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another side of tennis

[Another Side of Tennis] 坂東海

新宿ゴールデン街バーの片隅のテニスと音楽の与太話です。
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01

Scene 195 [Eight Days A Week]

呆れた。
子供とテニス出来る場所がない。
アメリカなら金さえ出せば何とかなったがそれさえも無理らしい。
ガキの頃入会していたクラブを訪ねてみたが、「お父さんはクラブに入会出来ますけど、お子さんは他の方のご迷惑になるのでスクールのみOKです」……。
おいおい、俺が日本にいない間に日本テニス界は、いや日本は、寛容さとか包容力を失っちまったのか。

そんな事を考えてた歯医者の待ち合わせ室。
後から幼子二人を連れたお母さんが入って来て、2歳位の娘に童話の読み聞かせを始めてほのぼのとした空気が流れ出した……と思いきや余りに声がデカ過ぎる。
でもそこは子供との大事なコミュニケーションだし、童話だから長い訳ないしとスルー。
すると今度は小学校高学年の女の子とお母さんが入って来た。
長椅子の一人分の空きスペースには小学生の女の子が座って、一緒に来たお母さんは立って本を読み出した。
そしてまだ3才位の男の子も小学生もDSを始め出した。
子供に席を譲らせない親と、空いてる席に自分でなく大きな子供を座らせる親。
どっちもどっちだな。
物は与えられても彼等に本当に必要なものは与えられない。

結局ガキとのテニスは土曜のレッスン後のコート。
奴は独りで電車に乗ってはるばる横浜まで、俺の土曜の最終レッスンを受けに来る。
そのレッスンが終って日付が変わる頃から、俺達のテニスが始まる。
真夜中の誰もいないテニスコートで、小学生6年生の息子とテニスしているのが幸せなのか不幸せなのか知らんが、とにかくこの一瞬の為に毎朝7時から26時迄働いてるんだ。

そして今日蝮谷。
日本テニス界の未来が見たくて仕事を調整してやって来た。
学生達が明るくきびきびと動いて運営しているのが気持ちいい。
知り合いの若いコーチが、アルバイトコーチを連れて観戦に来てるのを見つけて嬉しくなる。
古い悪友が何とか最終試合に間に合って横に座った。
客席は満員とは言えないが、平日の午後でこれなら十分だ。
派手なプレーがある訳でも、割れる様な拍手がある訳でもないが、選手の真剣さと観客の質の高さが心地よい緊張感を生んでいる。
試合後懐かしい顔を見つけて話しかけたら、奴は今はこの大学の助監督。
全くテニス界は狭い。
そこに加わって来たトーナメントディレクターの総監督に挨拶してコートを後にした。

「蝮谷の階段ってこんなにきつかったっけ-!」
「とりあえず呑みに行くか?」
「そうしたいんだけど、昨日トラブっちゃってて会社行かないとなんだ。お茶でどう?」
「そりゃ仕方ないね」
「しかし本当きついな、この坂」

2007.11.22
Mamushidani
カテゴリー:Tennis
11/29 15:01
02

Scene 194 [隣のテーブル]

横須賀迄帰る友人が帰って独りのカウンター。
小野リサのボサノバが心地良い。
最近心を痛めてる事をマスターに話してみるが、自分に有利に話をしている気になって話題を変える。
そこに常連が入って来た。
いつも通りデカイ声でマスターに話かけだす。
あまりに声がデカイのと、誰と目を合わす訳でもなく、ちょっと顎を上げてマスターの頭の上のボトル棚を見ながらって感じの話し方で、横から茶々を入れる気にもならない。
でも他の客にテンションは出してるんで、マスターがトイレに行って二人だけになると居心地悪そうにしてる。
マスターが戻って来るや否や又話出す。
(もういいや……)と席を立った。

この間読んだゴルフの本にこんな言葉があった。
「隣のテーブルに会話をこぼすな」
レストランでの食事、ラウンジでの一杯がセットになってるゴルフらしい言葉だけど、正くその通りだ。
まあ色艶がない声の奴は、大体が夜を泳ぐセンスがないから仕方ない。
「お前は昼の世界じゃ無力なくせに」と言われればそれまでだが。

