[Another Side of Tennis] 坂東海
新宿ゴールデン街バーの片隅のテニスと音楽の与太話です。
01
Scene 159 [You Gotta Move]
この間酔っ払った某テニススクール社長(って言っても同い年だ)に一方的に聞かされた話の中で、奴がJTAのカンファレンスで紹介された、アメリカの元副大統領アル・ゴアの[不都合な真実]が頭から離れなくて読んでみた。
読み始めてすぐに、もう十年以上前になるのか、キースの言葉が頭に浮かぶ。
「俺達は自分達のガキにちゃんとした環境を残さないといけない。俺達のエゴでボロボロになった地球を奴等には渡せないだろ?」みたいなニュアンスだったはずだ。
もっともジャンキーの代名詞のキースに対してインタビューアーは、「地球の健康より貴方の健康の方が問題では?」と切りかえしたらしいが。
[不都合な真実]の内容云々は書評家じゃないんで言わない。
そこには、俺等がずっと前から薄々気付いていた事が、冷静に分析、提示されていて、「You Gotta Move」という、静かだけど熱い囁きがあるだけだ。
いや、“薄々気付いていた”ってのが問題なんだよな。
この本は多分、講演用にkeynote(Mac用プレゼンテーションソフト)で作られたデータが基になっている。
そのプレゼンで、一番最初に大きく強調される言葉はこれだ。
「災いを引き起こすのは、“知らないこと”ではない。“知らないのに知っていると思い込んでいること”である」マーク・トウェイン
ちょっと前に出たロバート・B・パーカーのジェッシイ・ストーン・シリーズ最新作[訣別の海]は、ある殺人事件が最後は、父親の自分の娘に対する“虐待”という結末で終る。
そこでジェッシイは「胸が悪くなる」と言いながら、「やるべき仕事をやるだけだ」と事件の解決に向かうが、事件の全容が見えて来た時にこういう会話がある。
「カネが人をだめにするわけじゃない」ジェッシイが言った。「自分が、自分をだめにするんだ。カネは破滅を蔓延させるのに役立つだけだ」
「私はお金を持ったことがないから」ケリー・クルスが言った。
「俺もだ。しかし、カネが実際そうしているところは見たことがある」
二人が黙っている間、通話中の回線の、音のないエネルギーが二人の間に漂っていた。
「このまま、捜査を続けてくれ」ジェッシイが言った。
「ええ、そうするわ」
「あれ以上悪くなり得ないと思っていた」
「今、なってしまったわ」
「それも、非常に」ジェッシイが言った。
どっちの本も俺なんかじゃどうしようもない大きな欲望が渦巻き、読んでいて不安になる。
でも作者が、主人公が誠実に立ち向かう姿を見て、もやもやした不安も怒りも諦めも一緒くたになった気分が和らぎ、ちょっと踏み出して見ようかという気分になる。
誰だって酷い目に会いたくないし、愛しい者を酷い目に会わせたくない。
でも“ちょっとなら”と考えてやっていることが、実は物凄い単位で、とんでもない速さで破滅に向かっていることが多々あるんだろう。
日本だけで大流行の砂入り人工芝は、リサイクル方法がまだなく、引っぺがされた物はどこかの山林に廃棄されるらしい。
それは他の産廃物と同様に楽しくプレーしてる人達には見えないし、わからない…。
<近所の小学校の机と椅子の足取付用にセットボール千個寄付したんですよ!>
猿に似た若いコーチからメール。
そうそう、まずは出来ることからやらないとな。
自分達でリサイクルは出来なくても、リユースは出来るもんな。
えっ?俺かい?
俺はさ、この冬極力暖房入れなかったし、入れても20度。
って言うか、寝静まった家で独りの為に電気つけるってのは環境に優しくないだろ?
だから夜な夜なゴールデン街で呑んでおいたよ。
今夜も、じゃなくて今朝も明るくなって電車が空いてからご帰宅だ。
うん、何だ?あのカメラマンの数は?
お-そうか、今日は都知事選の告示ね。
頼むぜ!政治家さんよ!
で、あんた等は誰の為に何をどうしたいんだい?
