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another side of tennis

Scene 246 [Back to The Roots]

西東京の小学校のグラウンド。
寒々しい空とは対照的に、近隣の少年野球チームの選手約320名で賑わっている。
田無出身のメジャーリーガー井口資仁選手の野球教室が始まった。

最初は当然キャッチボール。
準備している間井口選手は、スタッフと談笑しながらテニスのサーブの様に回内の動作を繰り返してる。
そしてキャッチボール開始。
子供相手だから軽く投げてるだけだが、必ず綺麗に回内の動きが入ってる。
320人を相手する訳だから、子供達はボールが一往復すると交代して行く。
たった一往復でも子供達は帽子を取って挨拶。
井口選手はその度に帽子のつばに手を持って行き返礼。

バッティング練習の前にはどんなスポーツでも共通で大切な基本を一言。
「皆は腕の力って強いって思ってるかもしれないけど実は一番弱くて、地面から力をもらって足、腰、腕、バットの順番で力を伝えて行くんだよ」
子供達は真剣に聞いてる。
周りのお父さんコーチ達は、「何回言ってもやらないし、話もロクに聞かないのが、これ一回で身に付いたりするんだよねえ」と嬉しそうな?苦笑い。

最後は井口選手の著書「井口の法則」を渡しながらの握手会。
事前に購入した子供限定だが、それでも物凄い人数。
主催者は各チームで纏めて渡すつもりだったのが、井口選手たっての希望で一人一人に手渡すことになったとのこと。
ウチのガキは申込みを忘れてたが、今からでもOKとなって購入して握手。
喜んでサインを見たら事前購入の子達には書かれていた日付がない。
スタッフに「すいません。今日誕生日なんで日付入れてもらえませんか?」と尋ねたら、井口選手自らが、「いいですよ!」と本を受け取り「ペンある?」とスタッフに声をかけて日付を書き加えてくれて、「頑張ってね!」と頭をポンと叩きながら返してくれた。
キャッチボールの時同様に、自分のバックボーンを大切にしている事が伺えて、彼の誠実さを感じて温かい気持ちになった。
なあ、いい誕生日になったな。

この井口選手の野球教室のことをプロテニスコーチに話してみた。
奴は、「彼は能力が高過ぎて自分の筋力を超えちゃうんですよ。特に上腕がポイントらしくて、回内のストレッチもそれだけでなく、こういうのやこんなストレッチしてるんですよ」とストレッチの真似をしてみせる。
そして「言ってくれればグローブ持って観に行ったのに……」と恨めしそうな顔。
何か嬉しくなる会話だった。
こんな奴のレッスンを受けれるジュニアは幸せだ。

2008.11.24
Hoya-sho


カテゴリー:word
2008/11/27 23:59

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筆者紹介:坂東海


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