でもね、隣のテーブルならまだいいんだよね。
これが同じテーブルだと……。
テニスって名のテーブルで目がドルマークになってる奴と話すのは気分が悪い。
小手先の話じゃなくてもっともっと大きな話をしないとだ。
とは言え目がドルマークになってても、テーブルにつくだけの活力がある奴は心の奥底にテニスへのシンパシーが垣間見える。
問題はテーブルについても話さない、いやテーブルにつけない奴だ。
「育児に大切なのは関心と時間」と言われる。
「育児」を「育成」に置き換えてもそれは全く同じだ。
あのガラガラの全日本の客席。
首都圏の指導者、選手の何%が観戦に行ったんだろう。
「関心と時間」の両方は必要じゃあない。
「関心」があれば「時間」は作れる。
「無関心」だから「機会」を作らないんだ。
そういう奴に限って俺等の見知らぬテーブルで陰口を叩くから始末が悪い。

バーに寄る前の呑み会で、隣にいたテニスクラブオーナーの携帯が鳴った。
クラブに良く練習に来る選手からの全日本優勝報告を兼ねてのお礼の電話だった。
「良かったですね」と答えるのを見ていて幸せな気分になった。
もうちょっとこのテニスってテーブルで呑んでみるか。

2007.11.21
Nishishinjuku1
カテゴリー:Tennis
11/22 11:30
03

Scene 193 [破れたハートを売り物に]

「でもハートが破けたら又くっつければいいんだよね-!」

まだ娘が2-3才の冬だったか、今はどでかいマンションになってる自宅側の工場の万年塀沿いを散歩してた時の一言。
ガキって奴はキャッチーなメロディ、言葉、リズムに敏感だ。
俺が聴いてる古い歌の中でも、教えた訳でもないのに流行った歌に興味を示す。
良く「あいつらは売れ線狙いで-」と皮肉ったりするけど、それは頭でっかちな感性かもしれない。
まあとにかく娘と手をつないで、「♪破れたハートを売り物にして 愛に飢えながら一人さまよってる♪」と唄ってたら、「ハートって破けるの?」と聞いて来て、「うん、大きくなって悲しい事があると破けるんだよ」って返事した後の娘の一言。
恋の痛手を受けちゃあ、しょっちゅう世界中の悲しみを背負った様な面してたくせに、確かにあの頃何度も破けたハートはくっついてる。
とは言え、喜びはリアルに蘇って来ないのに、痛みって奴は瞬時に蘇って俺をあの時に連れて行きやがるからな。

「お前さ、蝮谷のチャレンジャー観に行くんだろ?」

古いテニス仲間からの電話。
US OPENに憧れてNYに渡って紆余曲折で今日本テニス界に帰還した奴。
ずっと歯を食い縛ってジュニア育成して来て、今トラブルをラッキーなターニングポイントにしつつある奴。
そして俺。
「頑張ってたよ」なんて慰めをされれば睨み返してた頃からの付き合いの俺等は、「大学から世界を!」という大会を観ながらどんな話をするんだろう。
俺は今、夢の形がすり変わってしまう事があるのも知ってる。
でも無様でも夢というナイフを腹の中に呑んでいられるのも知ってる。
そしてその夢がてめえを諦めの悪い臆病者にすることがあるのも知ってる。
そんな俺でも「若手男子にチャンスを!」という運営サイドと、単純に勝負に賭ける選手の熱い想いにグッと来るんだろう。

そして今夜。
俺は奴とガキ二人、四人で渋公の最前列ど真ん中にいる。
耳慣れたストリングスのイントロが流れて、シンガーがGibsonのアコギをかき鳴らしながら唄い出した。
ガキが横でニコニコして手拍子を取りながら、♪破れたハートを売り物にして♪と唄ってる。
1981年、ませてから初めてのハートブレークをして、次の恋に夢中になって学校が終ればいつも神宮外苑に駆け付けてた秋に出た歌。
オリジナルはシンプルな歌詞とメロディに溢れ出るアフリカンパーカッション。

“生きることを素晴らしいと思いたい”