2007.3.22
Shinjuku Nishiguchi Ekimae
※ アル・ゴア[不都合な真実]:ランダムハウス講談社
※ ロバート・B・パーカー[訣別の海]:早川書房
読み始めてすぐに、もう十年以上前になるのか、キースの言葉が頭に浮かぶ。
「俺達は自分達のガキにちゃんとした環境を残さないといけない。俺達のエゴでボロボロになった地球を奴等には渡せないだろ?」みたいなニュアンスだったはずだ。
もっともジャンキーの代名詞のキースに対してインタビューアーは、「地球の健康より貴方の健康の方が問題では?」と切りかえしたらしいが。
[不都合な真実]の内容云々は書評家じゃないんで言わない。
そこには、俺等がずっと前から薄々気付いていた事が、冷静に分析、提示されていて、「You Gotta Move」という、静かだけど熱い囁きがあるだけだ。
いや、“薄々気付いていた”ってのが問題なんだよな。
この本は多分、講演用にkeynote(Mac用プレゼンテーションソフト)で作られたデータが基になっている。
そのプレゼンで、一番最初に大きく強調される言葉はこれだ。
「災いを引き起こすのは、“知らないこと”ではない。“知らないのに知っていると思い込んでいること”である」マーク・トウェイン
ちょっと前に出たロバート・B・パーカーのジェッシイ・ストーン・シリーズ最新作[訣別の海]は、ある殺人事件が最後は、父親の自分の娘に対する“虐待”という結末で終る。
そこでジェッシイは「胸が悪くなる」と言いながら、「やるべき仕事をやるだけだ」と事件の解決に向かうが、事件の全容が見えて来た時にこういう会話がある。
「カネが人をだめにするわけじゃない」ジェッシイが言った。「自分が、自分をだめにするんだ。カネは破滅を蔓延させるのに役立つだけだ」
「私はお金を持ったことがないから」ケリー・クルスが言った。
「俺もだ。しかし、カネが実際そうしているところは見たことがある」
二人が黙っている間、通話中の回線の、音のないエネルギーが二人の間に漂っていた。
「このまま、捜査を続けてくれ」ジェッシイが言った。
「ええ、そうするわ」
「あれ以上悪くなり得ないと思っていた」
「今、なってしまったわ」
「それも、非常に」ジェッシイが言った。
どっちの本も俺なんかじゃどうしようもない大きな欲望が渦巻き、読んでいて不安になる。
でも作者が、主人公が誠実に立ち向かう姿を見て、もやもやした不安も怒りも諦めも一緒くたになった気分が和らぎ、ちょっと踏み出して見ようかという気分になる。
誰だって酷い目に会いたくないし、愛しい者を酷い目に会わせたくない。
でも“ちょっとなら”と考えてやっていることが、実は物凄い単位で、とんでもない速さで破滅に向かっていることが多々あるんだろう。
日本だけで大流行の砂入り人工芝は、リサイクル方法がまだなく、引っぺがされた物はどこかの山林に廃棄されるらしい。
それは他の産廃物と同様に楽しくプレーしてる人達には見えないし、わからない…。
<近所の小学校の机と椅子の足取付用にセットボール千個寄付したんですよ!>
猿に似た若いコーチからメール。
そうそう、まずは出来ることからやらないとな。
自分達でリサイクルは出来なくても、リユースは出来るもんな。
えっ?俺かい?
俺はさ、この冬極力暖房入れなかったし、入れても20度。
って言うか、寝静まった家で独りの為に電気つけるってのは環境に優しくないだろ?
だから夜な夜なゴールデン街で呑んでおいたよ。
今夜も、じゃなくて今朝も明るくなって電車が空いてからご帰宅だ。
うん、何だ?あのカメラマンの数は?
お-そうか、今日は都知事選の告示ね。
頼むぜ!政治家さんよ!
で、あんた等は誰の為に何をどうしたいんだい?
