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another side of tennis

[Another Side of Tennis] 坂東海

新宿ゴールデン街バーの片隅のテニスと音楽の与太話です。
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01

Scene 270 [目線を上げろ]

いつからだか新品のラケットにラケット全体を包み込みフルサイズのカバーが付いて来た。
そんなフルサイズのカバーを使った事はなく、と言って他の使い道もなくすぐ捨ててた。
周りでもそれは同じだった様で、直接バッグにラケットを突っ込んでいる奴が昔も今も殆どだ。
最近はビニール袋に入ってるのみで、カバーが付いて来ないメーカーもあるらしい。
(地球に優しくていいじゃん)位の感想だが、フルサイズのカバーという発想が今思えばテニス界的バブリーな発想だったんだろう。

「噛み合せを高くしたいから」
アルバイトテニスコーチをしていた時の後輩の親父さんに歯を診てもらってた時、こんな言葉を真に受けて、随分時間をかけて何本もの歯を削られて加工された。
確かあの頃は秋山選手とかプロ野球選手の間で、噛み合せとパフォーマンスの関係が注目されていた。
そんな時間と金をかけた歯だが、徐々に欠けたりして今大変だ。
当たり前だ、健康な歯を傷つけてたんだから。
まっ、これもバブルな時代の産物か。
救いは立派な歯医者になってる部活の後輩が、「先輩ならインプラントも滅茶苦茶安くします!」と言ってくれてる事位か。

いつの間にか自分が大嫌いな生き方をしてたり、「金じゃない」と言いながら「金でないものは見た事がない」と苦笑いしてたり。
全く上手くいかないぜ。

2009年2月7日、日本武道館の甲斐バンド。
「ここまでみんな生きて来たら振り返れば自分のスタイルになっているし、自分の味になっている。誇りを持ってほしい。目線を下げず、目線を上げる。目線を上げろ」
こんなMCがあった。
2009年秋、甲斐バンドのニューアルバムのタイトルは「目線を上げろ」。
タイトルチューンと言える「目線を上げて」は疾走感溢れるR&Rではなく、夕暮れの淋しさの様なイントロから始まるミディアムのバラッド。
徐々に熱を帯びて行くリフレインを聴きながら、俺はかろうじて明日への希望って奴を繋ぎ止めてる。

“目線を上げろ 胸をはれ 下を向くな 風を切り 目線を上げて 目を背けず 転がる自分を信じて 目線を上げろ 胸をはれ 下を向くな 風をかわし 目線を上げて 目を背けず 転がる自分を信じて”

2009.10.21
Nogawa Park


  続きを読む:Scene 270 [目線を上げろ]
カテゴリー:KAI
10/25 23:35
02

Scene 269 [Far East]

「何でそのネーミングにしたの?」
「FEN聴いてるとさ、何とかかんとかfar eastって言うじゃん-!
極東からトップを出すって意味も込めてあそこから」

極東ね。
今秋はそれを身に染みて感じた。
フェデラーの又してものドタキャン。
「遠いからなあ、いくら積まれても嫌になっちゃうんかなあ」
なんて通ぶったボヤきを何人からか聞いた。
そしてフェデラー欠場でトップシードのデルポトロの1R敗退。
「時差ボケも何だかなあだけど、二年連続で腹の調子が悪いってないんじゃない……」
N.Y.への飛行機では、喰っちゃ寝喰っちゃ寝の繰り返しのブロイラー状態で本当に遠いと感じるが、単発のトーナメントでこれだと確かにキツいよなあ。

そんな極東のタフネス・ヒロイン、杉山愛選手の引退と、クルム伊達公子選手の13年振りのWTAツアー優勝。
フェードアウトとフェードインの奇妙なタイムスリップ。
そんなカオスに立ち会えるのも素敵と考えよう。

さてマスコミ的には書き辛いトーナメントとなってしまったジャパン・オープンの土曜日。
ヒューイットがフルセットで負けて、これで更に扱い悪くなるなと考えてた後のツォンガvsモンフィス。
なかなかタイミングが合わず、練習しか観た事のなかったモンフィスの試合が観れると楽しみにしていたら、ツォンガが凄い。
200km超のサービスにこれでもかという位のハードヒット。
わおっ、いいものを見せてもらったぜ。
その後のサイン会で見せた、一人一人の目を見て微笑み、丁寧にサインして行く姿に心が温かくなった。
素晴らしい片手バックハンドのユージニーとの、明日の決勝戦は楽しみだ。