あの頃どこにでも書きなぐってた言葉。
そうなんだよな。

2007.11.11
CC Lemon Hall
カテゴリー:KAI
11/15 10:27
04

Scene 192 [猿]

“何でもできると思ったのは 何にもしてない時だった 猿みたいな顔で生まれ 猿みたいな顔で死んでゆく 何でもできると思ったのは 何にもしてない時だった 肩を怒らせ睨みを利かして 何か怖いものでもあるのかよ” 猿/SION

「お前さあ覚えてる?リハ終った後とか呑んでるとお前が急にいなくなってさ、俺とあいつでいつも金払ってたの。生まれも暮らしもパンクじゃないくせにルードボーイ気取ってたにせよ、こっちは惨めで、全く酷かったよ」

「あなたの才能を信じてずっと応援してたけど、あなたはいつも私が傷つく様な言葉ばかり投げかけた。それはもういいけど今も自分を信じれてるの?」

「俺はお前に一生付いて行こうと思ってたんだぜ」

「何だかんだあんたの彼女全部知ってるけど、皆いい子ばっかだったよねえ。あんたが酔っ払ってる陰でフォローしたり。そういうのわかってんの?」

“明日にまわせる明日はもうない 泣こうがわめこうがもうない 誰の顔が浮かぼうが消えようが 誰が生きない奴の為に生きるか” 猿/SION

「“インハイ迄で選手を止めた俺なんて”と言いながら、それなりに広い顔でいい気分になってるんじゃねえだろうな。“あのタレント俺のダチのダチ”って言ってる奴と一緒になるなよ」

「相変わらず細いパンツ穿いてるじゃん。まあ俺は今じゃ太っちゃって薄くなって来てだけど、その分お前よりもらってるってはずだ。お前いくらもらってる?そうだな、そんなもんだ」

「“金じゃない”ってのはカッコいいけど、今のお前がいる場所はどう見てもそうじゃない。スーツ着る様になったらなったでWhite-Collar気取ってるんだろうけど、いい加減外見と中身、外面と内面のギャップを何とかしたらどうだ?」

「同居でもめてるって言ったって、そんなの見え見えの話だし、そもそもお前にはお袋さんの血が流れてるんだから、お袋さんと同じことをお前もどこかでしてるんだよ」

“何でもできると思ったのは 何にもしてない時だった 猿にも劣る思いやりと 猿にも劣る学習能力で 何でもできると思ったのは 何にもしてない時だった 肩を怒らせ睨みを利かして 何か怖いものでもあるのかよ”猿/SION

死んだ親父が何度も俺に繰り返した言葉は“自分を大事にしろよ”。
焼酎を呑みながら目はTVの方に向けたままつぶやく様に言ってた言葉を今口にしてみる。
あいつと二人のガキ、“おれの家族”の顔が脳裏に浮かんだ。

2007.11.3
Enmeiji
カテゴリー:word
11/08 16:47
05

Scene 191 [でこぼこテニス]

都立公園の駐車場。
土日はいつも大混雑で最近拡張したけど、平日は拡張部分はおろか以前からある駐車場もガラガラ。
その拡張した駐車場の車縦2台分で娘とテニスしてみた。
これが奇麗に舗装されて、ラインもきっちり引いてあって、おまけにだだっ広いから、ボールが遠くに行っても、そこが又車縦2台分でコートになる。
短いラケットでロープレッシャーボールの娘には十分どころかうってつけ。

“子供のハンスが学ばなかったことを大人のハンスはとても覚えられない”ドイツ諺

“8才までにいろんなスポーツをやった方がいい”というのはプロのスポーツコーチなら誰でも知っていること。
プロテニスコーチの僕も子供達にテニスだけをやらせるのでなく、いくつかのスポーツを体験させて来た。
テニスもブランコ、キャッチボールをする“でこぼこ”の公園でやった。
でもね、ここでちょっと厄介だったのは、中学生の時にテニスを始めて今プロテニスコーチという、テニスする環境に不自由せず思う存分にテニスして来た自分。
子供が集中してないとイライラしたり、“でこぼこ”のグラウンドでのテニスに違和感感じたり、挙句の果ては(休みの日位ゆっくりしたい)とやる気が出なかったり…。