2007.3.22
Shinjuku Nishiguchi Ekimae
※ アル・ゴア[不都合な真実]:ランダムハウス講談社
※ ロバート・B・パーカー[訣別の海]:早川書房
カテゴリー:word
03/22 16:54
02
Scene 158 [下から2番目の男]
解雇された。
「お前は大丈夫」と、一週間前取締役に言われてたのに、今日いきなりだ。
この時期は年棒更新で毎年良くある話。
でもそれが俺自身の話になるとは努努思わなかったが。
ずっとこの業界一筋で生きて来て、後厄も終ってこれだもんな。
無理やり前職と言えば、大学時代のテニスのコーチ。
とは言っても俺は大した戦績もないし、おまけに指導歴もそれだけで戻るも何もない。
第一ずっとあの世界で生きてる仲間達に失礼だ。
もしあいつに相談したらきっと、「マスコミで派手に金稼いで使って来た奴が、今更他の仕事は出来ねえだろ?同じ世界で生きて行くしかないんじゃないの?」って言うな。
“この街で仕事を見つけ 正直に働いてきた だけど周りのお偉方 俺に出すサインはNo Good! ここでは俺はイエスマン 従うだけのイエスマン 意気地なしでは勤まらない 厚顔無恥の大都会 陽気に生きてくことさえ こんなに難しい 街角では浮浪者達の ホンキィトンク”
こんな歌詞が浮かんで、俺はGoogleで検索。
“小山卓治”
俺がコーチのバイトをしてる頃、やたら聴きまくってライヴに行きまくってた時期の、ファーストから3枚目迄を全曲唄うライヴがあるらしい。
俺は今ガーデンプレイスを通り過ぎてちょっとの、小洒落た建物の地下にいる。
アコギをメインに生ピ、エレピも使って卓治は独りで唄い継いで行く。
俺の頭に浮かんだフレーズ、[No Good!]はオリジナルのR&Rでなく、ブルージー。
何回聴いたか、何人に聴かしたかわからない[Passing Bell]でグッと来る。
“昔からみんなに優しい男と呼ばれてた 疑うことも知らずにあの子と一緒になったんだ この春に生まれた子供にあいつの名をつけた ありふれた暮らしのどこが悪いんだい こんな目に会うくらいなら 死に急いだやつが利口だ 息子の魂のために グラスを上げてくれ”
そして2部のラスト。
“ウソっぱちの履歴書で俺はやっと雇われた だけどだまされたのはどうやら俺らしい 絶望的なノルマがいつだって俺を急きたてる こんな調子じゃ週末に1杯やる余裕もない 最悪とまではいかないが ここぞってとこで決まらねえ 俺は下から2番目の男
主任はいつもイライラして俺達に当たり散らす 社長ときたらどんなやつかさえも知らない だけど俺の方がましだと思うようなやつもいる 口答えもせずドジを踏みうろたえるグズ野郎さ 最悪とまではいかないが ここぞってとこで決まらねえ 俺は下から2番目の男
俺はバッチリめかしこみ土曜の夜飲みに出た 一張羅に酒をこぼしたおっさんをぶん殴った 月曜の朝俺は突然 事務所に呼びだされ 俺に殴られた顔をはらした社長に首を切られた 最悪とまではいかないが ここぞってとこで決まらねえ 俺は下から2番目の男”
へへへっ、かっこいいじゃん、相変わらず。
RCと吉川晃司、ロケッツとのイベントで、西武球場で演った時のオープニングだったなあ。
OK!OK!辞めてやらあ!あんなところ!こっちから願い下げだあ!
