Scene 253 [THE ONE NIGHT STAND]
半身浴が好きだ。
風呂を修理しなきゃならなかった時に、湯船を半身浴用に変えた位だ。
前はただボーッと30分程浸かって汗を出すという感じだったのが、いつからか読み物を持ち込む様になった。
本を持ち込むのは最初抵抗があったが、持ち込んでみたらふやけないし、湿気も然程吸った感じがなく、それ以降は平気でどんな本でも持ち込んで読んでる。
新聞は流石にふやけて嵩張るが、どうせ捨てるもんだから、大体夜は風呂で夕刊をチェックして朝刊を読み直してる。
そんな半身浴の最中、目は活字を追いながら頭の中で最近あった事を反芻。
まず浮かんで来るのは、あるプレゼンでのプロテニスコーチの熱い涙。
人に語りかける、話を聞かせる為には情熱がいる。
話が上手い下手じゃあない。
次は強い風雨の中、有明で行われたジュニアのイベント。
アウトコートが使えず、屋根を閉めたコロシアムで可動ネットを増設して、数クラスを同時進行でレッスン。
俗に言う“同業他社”のプロテニスコーチ達が、状況に応じて素晴らしいアドリブを見せる。
狭い呑み屋に詰め込まれて呑む時の異様な盛り上がりにも近いか。
そこには単純に1人のテニスコーチとして、目の前の“テニス・キッズ”達に自分が今出来る全てでレッスンしている熱さがあった。
最後は……。
暗転した武道館に響き渡ったあのドラムのイントロ。
(うわっ!!オープニング“きんぽうげ”だぜ!)
そしてGmのあのリフが炸裂した瞬間に、武道館はちっぽけな小屋になって、俺は涙ぐんだ。
グレートなパフォーマンスはあっという間に人の距離を縮める。
“最後の甲斐バンド”
俺は奴とまだ小学生の息子と娘と一緒にアリーナで観た。
何の偶然か、初めて武道館で甲斐バンドを観た高2の時とほぼ同じ席。
(俺ってもしかして幸せなんじゃねえかな……)
リズムに身体を揺らす奴と、拳を突き上げるガキ達を見てふとそう思った。
この日の話にはおまけがある。
帰りに九段の坂からゴールデン街迄乗ったタクシーの運ちゃんが、ライヴの話で盛り上がってる俺等にこう話かけて来た。
「今夜甲斐バンドだったの?私ねえ、小学生の時同級生だったんですよ。小さい頃からギター弾いて唄ってましたね。中学は別だったから、HEROが売れた時は“やっぱあの甲斐か”って。“よっさん”、“やっさん”って呼び合ってましたから」
当然「お釣りは取っといて」だ。
“生きるってことは一夜かぎりのワン・ナイト・ショー 矢のように走る 時の狭間で踊ることさ”HERO/甲斐バンド
そうだね、これまでも、これからも、“THE ONE NIGHT STAND”。
何てカッコ良く生きれればいいんだが……。
あっ、又一つ浮かんで来た。
ガキ共がコートから帰って来た後、真っ暗な中街灯の下で素振りし始めたんだ。
随分長い時間やってて、「ほら飯だぞ!」って呼んだんだけど、嬉しかったな。
2009.2.9
Kudanshita
風呂を修理しなきゃならなかった時に、湯船を半身浴用に変えた位だ。
前はただボーッと30分程浸かって汗を出すという感じだったのが、いつからか読み物を持ち込む様になった。
本を持ち込むのは最初抵抗があったが、持ち込んでみたらふやけないし、湿気も然程吸った感じがなく、それ以降は平気でどんな本でも持ち込んで読んでる。
新聞は流石にふやけて嵩張るが、どうせ捨てるもんだから、大体夜は風呂で夕刊をチェックして朝刊を読み直してる。
そんな半身浴の最中、目は活字を追いながら頭の中で最近あった事を反芻。
まず浮かんで来るのは、あるプレゼンでのプロテニスコーチの熱い涙。
人に語りかける、話を聞かせる為には情熱がいる。
話が上手い下手じゃあない。
次は強い風雨の中、有明で行われたジュニアのイベント。
アウトコートが使えず、屋根を閉めたコロシアムで可動ネットを増設して、数クラスを同時進行でレッスン。
俗に言う“同業他社”のプロテニスコーチ達が、状況に応じて素晴らしいアドリブを見せる。
狭い呑み屋に詰め込まれて呑む時の異様な盛り上がりにも近いか。
そこには単純に1人のテニスコーチとして、目の前の“テニス・キッズ”達に自分が今出来る全てでレッスンしている熱さがあった。
最後は……。
暗転した武道館に響き渡ったあのドラムのイントロ。
(うわっ!!オープニング“きんぽうげ”だぜ!)
そしてGmのあのリフが炸裂した瞬間に、武道館はちっぽけな小屋になって、俺は涙ぐんだ。
グレートなパフォーマンスはあっという間に人の距離を縮める。
“最後の甲斐バンド”
俺は奴とまだ小学生の息子と娘と一緒にアリーナで観た。
何の偶然か、初めて武道館で甲斐バンドを観た高2の時とほぼ同じ席。
(俺ってもしかして幸せなんじゃねえかな……)
リズムに身体を揺らす奴と、拳を突き上げるガキ達を見てふとそう思った。
この日の話にはおまけがある。
帰りに九段の坂からゴールデン街迄乗ったタクシーの運ちゃんが、ライヴの話で盛り上がってる俺等にこう話かけて来た。
「今夜甲斐バンドだったの?私ねえ、小学生の時同級生だったんですよ。小さい頃からギター弾いて唄ってましたね。中学は別だったから、HEROが売れた時は“やっぱあの甲斐か”って。“よっさん”、“やっさん”って呼び合ってましたから」
当然「お釣りは取っといて」だ。
“生きるってことは一夜かぎりのワン・ナイト・ショー 矢のように走る 時の狭間で踊ることさ”HERO/甲斐バンド
そうだね、これまでも、これからも、“THE ONE NIGHT STAND”。
何てカッコ良く生きれればいいんだが……。
あっ、又一つ浮かんで来た。
ガキ共がコートから帰って来た後、真っ暗な中街灯の下で素振りし始めたんだ。
随分長い時間やってて、「ほら飯だぞ!」って呼んだんだけど、嬉しかったな。
2009.2.9
Kudanshita
カテゴリー:KAI
2009/02/10 23:03