子供達も最近はテニスらしくなって来たこともあって、流石に“でこぼこ”よりは平らな所がいいらしい。
僕は僕で皆がテニスしやすい時間にレッスンしているから、当然子供とのテニスは難しい。
長男が小学生になってからは、いつでも家族で一緒って訳にも行かなくなったのもそれに拍車をかけてる。
「じゃあ近くのスクールに通わせよう」と、自転車圏内のテニススクールをいくつか見て回ったけど、自分自身が部活、スクールで通常練習に加え、朝練、休日練習とやりたいだけテニスしていたから、週1でそれもたった1時間となると預ける気になれない。
まあその前にそのスクールは、酷いレッスン内容で預ける気にならなかったんだが。
正しく親バカとテニスコーチバカ。

そんな僕を又“でこぼこ”の公園に連れて行くのは子供達の笑顔、いや催促。
週休日の火曜日。
長男が「2時半に帰って来て友達と遊びに行くからね!」と登校。
娘と図書館に行ってから近くの都立公園へ。
16面あるテニスコートは何面か空きコートがあった。
「来週から火曜日はここでテニスしようか-!」
言葉が勝手に飛び出した(そうだよな、2時半からでも3時間はテニス出来るじゃん)。
娘は「うん!」と笑顔。
帰宅した長男も「OK!」とにっこり。

そして今日。
長男は「やっぱ今日は友達と遊びに行く!テニスは来週からね!」と登校。
子供には子供の社会があるからそれも仕方ないかと、娘と自転車のカゴにラケットを差して公園に行ったらあっさり超満…。
とっさに「コートは一杯だけど小さい子がテニス出来る場所があるってさ」と辺りを見回したら…そう、いつも気にもしない臨時駐車場が目に入ったって訳。

“でこぼこ”の公園で、やる気がないながらにも“優秀なプロコーチ”としていくつか試してみた結果、“でこぼこ”特有の条件を活かして、単なるボール遊びをテニスらしく、尚且つアグレッシブな感覚を身につけさせる方法はこれ!

[1]親はサーブで球出しするが、スマッシュの要領で思いっ切り地面に叩きつける
これは「テニスはサーブから」という当たり前のことを理解出来て、バウンドが高いことで子供が反応する時間が得られて、バウンドの理解にもつながるんだよね。
そして何と言っても大事なのは、バウンドが高いからイレギュラーしても追い付けるのと、叩きつける時の爆発音で子供が喜ぶってことだな。

[2]子供は全てフォアでボールを待たずにすぐ打つ
トップ選手の試合は「先にバックを打たされない様にフォアで攻めまくる」要素が多いけど、その感覚プラス握りかえと将来のフォアの両手、片手選択わずらしさからの解放。
「待たずにすぐ打つ」は高い打点で云々もあるけど、「-しないといけない」という先入観のない子供達はこれで、自然にボレーを混ぜたりアメーバみたいに柔軟にプレーする。
そして何と言ってもすぐ打とうとしてるから反応が速くなって、イレギュラーもへっちゃら。

たったこの2点だけですぐ上手くなるよ。
名付けて“でこぼこテニス”!
お試しあれ!

2007.10.30
Sakurazutsumi3
カテゴリー:Tennis
11/01 16:46
06

Scene 190 [奇跡のバランス]

<いつもお世話になっております。今月発売号の(明後日発売)トップ特集はいつもの技術物ではなくて、AIGジャパンオープンという皆さんが知りたい記事になってます。面白いので是非読んでみてください。今後も大会記事は前に持ってくるようにしたいと思います。>

先月だったか、「ダメじゃん、あの誌面の作り!“テニスプレーヤー”の為だけでなく“テニスファン”の為の記事も頼むよ!」「確かにアメリカのテニス誌は技術解説はないんですけど、英語がわからない僕がペラペラ捲ってるだけでも楽しいんですよねえ」「“これであなたもバックハンドの達人!”もいいけど、貴男vsフェデラーとかああいう場面こそ、きっちり記事にするべきだ」「すぐには難しいけど、記事の配置を変えるのは確かにいいんで考えてみます」と、「トップにプロツアー記事を持って来い!」とリクエストした流れでの、某テニス誌編集者からのメール。

