Scene 216 [結び目]
「へえ〜野球も出来たんだ!」
「俺等の年代なら当たり前でしょ!」
少年野球のコーチをしているところに、知り合いのガキとお母さんが見学に来た時の会話。
当たり前の様に放課後は手打ち野球や三角ベースやってたもんなあ。
テニスやってた時も、朝練に早弁しての昼練、放課後の練習に日曜の練習。
ROCKを聴き出せばギター買ってダチとスタジオに入り浸って、煙草くわえて酒呑んで。
好きなものってのはそんなもんだ。
“救われたのさ キミからのメッセージで 見上げれば いつしか空は 燃え上がる様な 夕焼け”
満員の下北沢CLUB QUEでボーカルがこう唄い出すと、俺とボーカルの間にいた男の眼から泪がこぼれ始めた。
顔をゆがめ泪を拭いながら、拳をあげながら唄ってる。
天を指す人差し指がピンと伸びずちょっと折れているところに、彼の気持ちが見える。
本編ラストに向っているのか泪ぐむ奴が増えてる。
“心にひとつ結び目がある ゆるんでもほどけない 悲しみの時も 苦しみの時もほどけない結び目がある ひとつだけ”
目の前の女の子が堪え切れず嗚咽してる。
“握り締めてる手からのぞいたり 開いた手のひら隠れたり 運命が笑う 左を選んだその瞬間に 右をあきらめた瞬間に この胸に刻む 自由という「孤独」”
ステージがはねて楽屋にメンバーをたずねる。
「良かったよ」
「Thank You!呑んで行くんでしょ?」
ドラマーが缶ビールをよこす。
ふと、吉祥寺でのワンマンの楽屋を訪ねた時にメンバーがまだ小さかったガキを見て、「ちいせえなあ!お前等もずっとRock’n Rollしろよ!」と言いながら、煙草を消してくれてたことが頭に甦る。
打上げの席でボーカルに泣いてた奴等の話をする。
「幸せだよねえ。本当に。こうやってお前とか友達も来てくれてさ」
ギターの女の子が今夜で抜けて、奴等プロペラはしばらく活動停止する。
デビューはDocomoとタイアップ。
ON AIRでのワンマンの時は会場での打上げから、次の打上げ会場に向う俺等のことを“追っかけ”が正しく追っかけて来た。
それから大ブレークはなかったが、11年間走り続けて来た。
「これからどうするの?」だとか、「代りに誰かいれて続ければいいじゃん!」なんて安易な言葉はかけれない。
終電の時間が近付いてメンバーに挨拶して会場を後にした。
奴等がずっとロックし続けていることへのシンパシーが、俺の中のイノセントな部分を保つ力になっている。
それはずっと「世界に通じる選手を!」とジュニア育成に励んでるダチ達へのシンパシーと同じだ。
“唄う”ことよりも“唄い続ける”こと、“戦う”ことよりも“戦い続ける”こと、“走る”ことよりも“走り続ける”ことを体現出来る奴はそういない。
そして信じられる。
数字や金じゃ表せないものがある。
世の中にはエクセルやワード、コンピュータに取り込めないものがあるんだ。
そう言えば昔から好きだったシンガーもプロペラを観に来てて、打上げの席で挨拶した。
「“流れ”大好きですよ」と言った俺に彼は、「ありがとうございます。お名前は?」と、かぶっていた帽子を取って丁寧に挨拶してくれた。
温かかったな。
ただ彼にメンバーにも渡した沖縄ウコンを「これ飲むと宿酔いになりませんから」と進呈したら、それで火がついて朝までになって酷い宿酔いになっちまったらしい。
へへへ、今度会ったら謝って(茶化して?)おくかな。
次の日の晩、メールが入った。
<せんきゅ〜 これからもヨロシク!体に気を付けてなぁ>
Thanks!お前もな!