その後の男子ダブルス準決勝で負けたしまった岩渕聡・鈴木貴男ペアの試合後のインタビューで、「岩渕・鈴木」の終りに感極まり嗚咽を漏らした鈴木選手。
そして最後の女子ダブルス決勝を観ようと残った沢山の観客。
いい雰囲気だった。
いい雰囲気と言えば、ロイヤルボックスで裏方として働いていた元選手達。
ゲート付近でずっと出入りする人を迎えていた旧知のフェド杯監督。
全日程終了後、膝掛けやクッションを集めていた数名の女性プロ。
皆からスポンサードしてくれている人達への感謝の念を感じた。

悪くないよ、極東!
みんなおいで!

2009.10.10
Mutsumi
カテゴリー:Tennis
10/10 00:33
03

Scene 268 [Everythings gonna be alight!]

三日間連続でテニスのイベントに足を運んだ。

まずは年下のコーチからの誘いで、「スペシャルオリンピックス日本・埼玉大会」。
観戦し始めてすぐに選手達が短いボールを追わない事に気付く。
「横はOKなんですが、縦のボールが短い長い、スピードの判断が難しいそうなんです」と、年下のコーチが教えてくれる。
若干カルチャーショックを覚えて他の競技も観戦。
テニスが出来る選手に比べて障害の度合いが強いと聞いた水泳。
スタート前の仕草とレース中の見事な泳ぎっぷりに心底驚く。
そしてテニスというスポーツの難易度の高さ、自分が得意である故の無神経さを感じる。

翌日は「テニスの日」。
今年は有明の裏方。
友人のプロ達はレッスン、俺は赤い法被を着てウロウロ……まっ、いいか。
やはりメインは松岡修造氏。
彼と共に人が動き人だかりがする。
車いすテニスのコートでのレッスンを観る。
健常者相手と全く変らず速い球(と言っても手加減してるが)を打ち込んで行く。
打ち込まれた方も笑顔で次のボールに向かって行く。
そしてその次は隣の聴覚障害者テニスのコートに移動。
まず親指を立て皆の目を真剣に見つめた後、「一つだけ、ラケットは上、下に下げない、上」と、通訳の手話を通して常にヘッドを上にして構える事を伝えてレッスン開始。
やっぱり打ち込んで行く。
ミスしても矢継ぎ早にボールを送って行く。
「これがテニスの楽しさなんだよ!」
信念を貫く快さ、テニスを愛する人への平等な姿勢に感服。
12時10分、「全国一斉ボレーボレー」スタート。
彼は各ペアに声をかけ、10分間ノーミスの達成者12名には、ボレーボレー中の様子を一言添えて認定書を渡してた。
余談だが、彼は昨年のイベント中に“熱さ”に泣き出してしまった子に、後日手紙を送ったらしい。
懇親会で疲れた身体にビールを流し込んでいたら、目下の東レPPO仕様にデコレーションされた2番コートではサフィーナ選手がずっと練習していた。

翌朝、滅多に乗らない京浜急行で立会川。
二度目の「マナーキッズテニスプロジェクト」視察。
前回は単発イベントを観たが、今回は品川区の全公立小学校で実施と聞いて駆けつけた。
約30名のボランティアの方々が、テニスとテニスこそが伝えられるマナーを熱心に指導している。
気付けば俺もスーツ姿でコートを歩き回り、子供達に指導していた。
スペシャルオリンピックス、テニスの日、マナーキッズテニス。
大きい小さいあるが、どれも皆が手弁当で運営しているイベント。
いつかテニスという大きな括りで、皆が同じ場所で笑えます様に。

スーツでイベントに顔を出したのは、その後パーティーがあったから。
いつもこんな俺に懇意にしてくれてる社長がいるテニススクール専門会社の創業30周年パーティー。
昨夜もアタタカイ・ハートをありがとうございました。
心からおめでとうございます。