いいじゃん!こうじゃなきゃな!
何度も言うけど、テニスはもっともっと語られていいスポーツだ。
スコアやフォームといった目に見えるものだけじゃなく、メンタル、コロシアムの雰囲気、そして試合前後の様子…。
トップ選手が、週一プレーヤー、ジュニア選手と同じ落とし穴に陥ったり、逆にトップ選手がフッと表情を変えてギアを上げる…。
そんな瞬間のドラマを見てみたい。

こう書いてて急に高3の夏を思い出した。
インターハイ前のレッスン。
女子のインカレ選手と練習試合をしている時だった。
急にボールのバウンド感覚とラケットを振り出すタイミングが合わなくなって、試合というよりはテニスにならなくなった。
それはすぐ治まってインターハイへ。
初日を勝ち残って、翌日は近くのインドアコートで練習。
翌々日の試合が始まったら、又ボールのバウンド感覚とラケットを振り出すタイミングが合わない。
引率の顧問は苦笑いで諦め、東京から応援に駆け付けてくれた後輩は困惑。
その時は「試合がクレーなのに前の日にカーペットで練習したからかなあ」と言い訳したり、(一日目が終った後隠れて呑みに出た罰-!)と考えたけど、今となってはあれが“イップス”だったんだ。
試合のコートに入る瞬間にふっとトランスする感覚が好きだった。
プレッシャーがあるのは当たり前で、「緊張しちゃって…」何て言い訳はしたことがない。
それでも心と身体の奥底に隠れていやがった臆病さが“イップス”を呼んだ。

何て、かっこ良く言い過ぎだな。
こんな俺でも今まで誰にも言ってなくて、おまけに忘れてたちっぽけなドラマがある。
東京の正反対、地球の裏側のテニスコートでもプレーしてるプロ選手達には、語り尽くせない数々のシーンがあるはずだ。
それが一つでも多く、俺等の眼に触れるといいな。

そして各テニス誌に関わる方々!せめてせめて、グランドスラムの時位は優勝トロフィーを掲げてるプレーヤーの表紙を捲ったら、誌上レッスンじゃなくて誌上観戦といかないかい?
その点某誌が今回、フェデラー欠場でもジャパンオープンを国内最大の大会としてトップに持って来たことに拍手!

2007.10.19
Sagamiono
カテゴリー:word
10/25 17:25
07

Scene 189 [グッドフラストレーション#2]

「でもマジで体育の日ってさ、10月10日ってイメージだよな」
「10と10、“とお”って開けっぴろげさ?」
「でも俺等の頃は運動会が春なんて考えられなかったけど、今はウチのガキの行ってる小学校も春だからねえ」
「まあもはや"体育"って学校の授業って意味しかないもんね。あっ、あと国体か」
「"体育"をスポーツに置き換えても、ガキの頃やってたスポーツを続けてる奴も殆どいないし、せいぜいゴルフ?」
「あれっ-!そう言えばゴルフスクール始めたんじゃなかったっけ?」
「そう、ドームに野球観に行く時は寄って」
「へえ-そうなんだ。じゃあ今はゴルフ教えてんの?」
「あのね、いくら俺がFuckin' Greatなプロテニスコーチだからって、ゴルフは教えられまへん!ちゃんと若くて優秀なコーチがいるよ」
「じゃあ何してる訳?」
「名ばかりの支配人。お爺さんは山に名ばかりに…。はいはい、とにかくウチのコーチは誠実でいいよ。10数人面接して残った3人だからね」
「誠実、不誠実の話で行くと、同じスクールでも某英会話スクールとんでもないね」
「あれさあ、周りにもすごい迷惑かけてるんだよ。新規オープンのスクールは、クレジットカードを取り扱いたくても、クレジット会社が“習い事”ってことだけで審査もしてくれないんだぜ。勿論ウチもそう」
「あのね、このタイミングで恥ずかしいんだけどあそこウチのガキが通ってて、問題になる前から妻に“無駄だから辞めちまえ”って言ってたんだけどなかなか辞めなくて、今回のでやっと辞めた」
「それはさあ、“自分の呑み代は出しても子供の教育費は出さないくせに”っていう無言の抗議じゃないの?」
「まあね。でもね今回辞める時も酷かったよ。妻がフロントで“辞めたい”って言ったら“明日迄に届けを出して”と来たんだけど、えらく忙しそうだったから“電話でもいいの?”と気を利かせたら“OK”で帰って来て翌日電話したら、“電話は無理”、“電話でいいって言われた”って言っても、“対応したのはアルバイト。以前は辞める時は前々月の3日迄に手続きだったが今はそれより遅くした。とにかく辞めれない”だって」
「で、どうなったの?」
「“上に相談する”って言ってそのまま」
「あそこ末端の奴等への給料の支払が遅れちゃってんでしょ?」
「そうそう、どこでも下っ端はつらいねえ」
「君の場合、単純に仕事してないから金もらえてないだけだと思うけど!-」
「そして名言“お金と仕事は淋しがり屋だからある所にしか行かない”かあ」
「だから逆にウチへのツケはたまる訳ね。やっとわかったよ!」
「あいたたた!今夜の分は払うよ」
「じゃ俺はお先に」
「おっ珍しい!始発までいればいいのに。これで連載2回分位のネタたまったか-!」
「至らぬ世話だ!」

