Scene 243 [晩秋]
ボルグがウィンブルドンのトロフィーをオークションに出したんだか、出そうとしたのを覚えているだろうか。
コナーズがボルグの為に、自分が買い取ることでオークションに出るのを防ごうとしてるなんて噂も聞いた気がする。
結果として、ウィンブルドンのトロフィーが他人の手に渡る事は避けられたというところ迄しか知らない。
あの時のボルグは、ウィンブルドン五連覇をはじめとする「一生かかっても使い切れない」と言われた賞金等、全財産を使い果たした挙句に、ウィンブルドンのトロフィーを金に換えようとした。
矢面に出たのはボルグだが、取り巻き連中がボルグを利用していいようにやってたらしい。
「バカだなあ……。そんな奴等にだまされんなよ」なんて言えるのは、街の底を這いずり回って生きて来た俺達だからで、若くして世界的に成功した奴への誘惑や重圧は本人にしかわかりゃしない。
ボルグが少年の頃にアイスホッケーの試合で相手を傷つけてしまい、それを機に自分を律する事の大事さに気付き、類似無比のポーカーフェースを得たという話は、同じく少年の頃は感情のコントロールが出来ず、そんな行為を無意味と感じ冷静さを身につけたフェデラーの話とダブり、相変わらず落ち着かず、情けない俺としては大好きなエピソードなんだが(タイガー・ウッズのMCで、フェデラーの幼少から最近迄をフラッシュでまとめているNIKEのCMでは、試合中に癇癪を起こしてボールを蹴り上げるフェデラー少年の様子がインサートされている)。
今年のウィンブルドンでは、招かれて観戦しているボルグの姿があったから、ボルグは窮地を脱したってことか。
小室哲哉作詞作曲の未発表曲に“against the wind”という唄がある。
“大好きだって言えなくなった まして愛なんてとても伝えられない 口惜しいこと甘えたいこと ずっとずっと言えなくなっていて aginst the wind aginst the wind aginst the wind やさしさにさからって どこかでまた吠えてる”
別に好きなミュージシャンじゃあないが、この“against the wind”は好きだ。
TVのしたり顔コメンテーターみたいに、「今の彼は正しく“against the wind”ですね!」なんて言う気は勿論ない。
流通センター駅で降りて、ほこりっぽいトラックのクラクションが響く環七を歩く。
臨海斎場。
ガキの頃からずっと良くしてもらった伯父さんに別れを告げた。
地道に誠実に戦前、戦後と昭和を生きた伯父さん。
こつこつと自分達の生活基盤を作り上げ、家族を養い生きて行く。
そんな堅実さってやつは、地味だとか、素晴らしいだとかじゃなくて、当たり前なんだ。
ゆっくり休んでね。
2008.11.5
Ryutsu-Center
aginst the wind/甲斐よしひろ(作詞・作曲:小室哲哉)
このごろときどき鏡みるたび どうしてこんなにつかれて
ひとつひとつ何か終わるたび タバコのかすかな灯消えたような
大好きだって言えなくなった まして愛なんてとても伝えられない
せめて時代をなつかしむように 粋な頃の ワイン話をして
aginst the wind aginst the wind aginst the wind
人の波にさからって どこかでまた吠えてる
夕日を最近見たかい? 太陽が休みを告げるよな夕暮れを
恋は酒や歌やベッドで 生まれるものじゃないこと忘れてた
溺れられない まだすてきれない 今日もビルのすきま風に向かって
どこで誰かと また出会えるか? そしてやっと 何か伝えられるか?
