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another side of tennis

Scene 252 [SHAIN A LIGHT]

新宿武蔵野館。
この街に夜な夜な呑みに来てるくせに、ここは初めて。
ワンフロアに100人以下のミニシアターが3つ。
持ち込みのポケ瓶のチェイサーにジンジャーエールを買って中へ。
すぐにいつも通り予告編が幾つか流れ、映画が始まった。

“SHAIN A LIGHT”
まずはストーンズとマーティン・スコセッシの丁々発止で幕が開く。
スコセッシをからかい、煽る様なミックに(相変わらずだなあ)とファン心理で嬉しくなるが、そんなもんが単なるギミックだと、後で改めて思い知らされる事になる。
オープニングは“J.J.Flash”。
スクリーンから発せられるエネルギーに、(うわっ!すげえ)とぶっ飛びにやけながらも涙が滲む。
初めて観たシェア・スタジアム、そして'90年の初来日から何回も観たどのショーよりもバンドは良くなってる。
映画の半ばでキースは「単純にバンドをやるのが好きなんだ」と呟き、ラストの“BROWN SUGAR”を弾き終えた後は、ネックを抱えひざまずいて動かず、暫くしてネックにキスして立ち上がった。
奴等は心底ピュアに“演る”事を楽しみ、とんでもない音楽を産み出し続けてる。
そんな奴等に俺は、相も変わらず「くっだらねえコト気にすんなよ!お前は何者なんだい-!」と、ケツを叩かれてる。

「単純にテニスをやるのが好きなんだ」「単純にコーチをするのが好きなんだ」という気持ちを表現し続けないと……。
ブッキングからホテルの部屋に用意する物まで、ストーンズに関するあらゆるマネージメントをミックが仕切っているのは、全てを自分達でコントロールしたいからだ。
それを揚げ足取りは「金儲け主義」と言うが、そんな奴には本当のメッセージ、“真実”は伝わらない。
アメリカでトップジュニア育成しているコーチのテニス誌でのコラムに、こんな言葉があった。
「ポジテイヴな選手は、ネガティブな言葉で罵倒してもそれをエネルギーに変える。ネガティヴな選手は、ポジティヴな言葉をかけても(自分は駄目だ)と落ち込んで行く。相手が何を言ったかでなく、何を伝えたいかを理解し、自分に活かす事が大事。ネガティヴな選手やモンスター・ペアレントにはそこが欠如している」
“情熱”ってのは、もはや誰にでも通じるものじゃないらしい。

映画ではクリントン一家が来て、ストーンズのメンバーと顔合わせしていた。
ミックは、クリントンが他のメンバーと話している間は無関心に遠くを見つめ、視線が自分に動いて来るとあの笑顔を浮かべてた。
そしてステージでは“Some Giris”を唄った。
あの歌詞をクリントン一家が揃って聴いてる所を思うと面白くなったが、それ以上にやっぱり俺はこう思った。
(本当にこいつらBluesが好きなんだ!)
全く何を今更……。

2009.1.23
Shinjuku Musashinokan


カテゴリー:STONES
2009/01/25 22:29

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筆者紹介:坂東海


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