2007.10.9
Hanazono3
カテゴリー:word
10/18 11:15
08

Scene 188 [グッドフラストレーション]

「最初ビールちょうだい。おっ、久し振りです。ジャパンオープン観に行きました?」
「友達と行こうって言ってたんだけど、結局行かなかったんですよ」
「なんだ、俺土曜に行ったんだけど結構いい席二枚余らせちゃったんですよねえ」
「え-っ、言ってくれれば…」
「いやっ、でもね余ったのは当日で、しかも原因は嫁姑の争い」
「出たね、ここのウチは良く戦うからね。はいよ、お疲れい!」
「横から余計なチャチャ入れない。じゃお疲れです」
「それで?」
「うん、上のガキが前の日熱出して学校休んだんだけど、当日の朝は下がったし婆ちゃんに面倒見てもらうと何かと煩いから、有明まで車で行きゃあ問題ないだらうと…」
「そしたらそれに文句言って来た?」
「そう、しかも俺とガキ二人はもう車に乗ってる時に妻に『おかしいんじゃないの!』と来て、『シカトして行こうぜ』って言ったんだけど、妻は『当てつけで二人で残る!これで行ったら帰って来た時の態度最悪なの目に見えてるし!たった一言でどれだけ皆が傷つくかわからせる!』って感じで」
「う-ん、同居はやっぱ難しいねえ」
「『大丈夫大丈夫行こう』って言ったら、『いいの!12年間変わらないんだから!しょせん息子には甘くて、息子に言えない分嫁に当たるのよ!』と矛先が徐々にこっちに…」
「当然それを挽回するギャグも飛ばせなかったと…」
「そっ。娘は『早く行かないと試合終っちゃう…』って泣き出すし、でも当の本人の息子は全然気にしてないし。結局娘と二人で電車で行った」
「有明とかお台場って電車だとかったるいですよねえ」
「うん、だから着いたらいろんな意味の解放感でビール一気に三杯呑んだ」
「それ正解」
「で、肝心の試合は?」
「わざわざ聞く程の試合な訳?」
「うん、今年はフェデラーっていう世界No.1選手が来るはずだったのに、直前に欠場になっちゃったんですよ」
「あれね、フェデラーは今奥さんが全てマネージメントしてて、彼女がストップかけたみたいよ。確かに本人は疲れてたんだけど、やっぱプロだから出ようとしてたらしいね。俺酒チェンジ」
「で、試合は-!」
「マニアックな意味で面白かったかなあ。俺の席からはヴィーナスが1stセットからコートチェンジの度に、右足の付け根を親指で押さえてベンチに戻って来るのが見えてて、(いつ影響が出るのかなあ)とかね」
「娘さんは退屈だったんじゃないの?芝生広場のイベントとかで遊ばせたの?」
「娘は最近『テニスやりたい!』って言い出してて、一昨日もラケット持って行こうとする位で、着いたらイベントで遊ばせようとしてたんだけど、ヴィーナスの試合が始まるところだったから、イベントやってるのを横目にコロシアム入ってそのままになっちゃったのね。そしたら帰りに『テニスやりたかった』って言い出してさ。まあ夕方だったから本人もそれ以上言わないで帰ったんだけど、知り合い二人がそのイベント仕切ってたって昨日知ってさあ。全く皆くだらない連絡はして来るくせに肝心な時は連絡して来やしねえ。あっ二人のうち一人は皆良く知ってる奴ね。そうそうあいつ。で、あともう一人はこにには一回しか来たことないけど、俺が明け方会社に仮眠しに帰った後もマスターと他の店で8時位迄呑み続けて、マスターが心配だからって駅まで送った奴」
「珍しく今日はテニスの話を延々とするねえ。何かあるんじゃないの?」
「いやっ別に…」
「そうかなあ、大方コラムだかエッセイだかのネタがなくて、ここで話したことをそのまま使おうとしてるんじゃないの?」
「………。そう言えば今日体育の日だよねえ?」
「ハッピーマンデーにわざわざ変えるから雨降るんだよ。10日は降らないってデータがあるんだよね…ってだまされないよ!」
「チェッ」

