Scene 198 [ひらひら]
誰でもこんな事を言った記憶があるだろう。
「だってみんな持ってるよ」
そして親父やお袋にこう言われた。
「みんなって言ったってカズヤとカッちゃんとトモちゃんだけでしょ!?」
ガキの時の"みんな"ってのは、小さな子供社会の中の更に小さな仲間のこと。
今考えればあながち嘘じゃなかったって気もする。
公園、空き地、校庭、駄菓子屋……日替わりのチープ・スリル。
「だって皆言ってますよ!」
若いコーチが口をとがらせてる。
どうやらスクールの新しい方針が気にくわないらしい。
こいつはいい奴なのに、何か変化があるといつも後ろ向きになる。
アイデアに溢れてる奴は、「こうしたい」「こうすればいいんじゃないか?」と、いつも前を向いて希望と提案、そして自分を語る。
アイデアに乏しい奴は、「前はこうだったのに」「あの人はこうだったのに」といつまでたっても後ろ向きに失望と不満、更に他人の批評と批判を繰り返す。
(まあ根はいい奴だからな)と諭しに入る。
「あのさあ、お前の言うみんなって何人?」「えっ……。あの人と……」「まあいいや。じゃあ話を変えて、お前の担当してる人が何人退会しちゃったら(うわっ!沢山やめちゃった……)って感じる?」「5人ですかね」「ふむ。大体この手の質問には5人か10人って答えるもんなんだよな。で、お前の担当人数は?」「今月は帰省で定番減らしてもらったんで30人です……あっ!?」「気付いたか?多い少ないの感覚なんてそんなもんなんだよ。もうガキじゃねえんだから、“みんなが”なんて幼稚な物言いしないで、もっと自分の考えとか突っかかって来いよ」「なるほど俺ってダサダサ君ですね。今晩呑みに連れて行って下さい!」「あのなあ……」
ある程度任せられる様になった奴に必ず言うことが二つある。
「人は3人以上になれば組織」
「何で女性週刊誌とか写真スキャンダル誌が売れるか」
最初の「人は3人以上~」は、やっぱり皆ガキの頃から経験してること。
仲良しの二人はいつも一緒で、こっぴどく喧嘩をしてもすぐにわかり合って仲直りしてたのが、そこに一人加わることで(相方をとられちゃうんじゃないか……)と疑心暗鬼になったり、二人だったら面と向かって言っていたことが、一人入ったことで愚痴ったり、陰口を言い出すってやつ。
次のはことある毎に話すかな。
殆どの奴が“語れる自分”ってのがなくて、他人の話で盛り上がるしかない。
その話もいい話だと「スゴイよねえ」「エライねえ」と一言二言で会話が続かないけど、悪口系は延々と続く。
悲しいけどそれが世間ってやつだ。
だから俺達みたいなスペシャリストはそうなっちゃいけないし、スタッフがそうならない様に導いてあげないといけない。
それでもガス抜きが必要になる時がある。
誰かが不平、不満を持っているのがわかったらそれを口に出させて、後はそれを上手くオフィシャルにして皆の問題としていい方向に持って行くしかない。
しかしまあこれはメビウスの輪だな。
気の置けない仲間がいて、酒が美味くなる行きつけのバーがあるだけで幸せってことにしておこう。
今晩は久し振りに拓郎でも聴くか。
2007.12.20
Kitasando
「だってみんな持ってるよ」
そして親父やお袋にこう言われた。
「みんなって言ったってカズヤとカッちゃんとトモちゃんだけでしょ!?」
ガキの時の"みんな"ってのは、小さな子供社会の中の更に小さな仲間のこと。
今考えればあながち嘘じゃなかったって気もする。
公園、空き地、校庭、駄菓子屋……日替わりのチープ・スリル。
「だって皆言ってますよ!」
若いコーチが口をとがらせてる。
どうやらスクールの新しい方針が気にくわないらしい。
こいつはいい奴なのに、何か変化があるといつも後ろ向きになる。
アイデアに溢れてる奴は、「こうしたい」「こうすればいいんじゃないか?」と、いつも前を向いて希望と提案、そして自分を語る。
アイデアに乏しい奴は、「前はこうだったのに」「あの人はこうだったのに」といつまでたっても後ろ向きに失望と不満、更に他人の批評と批判を繰り返す。
(まあ根はいい奴だからな)と諭しに入る。
「あのさあ、お前の言うみんなって何人?」「えっ……。あの人と……」「まあいいや。じゃあ話を変えて、お前の担当してる人が何人退会しちゃったら(うわっ!沢山やめちゃった……)って感じる?」「5人ですかね」「ふむ。大体この手の質問には5人か10人って答えるもんなんだよな。で、お前の担当人数は?」「今月は帰省で定番減らしてもらったんで30人です……あっ!?」「気付いたか?多い少ないの感覚なんてそんなもんなんだよ。もうガキじゃねえんだから、“みんなが”なんて幼稚な物言いしないで、もっと自分の考えとか突っかかって来いよ」「なるほど俺ってダサダサ君ですね。今晩呑みに連れて行って下さい!」「あのなあ……」
ある程度任せられる様になった奴に必ず言うことが二つある。
「人は3人以上になれば組織」
「何で女性週刊誌とか写真スキャンダル誌が売れるか」
最初の「人は3人以上~」は、やっぱり皆ガキの頃から経験してること。
仲良しの二人はいつも一緒で、こっぴどく喧嘩をしてもすぐにわかり合って仲直りしてたのが、そこに一人加わることで(相方をとられちゃうんじゃないか……)と疑心暗鬼になったり、二人だったら面と向かって言っていたことが、一人入ったことで愚痴ったり、陰口を言い出すってやつ。
次のはことある毎に話すかな。
殆どの奴が“語れる自分”ってのがなくて、他人の話で盛り上がるしかない。
その話もいい話だと「スゴイよねえ」「エライねえ」と一言二言で会話が続かないけど、悪口系は延々と続く。
悲しいけどそれが世間ってやつだ。
だから俺達みたいなスペシャリストはそうなっちゃいけないし、スタッフがそうならない様に導いてあげないといけない。
それでもガス抜きが必要になる時がある。
誰かが不平、不満を持っているのがわかったらそれを口に出させて、後はそれを上手くオフィシャルにして皆の問題としていい方向に持って行くしかない。
しかしまあこれはメビウスの輪だな。
気の置けない仲間がいて、酒が美味くなる行きつけのバーがあるだけで幸せってことにしておこう。
今晩は久し振りに拓郎でも聴くか。
2007.12.20
Kitasando
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2007/12/20 15:07