“報われる夢をつかむんだ”
“いくつもの夜が過ぎて いくつもの朝を迎え 俺達ここで生きていかなければ ちっぽけなカーニバルに乾杯”
2007.3.11
Ebisu“switch”
※文中引用した楽曲:作詞・作曲 小山卓治
[No Good!][Passing Bell-帰郷][下から2番目の男][カーニバル]
「お前は大丈夫」と、一週間前取締役に言われてたのに、今日いきなりだ。
この時期は年棒更新で毎年良くある話。
でもそれが俺自身の話になるとは努努思わなかったが。
ずっとこの業界一筋で生きて来て、後厄も終ってこれだもんな。
無理やり前職と言えば、大学時代のテニスのコーチ。
とは言っても俺は大した戦績もないし、おまけに指導歴もそれだけで戻るも何もない。
第一ずっとあの世界で生きてる仲間達に失礼だ。
もしあいつに相談したらきっと、「マスコミで派手に金稼いで使って来た奴が、今更他の仕事は出来ねえだろ?同じ世界で生きて行くしかないんじゃないの?」って言うな。
“この街で仕事を見つけ 正直に働いてきた だけど周りのお偉方 俺に出すサインはNo Good! ここでは俺はイエスマン 従うだけのイエスマン 意気地なしでは勤まらない 厚顔無恥の大都会 陽気に生きてくことさえ こんなに難しい 街角では浮浪者達の ホンキィトンク”
こんな歌詞が浮かんで、俺はGoogleで検索。
“小山卓治”
俺がコーチのバイトをしてる頃、やたら聴きまくってライヴに行きまくってた時期の、ファーストから3枚目迄を全曲唄うライヴがあるらしい。
俺は今ガーデンプレイスを通り過ぎてちょっとの、小洒落た建物の地下にいる。
アコギをメインに生ピ、エレピも使って卓治は独りで唄い継いで行く。
俺の頭に浮かんだフレーズ、[No Good!]はオリジナルのR&Rでなく、ブルージー。
何回聴いたか、何人に聴かしたかわからない[Passing Bell]でグッと来る。
“昔からみんなに優しい男と呼ばれてた 疑うことも知らずにあの子と一緒になったんだ この春に生まれた子供にあいつの名をつけた ありふれた暮らしのどこが悪いんだい こんな目に会うくらいなら 死に急いだやつが利口だ 息子の魂のために グラスを上げてくれ”
そして2部のラスト。
“ウソっぱちの履歴書で俺はやっと雇われた だけどだまされたのはどうやら俺らしい 絶望的なノルマがいつだって俺を急きたてる こんな調子じゃ週末に1杯やる余裕もない 最悪とまではいかないが ここぞってとこで決まらねえ 俺は下から2番目の男
主任はいつもイライラして俺達に当たり散らす 社長ときたらどんなやつかさえも知らない だけど俺の方がましだと思うようなやつもいる 口答えもせずドジを踏みうろたえるグズ野郎さ 最悪とまではいかないが ここぞってとこで決まらねえ 俺は下から2番目の男
俺はバッチリめかしこみ土曜の夜飲みに出た 一張羅に酒をこぼしたおっさんをぶん殴った 月曜の朝俺は突然 事務所に呼びだされ 俺に殴られた顔をはらした社長に首を切られた 最悪とまではいかないが ここぞってとこで決まらねえ 俺は下から2番目の男”
へへへっ、かっこいいじゃん、相変わらず。
RCと吉川晃司、ロケッツとのイベントで、西武球場で演った時のオープニングだったなあ。
OK!OK!辞めてやらあ!あんなところ!こっちから願い下げだあ!
“報われる夢をつかむんだ”
“いくつもの夜が過ぎて いくつもの朝を迎え 俺達ここで生きていかなければ ちっぽけなカーニバルに乾杯”
2007.3.11
Ebisu“switch”
※文中引用した楽曲:作詞・作曲 小山卓治
[No Good!][Passing Bell-帰郷][下から2番目の男][カーニバル]
カテゴリー:Music
03/15 16:52
03
Scene 157 [ヒートポリシー]
「マイケル・ジョーダンが引退記者会見の時にさ、「バスケットは引退後どう役立つのか?」っていう質問と、「世界中の子供達へのメッセージは?」っていう質問、「自分が上達の為に最も大事にしたことは?」っていう3つの違う質問に、どれも同じことを答えたの知ってる?知ってる訳ないか-!あのさあ、どれにも「バスケットは人を敬うこと、努力することを教えてくれた」っていう意味合いの答えをしたんだってさ」
奴は西が丘で今日明日テニス協会の講習。
田舎から出て来てるから今夜は新宿に泊まるんで、呑む相手に俺を呼び出した。
まだ時間が早くてゴールデン街って感じじゃないんで、久し振りにお多幸でおでん。
ちくわぶジャンキーの俺はひたすらちくわぶで麦酒。
おでんはちくわぶとじゃがいもとしらたきと爆弾だけでいい。
おでんの爆弾は、爆弾=玉子派と爆弾=巾着の中にいろいろ入ってるやつ派に別れるみたいだけど、俺は爆弾=玉子!シンプルなゆで卵!