そんな三日間が終わり、今朝は布団から出れずにいると<今日の10時から東レPPO予選にウダンが出ますよ>とメール。
時計を見たらもう9時半。
車を飛ばしても到底間に合わない。
そのまま二度寝した後iBookを開くと、お隣韓国オープンで「クルム伊達公子が世界30位を破り8強入り」のニュース。
今日は錦織圭選手のジャパン・オープン欠場の正式発表もあるらしい。
焦りを抑えて次のチャンスを狙ってる感じがいい。
明後日日曜日の東レPPO開幕日は、今大会がラストの杉山愛選手の引退セレモニー。
本当にお疲れ様でした。

えっ!-Keiだけでなくフェデラーもジャパン・オープン欠場……。
えっ!-えっ!-韓国オープンQF「クルム伊達公子vsダニエラ・ハンチュコバ」は1stの1-5から7-6,4-6,6-4で伊達選手の勝利!

OK!OK!Everythings gonna be alight!
酒もようやく抜けていい気分だ。
日本テニス界の明日は明るい!

2009.9.25
Oohashi
カテゴリー:Tennis
09/25 23:59
04

Scene 267 [Repeat & Fade]

<杉山愛選手、引退するみたいですね・・・>
プレスリリースとほぼ同時に、テニスのプロでなくゴルフのプロからメールが来た。

相手がゴルフのプロと言う事で若干テニス界の人間らしく、<最近嫌な負け方が多かったからね>なんて返信したが、それでも彼女は最新ランキング世界71位。
ジュニア選手がジャンプアップして71位にランクインして来たのとは違うというのはわかるが、そのポジションに今現在彼女がいる意義はとてつもなくでかい。

以前「杉山選手は日本テニス界のランドマーク」だと書いた。
彼女はずっとそこにいてくれた。
日本と世界の距離感を保ってくれていた。
わからない人は、チームスポーツという違いはあるが、サッカーに置き換えてみればいい。
もしこの10数年W杯に一回も出れず中田も誰もいなかったらと。

Repeat & Fade

2009.9.10
minoru
カテゴリー:Tennis
09/10 16:08
05

Scene 266 [なるようにしかならないが]

「学校行事を撮るカメラマンって下手だと思ってたんだけど、実はあれって上手いんだよね」
「どういう事ですか?」
「俺なんかはアップでいかにいい表情を撮るかじゃない?ずっと狙ってて、ここだって時連写して一番いい表情を選ぶわけですよ。でもそれってその本人しか買わないでしょ?彼等は一枚の中にいかに多勢入れるかで、同じ一枚を何人もが買ってくれるんだよね。こっちはいい表情を撮る為に連写して一枚、向こうは一枚撮って何枚も売れるから」
「確かに端っこに小さく写ってても買いたくなる心理ってあるもんなあ。そういう“上手さ”もありなんでしょうねえ。話は変って、デジカメになっても一瞬を狙ってシャッターを切る感覚が勝負なんですよね?」
「勿論。そこは絶対負けません。まあデジカメになってそのあたりが甘くなってる人もいるけど」
いつものバーで初めて隣り合わせた、俺なんかよりずっとマスターと古い付き合いのプロカメラマン。
その後もショーケンを撮った時のエピソードを聞かせてもらったり、愉しませてもらった。

ニーズは余りに多様だ。
それに出費が絡めば、多様というよりは複雑にもなる。

「あれが欲しいけど金が足りないからこっちにしよう」
「最初はこの位にしといて後々グレードアップしよう」
「今回は全く手が出ないから諦めよう」

でも結局は自分に合った選択肢を選べばいいだけのこと。
選択肢にないものは選べないし、一つしか選択肢がないのならそれも致し方ない。
TV番組を観ててつまらなければチャンネルを替えて、観たい番組がなければ消す。
それが出来ずに「つまらない番組」の批評、批判するのはお門違いだよね。

テニスもそれは同じ。
フロリダに皆行ける訳じゃない。
フロリダに行けば誰でも強くなる訳じゃない。
自分に合った選択肢を選んだ後にどうするかだ。
いや、自分に合っていない選択肢だったとしても、その前に望んでいない選択肢だったとしても、そこでどれだけ目一杯やるかだ。
そうでなきゃ、どんな選択肢だっていつか、無いものねだりの都合のいいわがままに食い尽される。