aginst the wind aginst the wind aginst the wind
やさしさにさからって どこかでまた吠えてる
溺れられない まだすてきれない 今日もビルのすきま風に向かって
口惜しいこと甘えたいこと ずっとずっと 言えなくなっていた
aginst the wind aginst the wind aginst the wind
人の波にさからって どこかでまた吠えてる
大好きだって言えなくなった まして愛なんてとても伝えられない
口惜しいこと甘えたいこと ずっとずっと 言えなくなっていた
aginst the wind aginst the wind aginst the wind
やさしさにさからって どこかでまた吠えてる
aginst the wind aginst the wind
コナーズがボルグの為に、自分が買い取ることでオークションに出るのを防ごうとしてるなんて噂も聞いた気がする。
結果として、ウィンブルドンのトロフィーが他人の手に渡る事は避けられたというところ迄しか知らない。
あの時のボルグは、ウィンブルドン五連覇をはじめとする「一生かかっても使い切れない」と言われた賞金等、全財産を使い果たした挙句に、ウィンブルドンのトロフィーを金に換えようとした。
矢面に出たのはボルグだが、取り巻き連中がボルグを利用していいようにやってたらしい。
「バカだなあ……。そんな奴等にだまされんなよ」なんて言えるのは、街の底を這いずり回って生きて来た俺達だからで、若くして世界的に成功した奴への誘惑や重圧は本人にしかわかりゃしない。
ボルグが少年の頃にアイスホッケーの試合で相手を傷つけてしまい、それを機に自分を律する事の大事さに気付き、類似無比のポーカーフェースを得たという話は、同じく少年の頃は感情のコントロールが出来ず、そんな行為を無意味と感じ冷静さを身につけたフェデラーの話とダブり、相変わらず落ち着かず、情けない俺としては大好きなエピソードなんだが(タイガー・ウッズのMCで、フェデラーの幼少から最近迄をフラッシュでまとめているNIKEのCMでは、試合中に癇癪を起こしてボールを蹴り上げるフェデラー少年の様子がインサートされている)。
今年のウィンブルドンでは、招かれて観戦しているボルグの姿があったから、ボルグは窮地を脱したってことか。
小室哲哉作詞作曲の未発表曲に“against the wind”という唄がある。
“大好きだって言えなくなった まして愛なんてとても伝えられない 口惜しいこと甘えたいこと ずっとずっと言えなくなっていて aginst the wind aginst the wind aginst the wind やさしさにさからって どこかでまた吠えてる”
別に好きなミュージシャンじゃあないが、この“against the wind”は好きだ。
TVのしたり顔コメンテーターみたいに、「今の彼は正しく“against the wind”ですね!」なんて言う気は勿論ない。
流通センター駅で降りて、ほこりっぽいトラックのクラクションが響く環七を歩く。
臨海斎場。
ガキの頃からずっと良くしてもらった伯父さんに別れを告げた。
地道に誠実に戦前、戦後と昭和を生きた伯父さん。
こつこつと自分達の生活基盤を作り上げ、家族を養い生きて行く。
そんな堅実さってやつは、地味だとか、素晴らしいだとかじゃなくて、当たり前なんだ。
ゆっくり休んでね。
2008.11.5
Ryutsu-Center
aginst the wind/甲斐よしひろ(作詞・作曲:小室哲哉)
このごろときどき鏡みるたび どうしてこんなにつかれて
ひとつひとつ何か終わるたび タバコのかすかな灯消えたような
大好きだって言えなくなった まして愛なんてとても伝えられない
せめて時代をなつかしむように 粋な頃の ワイン話をして
aginst the wind aginst the wind aginst the wind
人の波にさからって どこかでまた吠えてる
夕日を最近見たかい? 太陽が休みを告げるよな夕暮れを
恋は酒や歌やベッドで 生まれるものじゃないこと忘れてた
溺れられない まだすてきれない 今日もビルのすきま風に向かって
どこで誰かと また出会えるか? そしてやっと 何か伝えられるか?
aginst the wind aginst the wind aginst the wind
やさしさにさからって どこかでまた吠えてる
溺れられない まだすてきれない 今日もビルのすきま風に向かって
口惜しいこと甘えたいこと ずっとずっと 言えなくなっていた
aginst the wind aginst the wind aginst the wind
人の波にさからって どこかでまた吠えてる
大好きだって言えなくなった まして愛なんてとても伝えられない
口惜しいこと甘えたいこと ずっとずっと 言えなくなっていた
aginst the wind aginst the wind aginst the wind
やさしさにさからって どこかでまた吠えてる
aginst the wind aginst the wind
カテゴリー:KAI
2008/11/06 03:45