玉子派もさつまあげ?の中に玉子が入っている派が主流らしいが。
「[不都合な真実]って知ってる?地球温暖化問題をゴアってアメリカの元副大統領が、あっお前ゴアってマグマ大使のことだと思っただろう-!まあそれはいいや。本も映画も観た方がいいみたいだぜ。本は増刷、増刷だってさ。で、何で[不都合な真実]の話かっていうと、オーストラリアン・オープンがやばいらしいんだよ。今年シャラポアが41度の中試合したってあったじゃん。ヒートポリシーもあるけど、あんなのしょっちゅうみたいよ。気温だけじゃなくて紫外線も相当キツイから、控え室には日焼け止めが山積みになってて、選手もボールパーソンも全身ムラ無く塗らないと大変なことになるんだって。ボールパーソンは帽子にサングラスに長袖だもんね。帽子は後ろにタオルみたいなのが垂れてるもんなあ。これで地球温暖化でもっと気温が高くなって行ったら、テニスどころじゃないぜ。外にも出れなくなるよ。日本でもさ、テニスプレーヤーの眼ににくじゅしゅだっけなあ何だっけなあ、とにかく紫外線障害がすげえ増えてるって。特にキャリアの長いコーチはやばいみたい。ここ数年夏はサングラスしてないとレッスン出来ないもん。日本人って感性が中坊だから、サングラス=不良とか態度悪いってイメージで、サングラス嫌う人多いみたいね。横浜銀蝿じゃないんだから。せめて浜田省吾くらいのイメージになんないかねえ。そうか!協会が浜田省吾使って「アウトドアのテニスはサングラスをかけよう!」とかやればいいんだよ!
あっそうだ!タイガー・ウッズの話もしたっけ?あいつって相手が勝敗を決めるパットを打つ時とかに、相手のことを応援するんだってさ。(外せ!)とか期待してると入った時にがっかりするじゃん-!だから相手に左右されない様に、いつも相手のことを応援するらしいぜ。期待ってのはこっちが勝手に決めることで自分の都合だから心理学的にはNGワードらしいよ。講師が上手い例えしてたけど、タクシーの運ちゃんは(長距離の客に当たらないかな…)って期待してるから、ワンメーターの客に当たるとブスッとしちゃうんだよ。だからいいタクシーの運ちゃんは、急いでる客だったら(何とか時間に間に合う様にしよう!)って応援するタイプらしいね。まあ(長距離の客来い!)って期待するのはわかるよなあ。でも俺そういう運ちゃんに当たって「-まで」って言って返事しないと椅子蹴るもんね」
お前さあ、いつまで喋ってんの?
そろそろゴールデン街も動き出す頃だから、河岸変えるか?
俺は独りで呑むのも好きなんだよなあ…。
お前ホテル帰って今日のまとめでもした方がいいんじゃない?
えっ?予約してない-!朝まで呑む?
マ-ジ…。
あっCメール。
<25時過ぎに合流する>………最低………。
誰かお願いだからこいつらに、ヒートポリシーを適用してくれ。
2007.2.25
Shinjuku3
奴は西が丘で今日明日テニス協会の講習。
田舎から出て来てるから今夜は新宿に泊まるんで、呑む相手に俺を呼び出した。
まだ時間が早くてゴールデン街って感じじゃないんで、久し振りにお多幸でおでん。
ちくわぶジャンキーの俺はひたすらちくわぶで麦酒。
おでんはちくわぶとじゃがいもとしらたきと爆弾だけでいい。
おでんの爆弾は、爆弾=玉子派と爆弾=巾着の中にいろいろ入ってるやつ派に別れるみたいだけど、俺は爆弾=玉子!シンプルなゆで卵!