気がつけよ。
お前は才能があるんだ。
困難が立ちはだかった時、叱られた時、怒られた時、誰かのせいにしないで、ちょっと自分を振り返ってみろよ。
お前に怒鳴った奴の気持ちがわかるか?
怒鳴られる前のお前の気持ちはどうだった?
やるべき事があるだろ?
わかってんのか、お前のことだ。
立てよ。
立ち上がれよ。

2009.8.25
Fujimi
カテゴリー:Tennis
08/25 07:07
06

Scene 265 [夏の轍 #2]

「足の裏で地面つかまえてから大きく振ってみな!」
これだけを言い続けてた家族旅行でのテニス。
毎朝二時間が精一杯だったけど、子供達は目に見えて上達してく。

軽井沢から帰って来た翌日。
今度は独り高速バスで山中湖へ。
母校の中学校の合宿のヘルプ。
iPodには“忌野清志郎 青山ロックン・ロール・ショー 2009.5.9 オリジナルサウンドトラック”。
バスが国立府中を通過するという時にかかっていたのは“多摩蘭坂”。
昨日は中学の同級生の親父さんである偉大なスイマーの訃報が報じられていた。
宿に入って、一週間ぶっ通しで参加のOBが4名と聞いて驚く。
そのうちの一人は先日打合せした強化ジュニアスクールの社長。
合宿はもう後半。
彼の喉は潰れている。
生徒達は聞いていた程はだらけていない。
そりゃそうだろう、このかすれ声だ。
どんな展開だったかはすぐわかる。
聞けば数日前の土砂降りの日は山中湖一周マラソンをさせたらしい。
朝のランニングから始まって、激しいドリル、厳しいトレーニング、全てが初体験だった生徒達は文句を言いながらも全員完走。
やりたくないこと、やらされたことでも、終ってやり遂げてしまえば、自分の糧になることがあると気付いただけでも、彼等がこの合宿に来た意義がある。
「お父さん、お前位の時にここ一周したんだぞ」と、助手席にいる子供に話しかける奴等の姿が見える気がした。
とは言え、練習で俺が発した言葉は「返事は!」「走れ!」が殆ど。
体育会系の締め付けでも何でもなくて、最低限の礼儀、集中力を示せない“テニス部の後輩”に何とか壁を越えてほしかったんだが、彼等に通じただろうか。
テニスは上手くなった分だけ、強くなった分だけ見える世界が変って来るんだからさ。

数日後、恒例の日比谷野音でのSION-YAON。
“たまらん事が多すぎる たまらん俺が多すぎる 誰にも見つかりたくないくせに お前に見つけてほしい どうなってんかな 三つから進歩なし”鬼は外/SION
先月末のシオンの友人である女性ロックシンガー、川村カオリの死。
“たまらん事が多すぎる”というフレーズを涙をこらえ切れずに振り絞る様に唄う姿に、グッと来る。
たっぷり聴いてたっぷり呑んで、気付けば打上げの席で友人は酩酊。
家人と娘と一軒で早々に退散……呑み出しが早かったんでそれでも6時間は呑んでるんだが。

そして翌日。
山中湖で一緒だった先輩のスクールのジュニアレッスンを観に行った。
息子を実験台に入会させ、効果測定。
最初から最後まで無駄のないハードなレッスン。
効率よく多人数を廻すとかそういうことじゃあない。
上手くなることだけでなく、強くなることを追求したシンプルで明るいエネルギーに満ちた空間。
(そうなんだよなあ……)と、得意の独りごち。
と、そこに先日の毎トー50歳以上男子複で優勝した先輩が訪ねて来た。
堅気の会社勤めをしているくせに真黒だ。
その辺の若手プロコーチよりも黒いかもしれない。
週何時間テニスやってんだ-!
からかい合い、突っつきあいゲラゲラ笑って、いつかみたいに手を振って別れた。

世間様はこれからお盆休み。
振り返った時、今年の夏の轍が楽しいものでありますように。

2009.8.9
Shiki
カテゴリー:SION
08/10 18:43
07

Scene 264 [夏の轍]

