「しょうがないじゃん」と笑ってた。
2009.5.10
Tamaranzaka
カテゴリー:SION
2009/05/10 12:49














