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another side of tennis

Scene 202 [霙]

成人式以来の高校の同窓会。
直接電話で誘われてたらしいが、丁度朝までになった晩で覚えてなく、前の晩「来るって言ったじゃん!」と責められ高円寺へ。
面倒くさいから遅れて行こうと考えてたら、トラブっちゃって本当に2時間遅れ。
(あいつが帰っちゃってて会えなかったら淋しいな……)と考えた自分が素直なのか。
同窓会故の若干の見栄っぱりテンションと、大人のソフトランディング的気配りと、相も変わらない馬鹿さ加減でほぐれきってる店に入って呑み出す。

「さっきまでM先生がいたんだけど、『ほらあのテニスが全国レベルだったあいつはまだか?!』とか言ってたぜ」
気分は悪くないけど今俺の横には、今年から某プロ野球チームの一軍バッテリーコーチになったダチがいる。
俺の昔話なんてしたら、ミック・ジャガーが♪Who wants yesterday's paper?♪って蔑みながら歌い出すぜ。
そいつは高校からドラフトで入ってすぐ一軍だったんだが、現役の間はずっと某キャッチャーの控え。
良くくさらずにいられたよな。
あの頃の暴れっぷりは影をひそめてたけど、より力強く誠実になった感じがした。
「応援してるよ」

席を変えいろんな奴と入れ替わり立ち替わり話す。
他の野球部OBと話をしたら、そいつの子供はジュニア育成で有名な某スクールの最年少者で、「お前から目をかける様に言っといてくれよ!」と冗談とも本気ともつかない言葉をかけられる。
高校時代は殆ど話もしなかった女の子と話したら、これまた子供がさっきとは又違う某有名ジュニア育成スクールに通ってて、コーディネーションから接し方まで真剣に尋ねられた。
わかったよ、感謝する、テニスに。

翌週ガキのトラブル発生。
たまたま休みを取ってた奴は、相手の親御さんと先生と3時間以上の話し合い。
俺は珍しく仕事で、しかも抜けれず。
急いで帰ろうとしたら<もう寝るよ>とメール。
こんな夜に皆が寝静まってる家に帰るには、スイッチの切り替えが必要だ。

マスターに来てなかった2、3日のことをぽろぽろっと話して、自分の気持ちを外に出して見た辺りで常連がどかどかっと入って来て席を譲って店を出た。
店に入る前のボタボタ落ちて来た雨は、帰りに区役所通りを渡ってコマの前を抜ける頃には霙になってた。
皆寒さで家路を急いだのか、終電はやけに空いてる。
霙は雪に変わって、皮ジャンが真っ白になる位吹き付けられて家に着き、寝ている奴を「雪だよ」とゆする。
いつもはすぐ反応するのが、寝息をたてたまま。

悪いな、いつも任せっきりで。
大好きだよ。

2007.1.16
Kabukicho1


カテゴリー:STONES
2008/01/17 15:24

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筆者紹介:坂東海


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