[Another Side of Tennis]
坂東海

Scene 264
[夏の轍]

細かく書き込まれて行くメニュー用紙。

「その場で前に踏み込んでのスマッシュ練習の後は後ろに下がりながらですか?」
「横に動くの入れてからにしたら?」
「最初はフォア側に走ってスマッシュ?」
「いや、最初はバックステップでバック側に動く方が簡単だよ」

夏の合宿の打合せ。
場所は某テニススクール。
話をしているのはその某テニススクールの社長と、WEBのフォローをしている奴だが、そこのジュニアの合宿の事ではなく、二人の母校の中学校の合宿のメニューについて。
某社長と俺、そして俺と奴とそれぞれ二つ違いの先輩後輩。

「こう肘のところに挟んでイメージ掴むチューブみたいなの作って持って行こうと思って」
「そう言えばシャトルランやるんだろ?音源とラジカセ持って行ってやるよ」

流石に某社長はジュニア強化スクールをやっているだけあって、正に打てば響くという感じでアドバイスをして行く。
もう一人の奴は普段はサラリーマン。
ガキが俺達の母校に受かってから、週末はずっと部活の練習を見てるらしい。

「サイドステップとか出来るかなあ」
「えっ!-スプリットステップはちゃんとしてるんだろ?」
「いやあ……。練習中にぱらぱらといなくなっちゃう位なんで」
「”ジュース買って来ます”っていなくなっちゃうんだって」
「ちゃんと言ってから行く奴はまだいいですよ」
「中学と高校で練習を分けてからみたいよ」
「だからこの“部則”作ったんだ。でもこれってOBが読んだ方がいいんじゃない?」
「そう言えば、F森さん毎トー50歳以上男子準優勝って凄いなあ。決勝の相手が坂本兄弟ってのもいいなあ。昔もうちょっと真面目にやってればねえ、と言ってもあだ名がヤニ森じゃどうしようもないか」
「K田も40歳以上女子優勝したって」

外のコートではジュニア強化クラスのレッスンが始まった。
いきなり若いコーチが子供達を叱ってる。
皆コートを出てランニングに行った。
暫くして戻って来た子に「どうしたの?」と聞いてみた。
「集合の時だらだらして喋ってたら怒られました!」
と明るく答えコートに走って行った。
そうそう、叱られた事だけを受け止めて落ち込んだりしないで、そうやって人の想いをちゃんと受け止めて切り替えないとな。

打合せはエネルギッシュにコミカルに?延々続く。
ふと見ると“トウシロ”の後輩の手元にはJTA出版のドリル集。
「お前勉強してるねえ!」
無償で人の為に尽くす草の根の活動をしている人はどの世界でも熱く、そして純粋だ。

毎日毎日沢山のレッスンをしているプロテニスコーチ。
その日常が金太郎飴にならないのは、毎レッスン毎レッスンで「観察〜承認」というコーチングの基本を真剣にするが故の創造、発見、驚き、感謝、それから生まれる感動があるからだろう。

今年も“熱い夏”がやって来た。

2009.7.25
Kashiwacho
カテゴリー:Tennis
07/25 12:21
08

Scene 263 [413man]

ウィンブルドンは又しても素晴らしい闘いを生み出した。
フェデラーvsロディック。
今回はフェデラー選手の復活、強さが目立ったが、決勝戦はロデッィク選手の復調、タフさに拍手を送りたい。
5セットほぼキープ(全部キープって言ったっていい位だ)、あんなに1stサーブって入れ続けられるものなんだ……と驚愕した。

最初は(ずっと観ていたい)という想いで、最初は二人を代わる代わる応援していた気がする。
途中、暴れん坊のガキが最近、「ひどい短気だったけれど、冷静になることを覚えて、チャンピオンになった」というナレーションが入るフェデラー&ウッズのNIKEのCMを心の糧にして、自分の欠点を直そうとしている事を思い出して、(そうだよ、勝ってもらわなきゃ困るんだよ!)とフェデラー選手を応援した。

