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another side of tennis

Scene 228 [Mixed Emotions]

“古の人々が歩いた道”って言うから、傘をかぶった若い女の人が杖をついて静々と歩いてる姿を脳裏に描いていたらとんでもなかった。
熊野三山の聖域のスタートである滝尻王子から高原熊野神社迄の、熊野古道全体から見ればほんの僅かな距離。
いきなり急坂。
次の不寝王子では、(“ねずおうじ”いいねえ。行きつけのバーのマスターみたいだな)なんて考える余裕もあったが、その後は(新幹線の中でビール呑むんじゃなかった……)と、滴り落ちる悪い汗を拭きながらひたすら登った。
そんな最中に最短距離を進むんじゃなくて、少しでも足場のいい場所、なだらかな場所を選んでる自分に気付き、(そうだよなあ、人生もこうなんだよな)なんて、妙に悟った気になってるのがおかしい。

熊野本宮大社。
参道の長い石段から山門をくぐり、社殿を前にして言葉が出なくなった。
周りの仲間も口をきかない。
圧倒的な静寂。
第一殿、第二殿、第三殿、第四殿と二拝二拍一拝を繰り返すうちに、自分の大切な人への想いが強くなり、そしてありとあらゆる繋がりを感じた。
自分の心をいつもフラットにしておかないとな。
カテゴライズしたりされたり、レッテルを貼ったり貼られたり、俺は他人の眼の中で何を知ったかぶって、何を偉そうにしてるんだか。

東京を離れる前に、クルム伊達公子選手が日本サッカー協会理事内定という報道を見た。
伊達選手の世界を転戦して来た経験を日本サッカー界に活かしたいということで、他には平尾誠二元ラグビー日本代表監督も理事に内定。
二人共レッズランドでの関係があるとは言え、多競技トップの抜擢に(やるな、サッカー協会)と感じた。
でもその前に、伊達選手の経験を日本テニス界は活かしきってるんだろうか?
やっぱりテニスフリークとしてちょっと複雑……だけどとにかく、やるじゃん!サッカー協会!

そんなサッカー協会だが、新聞にはこうも書かれていた。
「(前略)しかし、上意下達の手法は、組織の硬直化にもつながった。現在の協会内は役所的な空気も強い。新会長に求められるのは、スポーツ集団にふさわしい、柔軟で機動的な組織作りだ。(後略)」読売新聞
これは、サッカー協会は自由闊達に動きにくい、若い奴の意見が通りにくいってことなのか、それとも体育会系はスポーツ集団じゃないってことなのか、良くわからんが、書き手がスポーツにフェアでピュアでエネルギッシュなイメージを持っている事は伝わって来る。
それは悪くない。

お伊勢さんでお参りした後、おかげ横丁で一献。
昼飯時で満員の座敷で呑み出す。
お銚子を寝かせ続け、気付けば広い座敷には俺等だけ。
雪見窓からはゆっくり流れる五十鈴川。
いい感じだ。

2007.7.12
Sushikyu


カテゴリー:word
2008/07/17 20:43

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筆者紹介:坂東海


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