“しゃがみこんだままでいれば2度ともう転ぶことも無いけど ah ah 止めたペンをもう1度ほんの少し動かせばピリオドもコンマになる”
【propeller】
YUTARO HABARA:Vocal,Harp
TOKO CHEE:Guitars,Vocal & Backing Vo
HIROAKI TANIZAKI:Bass,Backing Vo
YO-HEY HORINOUCHI:Drums,Percussion,Backing Vo
2007.4.21
Kitazawa2
「俺等の年代なら当たり前でしょ!」
少年野球のコーチをしているところに、知り合いのガキとお母さんが見学に来た時の会話。
当たり前の様に放課後は手打ち野球や三角ベースやってたもんなあ。
テニスやってた時も、朝練に早弁しての昼練、放課後の練習に日曜の練習。
ROCKを聴き出せばギター買ってダチとスタジオに入り浸って、煙草くわえて酒呑んで。
好きなものってのはそんなもんだ。
“救われたのさ キミからのメッセージで 見上げれば いつしか空は 燃え上がる様な 夕焼け”
満員の下北沢CLUB QUEでボーカルがこう唄い出すと、俺とボーカルの間にいた男の眼から泪がこぼれ始めた。
顔をゆがめ泪を拭いながら、拳をあげながら唄ってる。
天を指す人差し指がピンと伸びずちょっと折れているところに、彼の気持ちが見える。
本編ラストに向っているのか泪ぐむ奴が増えてる。
“心にひとつ結び目がある ゆるんでもほどけない 悲しみの時も 苦しみの時もほどけない結び目がある ひとつだけ”
目の前の女の子が堪え切れず嗚咽してる。
“握り締めてる手からのぞいたり 開いた手のひら隠れたり 運命が笑う 左を選んだその瞬間に 右をあきらめた瞬間に この胸に刻む 自由という「孤独」”
ステージがはねて楽屋にメンバーをたずねる。
「良かったよ」
「Thank You!呑んで行くんでしょ?」
ドラマーが缶ビールをよこす。
ふと、吉祥寺でのワンマンの楽屋を訪ねた時にメンバーがまだ小さかったガキを見て、「ちいせえなあ!お前等もずっとRock’n Rollしろよ!」と言いながら、煙草を消してくれてたことが頭に甦る。
打上げの席でボーカルに泣いてた奴等の話をする。
「幸せだよねえ。本当に。こうやってお前とか友達も来てくれてさ」
ギターの女の子が今夜で抜けて、奴等プロペラはしばらく活動停止する。
デビューはDocomoとタイアップ。
ON AIRでのワンマンの時は会場での打上げから、次の打上げ会場に向う俺等のことを“追っかけ”が正しく追っかけて来た。
それから大ブレークはなかったが、11年間走り続けて来た。
「これからどうするの?」だとか、「代りに誰かいれて続ければいいじゃん!」なんて安易な言葉はかけれない。
終電の時間が近付いてメンバーに挨拶して会場を後にした。
奴等がずっとロックし続けていることへのシンパシーが、俺の中のイノセントな部分を保つ力になっている。
それはずっと「世界に通じる選手を!」とジュニア育成に励んでるダチ達へのシンパシーと同じだ。
“唄う”ことよりも“唄い続ける”こと、“戦う”ことよりも“戦い続ける”こと、“走る”ことよりも“走り続ける”ことを体現出来る奴はそういない。
そして信じられる。
数字や金じゃ表せないものがある。
世の中にはエクセルやワード、コンピュータに取り込めないものがあるんだ。
そう言えば昔から好きだったシンガーもプロペラを観に来てて、打上げの席で挨拶した。
「“流れ”大好きですよ」と言った俺に彼は、「ありがとうございます。お名前は?」と、かぶっていた帽子を取って丁寧に挨拶してくれた。
温かかったな。
ただ彼にメンバーにも渡した沖縄ウコンを「これ飲むと宿酔いになりませんから」と進呈したら、それで火がついて朝までになって酷い宿酔いになっちまったらしい。
へへへ、今度会ったら謝って(茶化して?)おくかな。
次の日の晩、メールが入った。
<せんきゅ〜 これからもヨロシク!体に気を付けてなぁ>
Thanks!お前もな!
“しゃがみこんだままでいれば2度ともう転ぶことも無いけど ah ah 止めたペンをもう1度ほんの少し動かせばピリオドもコンマになる”
【propeller】
YUTARO HABARA:Vocal,Harp
TOKO CHEE:Guitars,Vocal & Backing Vo
HIROAKI TANIZAKI:Bass,Backing Vo
YO-HEY HORINOUCHI:Drums,Percussion,Backing Vo
2007.4.21
Kitazawa2
カテゴリー:Music
2008/04/24 21:19