どんなジャンルでもアイコンは必要だ。
全世界に通じるテニス界のアイコンと言えば、やはり当面はフェデラー選手なんだろう。
「いや!ナダルだよ!」とか、天の邪鬼に他の選手の名前を出しても、それは一般大衆には通じない。
テニスから離れて「ゴルフ界のアイコンは?」と言えば、殆どの人が「タイガー・ウッズ!」と答えるであろう事を考えれば良くわかる。
そして子供達は、大人みたいに固定観念に固執したり邪魔されたりせずに、それを見極める。
先月小学校の運動会を覗いた。
競技のBGMには流行りの歌が流れていた。
それがAquq Timezの“虹”になった瞬間、校庭全体から歌声が沸き起こった。

“大丈夫だよ 見上げれば もう 大丈夫ほら 七色の橋 やっと同じ空の下で 笑えるね”

目の前の1、2年生達も楽しそうに唄ってる。
(うわっ、すんげえ好かれてんだな、このバンド)と舌を巻いた。
「“ごくせん”の主題歌だからだろ!-」なんて言わないでな。
他にもタイアップの曲は沢山かかっていたんだから。
奴等はTVから垂れ流されている曲の中から、“虹”を選んだって事だ。

シオンが書いた“どんなに離れたって傍にいるから”が聴きたくて、関ジャニ∞の“PUZZLE”をiTunesに放り込んだ。
一曲やたらと引っかかる曲があって聴いていたら娘が、「この横山クンって本間さんだよ!」と得意げに言う。
ドラマ「ザ・クイズショウ」で、嵐の櫻井翔演じるMC神山悟を操るディレクター本間役を演ってた彼だ。
シニカルな役柄とは180度違って、おじいちゃへの想いを飾らずに自らの作詞で唄ってる。

“病院から帰ってきたじいちゃん 心臓の上キカイがついていた 痛くないのって聞いたら くったくのない笑顔で じいちゃんはスーパーマンになったと言った カッコよかった スーパーマン 僕の中ではじいちゃんです ちょっとはあなたに近づけてますか?”413man/横山裕

いい、とってもいい。
あなたに今スーパーマンはいますか?
いや、もしかしたらあなたが誰かのスーパーマンかもしれない……何てちょっとクサイか。

2009.7.10
Nishikanda1
カテゴリー:Tennis
07/10 23:37
09

Scene 262 [She’s The Boss]

久々にブヨに刺された。
気分転換に行った那須のゴルフ場。
右足38ヶ所、左足55ヶ所の計93ヵ所。
これがスコアならまだ良かったが……。
帰りの車の中で足はみるみるむくみ始め、ねじ切れる直前のソーセージみたいにぱんぱんになった。
今、13年振りのウィンブルドン、クルム伊達公子選手とキャロライン・ウォズニアッキ選手の試合を見ながら足を掻いてる。

ブヨに刺されたのは2週間前。
その間に訃報が三つ。
母方の一番上の伯母さんが逝っちまった。
88歳だったとは言え、ずっと元気でその日も朝からいろんな所に顔を出して、一旦家に帰り又出ようとしたところだったらしい。
車をすっ飛ばして又北に向かった。
全く苦しまなかったという事がわかる“最後の寝顔”。
「起きなよ」と心の中で声をかける。
お悔やみの後とんぼ返りで車を東京に向かって走らせてたら、大好きな若手プロテニスコーチのお父さんが亡くなったという知らせ……。
二日前に「やばいってさっき聞いて……」と絶句してる奴を呑みに連れ出したけど、こんなに早いとは。
何とか通夜に出ようと調整してるところに、今度はテニス部の後輩のお父さんの……。
清志郎、三沢のこともあってえらくブルーになる。
行きつけのバーのマスターもつい先日呑み屋仲間があの世に行っちまって、「もうこれ以上俺の仲間を削り取らないでくれよ」とぼやいていたっけ。

そんな事がありながらも、まだブヨに刺されたところは疼く。
生きてるって事が無様に感じる時がある。
18の時に逝っちまったあいつの事を想い出すと恥ずかしくなる夜がある。
(これが生きてるってことか)なんてうそぶいてみる。