2007.10.8
Hanazono3
カテゴリー:Tennis
10/11 20:44
09

Scene 187 [ドタキャン]

八王子駅から八王子市民会館への一本道。
わくわくしながら歩いて行くと、“同じ人種”とおぼしき奴等が冴えない表情でこっちに歩いて来る。
(---)となりつつも会館まで歩いて行くと、友人が待ってて「甲斐がぶっ倒れて中止だって」。
後で、[フェアリー]のPVの撃たれるシーンを収録中にガードがずれ胸の上で直接火薬が爆発した事で、心臓に水が入ってライヴ当日の朝に体が動かなくなったと聞いたけど、八王子では、(「這ってでもステージに出る」と言ってたバンドが何故…)と、信じられない気持のまま八王子の居酒屋で呑んだくれた。
でもね、振替公演は滅茶苦茶熱かった。
今でも覚えている、1985年のこと。

次は横浜。
奴と車でロッド・スチュワートを観に行った。
会場の隣のパーキングに入れようとしたけど、「まだ時間あるし…」とちょっとぶらついた後、新横浜の方から会場の方に車を走らせていたら、何か後ろがうるさい。
バックミラーにはパトカー。
で、すったもんだの挙句切符切られた…。
でもガキの頃から好きだったのに、タイミングが合わなくて観れなかったロッドを観れるんだからまあいい…勿論本当は良くない…ちきしょーっ!ロッド盛り上げてくれよ!
車から降りて横浜アリーナに行ったら、ガランとしてて誰もいない。
そして公演中止の貼り紙。
どうやら、数日前から中止広告を新聞でうってたらしい。
確か振替公演はなかったけど、数年後にやっと観れた時は、二階が暗幕で覆われた武道館のオープニングで、「Get Back」をかまして来てカッコ良かったな。
最後の曲でバンドが後奏をしてる中、イヤフォンを外してジャケットのポケットに入れながら、振り向きもせずにさっさとステージを降りて行ったけど。

そして今夜、千葉の田舎町の美味い蕎麦屋。
今日の仕込みと明日からの大会への乾杯をした直後のメール。
<フェデラー欠場ですよ…>
「まじですか-!」「今年はガキにフェデラー観せてやろうと思ってたのに」「せっかくのロイヤルボックスがあ!」「連戦の疲れが原因みたいよ」「俺だって疲れてますよ-」「みんな疲れてるよねえ。と言う訳で俺東京帰っていい?」「代りは誰か来るんすか?」「フェレール、ガスケ、ヴィーナスだって」「ふ-ん…えっヴィーナス-!」「フェデラー1人分でその3人呼べるってこと-!」「すいませ-ん!天草のボトルと割り用に緑茶下さ-い!」

トラブルとハプニングの後は、それ故に燃え上がらないとね。
What’s Up!Japan Open 2007!

