Scene 201 [Sad iPod]
[Another Side of Tennis]
坂東海
Scene 201
[Sad iPod]
iPodが壊れた……。
リセットで復活で何とか騙し騙し使ってたけど、この間見慣れないアイコンが出て来た。
気を失ったんだか、めげたんだかした顔のiPod。
どうやら【Sad iPod】って言うらしい。
確かに悲しい。
ちぇっ、数年前の誕生日プレゼントにAppleStore限定のレーザー刻印を入れてもらったやつなのに。
「じゃあiPod Touchですね!」
確かに、Touchは欲しいって言ったし、新しいnanoの薄さと液晶の綺麗さに驚いたけど、
そんな顔するなよ。
と言う訳で家人の初代iPod shuffleを借りた。
昨日までは甲斐バンド、シオン、DYLAN、STONESの全アルバム、その他諸々をぶち込んで持ち歩いていたのに、これはたった120曲しか入らない。
(どうしようかなあ)と思案しながら入れたのは、SIONの新しい順での120曲。
朝のラッシュが終りかけた急行に乗って、独りだけの秘密に時めく感じで鞄から出した。
そしたらこいつがいい!
まず小さくて軽い。
首からかけるのは今日のカッコには合わないから止めた。
今聴きたい気分で選んだ120曲が沁みる。
「全カタログを持ち歩ける」「その日の気分で選べる」「全然聴いていなかった曲がシャッフルで飛び出して来る」
それはそれで素晴らしいけど、これも何かいい。
“足るを知れ”ってやつか。
とは言えもうすぐ、観れなかった腹癒せの甲斐バンドの紙ジャケ再発17枚+新ベスト1枚の計18枚一気買い分が届くからな。
足りないものは足りん!
でも好きなアーティストのアルバムが出ると、女もテニスもほっぽらかして家に帰って、ステレオの前に座り込んで朝まで何回でも繰り返したこと、WalkManを手に入れたら入れたで、どこでも同じ様に繰り返し聴いていたこと。
あの感覚は今でも残ってる。
流石に家に飛んで帰っても、スピーカーの前に座り込んでもないけど、新譜が出ればバーのカウンターで毎晩聴いてるし、iPodはリピートかけて聴いてるよ。
そんな初期衝動で言うと、初めてテニスコーチとしてコートに立った時の事も覚えてる。
それまで選手としてしか立って来なかったコート。
違和感は感じたけど、自然とデカイ声が出て、選手の時と同じ様に一生懸命ボールを追って、子供達と笑い合って楽しかったな。
そう、テニスコーチってのは打ち合って、ボールメイキングして、あるいはスコアメイキングして選手を育てて行く。
俺等をガキの頃相手してくれた“白髪ジジイ”は今も現役コーチ。
今度飯でも奢ってもらいに行こう。
話は戻って又iPod。
Shuffleのキャパに合わせて、初めて落語を入れてみた。
まともに聴くのは小学校以来だ。
電車の中で笑いそうになってコートの襟を立てて表情隠して聴いてたけど、すんげえ表現力に舌をまく。
お題は「しじみ売り」に変わった。
改札を出て地上に出た辺りで最後の佳境に入った。
歩きながら泣いちゃったよ。
(参ったな……)と歩いてたら、最後のオチで笑わされて泣き笑い。
こりゃはまったな。
2007.1.9
Kyounancho2
坂東海
Scene 201
[Sad iPod]
iPodが壊れた……。
リセットで復活で何とか騙し騙し使ってたけど、この間見慣れないアイコンが出て来た。
気を失ったんだか、めげたんだかした顔のiPod。
どうやら【Sad iPod】って言うらしい。
確かに悲しい。
ちぇっ、数年前の誕生日プレゼントにAppleStore限定のレーザー刻印を入れてもらったやつなのに。
「じゃあiPod Touchですね!」
確かに、Touchは欲しいって言ったし、新しいnanoの薄さと液晶の綺麗さに驚いたけど、
そんな顔するなよ。
と言う訳で家人の初代iPod shuffleを借りた。
昨日までは甲斐バンド、シオン、DYLAN、STONESの全アルバム、その他諸々をぶち込んで持ち歩いていたのに、これはたった120曲しか入らない。
(どうしようかなあ)と思案しながら入れたのは、SIONの新しい順での120曲。
朝のラッシュが終りかけた急行に乗って、独りだけの秘密に時めく感じで鞄から出した。
そしたらこいつがいい!
まず小さくて軽い。
首からかけるのは今日のカッコには合わないから止めた。
今聴きたい気分で選んだ120曲が沁みる。
「全カタログを持ち歩ける」「その日の気分で選べる」「全然聴いていなかった曲がシャッフルで飛び出して来る」
それはそれで素晴らしいけど、これも何かいい。
“足るを知れ”ってやつか。
とは言えもうすぐ、観れなかった腹癒せの甲斐バンドの紙ジャケ再発17枚+新ベスト1枚の計18枚一気買い分が届くからな。
足りないものは足りん!
でも好きなアーティストのアルバムが出ると、女もテニスもほっぽらかして家に帰って、ステレオの前に座り込んで朝まで何回でも繰り返したこと、WalkManを手に入れたら入れたで、どこでも同じ様に繰り返し聴いていたこと。
あの感覚は今でも残ってる。
流石に家に飛んで帰っても、スピーカーの前に座り込んでもないけど、新譜が出ればバーのカウンターで毎晩聴いてるし、iPodはリピートかけて聴いてるよ。
そんな初期衝動で言うと、初めてテニスコーチとしてコートに立った時の事も覚えてる。
それまで選手としてしか立って来なかったコート。
違和感は感じたけど、自然とデカイ声が出て、選手の時と同じ様に一生懸命ボールを追って、子供達と笑い合って楽しかったな。
そう、テニスコーチってのは打ち合って、ボールメイキングして、あるいはスコアメイキングして選手を育てて行く。
俺等をガキの頃相手してくれた“白髪ジジイ”は今も現役コーチ。
今度飯でも奢ってもらいに行こう。
話は戻って又iPod。
Shuffleのキャパに合わせて、初めて落語を入れてみた。
まともに聴くのは小学校以来だ。
電車の中で笑いそうになってコートの襟を立てて表情隠して聴いてたけど、すんげえ表現力に舌をまく。
お題は「しじみ売り」に変わった。
改札を出て地上に出た辺りで最後の佳境に入った。
歩きながら泣いちゃったよ。
(参ったな……)と歩いてたら、最後のオチで笑わされて泣き笑い。
こりゃはまったな。
2007.1.9
Kyounancho2
カテゴリー:KAI
2008/01/10 17:38