伊達選手の試合の中継が始まる前、届いたばかりのTEACのターンテーブル&カセット付CDレコーダーで、1985年に出たShe’s The BossのレコードをCDに焼いてみた。
プレーヤーが壊れて聴けなくなってた24年前のアナログレコードをiTunesで聴く。
Lonely At The Topのエネルギッシュなサウンドとエモーショナルなボーカル。
Hard Womanの切なさとその裏っかわの皮肉。
(すげえなあ……)と改めて聴き入ってたら伊達選手が13年振りにウィンブルドンのコートに入って来た。

行けなくなった俺の代りに有明に行った家人からの「グラフに勝ったよ!」というコール。
そのグラフとの二日がかりのウィンブルドン準決勝。
でも何か軋みを感じさせていたあの頃の伊達選手。
このまま続けていたら……とは思えなかった引退。
それが今プロスポーツ界では考えられないブランクを一気に埋めて、13年前の何倍もポジティヴなエネルギーを発して彼女は聖地ウィンブルドンの芝生の上にいる。
クレバーな頭脳とガッツというエンジンで出来たライジングサンという名のタイムマシンを彼女は天才的なタイミングで動かしてここにいる。

“Japanese Tennis Girl Here To Stay”
彼女は世界に向けて全身でそう表現していた。
間違いなく彼女の生き方はかっこいい。
それをリアルタイムで観てる俺達も悪くない。
ねっ、伯母ちゃん、生きてるだけでもうけもんだよね。
現状を楽しまないとだ。

2009.6.23
Kashimacho
カテゴリー:STONES
06/25 23:11
10

Scene 261 [Just My Imagination]

画面上半分だけのフレンチが終った。

娘のシャドースイングすっぽ抜け事件で割れた液晶TV。
バラエティをヘラヘラ観てる時は、「いやあ、いい画面だ!」なんて娘を茶化して笑ってられたが、放送時間の殆どがコートを縦に捉え、画面下になる手前のプレーヤーがメインになるテニス中継は厳しい。
勿論WOWOWが視聴料を半分返してくれた……りはしない。

家人は「観れないなら解約してよ」とうるさい。
「ウィンブルドンもすぐだし、その後はUSオープンなんだよ」なんて当たり前の事を言い返してみるが、某国営放送でのウィンブルドン中継スケジュールがやっと出た今(某国営放送エライ!)、そりゃあ弱い。
仕方ないから「録画しておいてTV買い替えてから観るの!」と言おうとして、最近自分のリアルタイム主義に拍車がかかって録画したものはおろか、買って来たDVDもよっぽど気分が乗った時じゃないと観ない事に気付いて黙る。
周りからは、「そんなグダグダ言ってないでさっさと買い替えればいいじゃない」って言われるが、ハーフTVになった直後に「もう少ししたら46型以上がエコポイントで得」と聞いたり、話は戻るがテニス中継以外は1/2画面を愉しんでるんだから仕方ない。
まあ一番は先立つものがないって事なんだが。

そんな今年のフレンチTV観戦だったが、ソデルリングvsゴンザレス戦は見入った。
映らない下半分はイマジネーションでカバーして見入った。
ソデリング選手のコートをワイドに使ったボールメイキング、特にクロスは素晴らしい。
そしてそんなソデリングをストレートで退け、全仏初優勝で生涯グランドスラムを成し遂げたフェデラー選手、本当に素晴らしい。
新星は無責任にはやし立て、登り詰めた者は「墜ちて来い!」とばかりのネガティヴ・キャンペーンを繰り広げるマスコミ、そして浮気な大衆。
そんな事は気にしない様にしてるんだろうけど、辛かっただろうな。
これでこの一年間でフェデラー選手は、グランドスラム大会を二つ獲得。
ナダル選手とのタイトな試合はまだまだ続きそうだ。

ナダル選手と言えば、全仏敗退直後は膝の故障でウィンブルドン欠場かと言われていたのが、「世界のテニスで最も重要な日に100%のコンディションで臨むため、200%の力を注ぐ」と参戦表明。
本調子かどうかちょっと心配だけど良かった。

えっ-!「クルム伊達公子、13年振りにウィンブルドン本戦出場決定」!!
これは「タイムマシンにお願い」じゃないんだぜ!現実だぜ!
TV買うか!-

2009.6.10
Nasu
カテゴリー:word
06/10 14:49
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