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another side of tennis

Scene 232 [確信犯]

どうも観る気がしない。
新聞一面にはキナ臭いBad News。
「スポーツと政治は別」というコメントを聞く度に、逆のイメージがますます強くなる。
とは言え、目に耳に飛び込んで来る選手達のパフォーマンスには惹きつけられて、そのまま見入ってしまう。
でも自分からはTVのスイッチは入れないし、勿論チャンネルも合わせない。

白山通り沿いで暑さに喘ぎながら、(つけ麺でも喰うか)と歩いていたら、“鰹節屋の自慢のつゆ”という看板が目に入って、誘われたままに立ち喰いそば。
注文して待ってると、気っ風のいいおばちゃんがそばを茹でながら、「北島は大したもんだねえ!」と話しかけて来た。
「えっ、優勝したの?」「そうよ!たった今ラジオで言ってたよ。世界新!世界新!」「凄いねえ、期待背負っての有言実行だもんね。男らしいなあ」
スタジオに戻るや否やスタッフに、「北島優勝!世界新!」と伝える。
スタッフも「わあっ、凄いですね!」と喜ぶ。
そうなんだ、プレーしてるアリーナ内は最高で、そこだけにフォーカスしてるTV画面を見てる分にはいいんだ。
それは新聞でも、トップをすっ飛ばしてスポーツ面だけ読めばいいって事だろうけど、やっぱりそんな訳には行かず、政治面、社会面、国際面を見てはブルーなってしまう。
都合良く見猿聞か猿言わ猿は使い分けられない。

新聞をテーブルに置いて、“テニス”というキーワードがあれば録画する様に設定してあるHDDレコーダーを起ち上げたら、杉山愛vsハンチュコバがメニューに入っていた。
(おっ!-いいじゃん)と再生開始。
打点を高く取り、深いボールを打ち込んで行く、杉山選手のいつもよりアグレッシヴなプレーに引き込まれて、応援に力が入る。
隣にいるスタッフに、「いいか、メダル獲るか獲らないかで報奨金が全然違うんだからよ。今後の強化費とか、日本テニスの未来がかかってるんだぜ」、なんて薀蓄をたれてふと気付く。
(そんなインサイダー的な阿漕な見方してどうするんだよ)

どこかで腐って行く。
どこかで鈍くなって行く。
頭を振って振り払おうとしても、今までの自分がまとわり付く。
そして今日も明日も、そう代わり映えしないだろう。
でも俺はまだ“一瞬”に賭けれるはずだ。
この人生って名の“DIRTY WORK”を楽しんでやる。

2007.8.11
Nishi-kanda2


カテゴリー:word
2008/08/14 13:39

筆者紹介:坂東海


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