2007.9.28
Higashishinjuku
カテゴリー:KAI
10/04 21:18
10

Scene 186 [Night Tripper]

家人が遅くなるとのことで娘の迎え。
調子に乗って連日タクシーで帰ってたことと、子供達の為に何とか作った自分の料理の出来の悪さに呑む気にもなれず、家人の帰宅も待たずに子供達と寝た。
翌日は長男を野球に送り出した後、「焼き鳥食べる?」と娘を誘って吉祥寺でデート。
井の頭公園でブルーム・ダスター・カンのブルースを聴きながらビールと考えていたら、娘のリクエストでまずはボート。
ボートに乗って、野外音楽堂の方に漕いで行ったらご機嫌なブルースが聴こえて来て、力強いステップで唄うブルーム・ダスター・カンの姿が見えた。
久々に池の真ん中から見る井の頭公園は、何か懐かしくて(今日は時間は気にしないで「帰る」って言うまで遊ばせてやろう)なんて気になる。

ボートを降りてそのまま真っ直ぐ動物園に入る。
昔はビーバーがいて、小学校の頃は毎週の様に観に来てたんだよなあ。
象の“花子”を観て、猿山の奥のチープな乗り物、出口側の遊び場と言われるがままに付き合って、「お父さんブルースマンの所行きたいんでしょ?」の声で又池の畔へ。
気がつけば夜の帳が下り始めてて若干暗くなっている。
(公園条例とかでこの時間はもう音出せなかったりして…)
案の定、ブルーム・ダスター・カンの姿はない。
娘はちょっと離れた大道芸が好きなもんだから、そっちに走って行く。

(まあいいや、ちょっと観たら[いせや]寄って帰ろう)
離れた所から、集中して観てる姿を見てたら又(「帰る」って言うまで観せてやろう)って気になって、暫くボーッとしてたら[いせや]の店の前に行列が出来始めてる。
(まあカウンターに二人なら何とかなるだろ)と再びボーッとする。
結局帰る時には、井の頭公園への階段の半ば迄の行列。
勿論並ぶ気にはならず、どこかで呑む気にもならず帰宅、そして21時に寝床へ。

二夜連続で素面で寝たのが悪いのか23時に目が覚めて、とても又寝れない。
(今から終電で新宿に行くか…あっ、皆で揃えたユニフォームが受け取れてないんだ。明日のイベントで着ないと!)
不在票を鞄から出して電話。
渋谷支店なんだけど倉庫は品川区勝島。
「今から取りに行くから用意しておいて」と、車に乗り込んで山手通りを下る。
先日横浜でスクールをオープンさせた奴とこの道を走った時に、奴が「ここ絶対美味いと思うんだよね」と言ったワンタン屋はそう美味そうには見えなかった。
(やっぱ俺のレストランのチョイスにはかなわないってことだな)

空いてる道がR15を越えて倉庫街に入ると、空いてるって言うよりは“刑事ドラマで事件が起きる場所”って感じになる(当たり前だ、本当にそう言う場所でロケしてんだから)。
所狭しとトラックが停まってる倉庫で、でかい段ボール3箱を受け取った時は25時半。
皆が喜ぶ姿を思い浮かべて、ちょっといい事した気分でアクセルを踏み込む。

9/24、エストーレのセンターコートでは11スクールの代表選手が、テニスの日「全国一斉ボレーボレー大会」に正しく128名一斉にトライした。
代表選手らしく狭いスペースをラケットを短く持って柔らかいタッチで楽しんでいた。
あの時に「全国一斉ボレーボレー大会」のやり方を説明したスクールのコーチが着ていたadidasのいかした黄色のジャケットとチャコールのパンツ。
あれ、俺が取って来たんだぜ!…って全然いばれないし、オチもないじゃん。
ふん!俺が言いたいのは、「ブルースと寝酒は大事」ってこと!

2007.9.23
Kanda
カテゴリー:Tennis
09/27 12:01
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