玉子派もさつまあげ?の中に玉子が入っている派が主流らしいが。
「[不都合な真実]って知ってる?地球温暖化問題をゴアってアメリカの元副大統領が、あっお前ゴアってマグマ大使のことだと思っただろう-!まあそれはいいや。本も映画も観た方がいいみたいだぜ。本は増刷、増刷だってさ。で、何で[不都合な真実]の話かっていうと、オーストラリアン・オープンがやばいらしいんだよ。今年シャラポアが41度の中試合したってあったじゃん。ヒートポリシーもあるけど、あんなのしょっちゅうみたいよ。気温だけじゃなくて紫外線も相当キツイから、控え室には日焼け止めが山積みになってて、選手もボールパーソンも全身ムラ無く塗らないと大変なことになるんだって。ボールパーソンは帽子にサングラスに長袖だもんね。帽子は後ろにタオルみたいなのが垂れてるもんなあ。これで地球温暖化でもっと気温が高くなって行ったら、テニスどころじゃないぜ。外にも出れなくなるよ。日本でもさ、テニスプレーヤーの眼ににくじゅしゅだっけなあ何だっけなあ、とにかく紫外線障害がすげえ増えてるって。特にキャリアの長いコーチはやばいみたい。ここ数年夏はサングラスしてないとレッスン出来ないもん。日本人って感性が中坊だから、サングラス=不良とか態度悪いってイメージで、サングラス嫌う人多いみたいね。横浜銀蝿じゃないんだから。せめて浜田省吾くらいのイメージになんないかねえ。そうか!協会が浜田省吾使って「アウトドアのテニスはサングラスをかけよう!」とかやればいいんだよ!
あっそうだ!タイガー・ウッズの話もしたっけ?あいつって相手が勝敗を決めるパットを打つ時とかに、相手のことを応援するんだってさ。(外せ!)とか期待してると入った時にがっかりするじゃん-!だから相手に左右されない様に、いつも相手のことを応援するらしいぜ。期待ってのはこっちが勝手に決めることで自分の都合だから心理学的にはNGワードらしいよ。講師が上手い例えしてたけど、タクシーの運ちゃんは(長距離の客に当たらないかな…)って期待してるから、ワンメーターの客に当たるとブスッとしちゃうんだよ。だからいいタクシーの運ちゃんは、急いでる客だったら(何とか時間に間に合う様にしよう!)って応援するタイプらしいね。まあ(長距離の客来い!)って期待するのはわかるよなあ。でも俺そういう運ちゃんに当たって「-まで」って言って返事しないと椅子蹴るもんね」
お前さあ、いつまで喋ってんの?
そろそろゴールデン街も動き出す頃だから、河岸変えるか?
俺は独りで呑むのも好きなんだよなあ…。
お前ホテル帰って今日のまとめでもした方がいいんじゃない?
えっ?予約してない-!朝まで呑む?
マ-ジ…。
あっCメール。
<25時過ぎに合流する>………最低………。
誰かお願いだからこいつらに、ヒートポリシーを適用してくれ。
2007.2.25
Shinjuku3
カテゴリー:word
03/08 18:53
04
Scene 156 [Keep Us Happy!]
語るに落ちる、言葉なんていらない夜がある。
パーパーパーパーくだらないジョークを飛ばしてる中でふとこぼれ落ちる言葉がある。
三軒目のバーのカウンター。
奴がポケットの中からくしゃくしゃの紙を取り出す。
俺は与太話を続けながら、サインして返す。
何の紙だかはここじゃ言わない。
何年前だったか、確かクリスマス前後の夕暮れ。
独りでジョン・レノン・ミュージアムに行って、最後のFINAL ROOMで涙がにじんだ後、出口を出たところで奴からメール。
その時の目の前のブルーのイルミネーションを今でも思い出す。
翌日小便横丁の寿司屋で落ち合った。
「大変だったね」
それだけで俺等はいつも通り呑んだ。
テニス好きの親父さんは、寿司を握りながらやたら気遣ってくれたっけ。
二丁目で呑んで終電で帰ろうと、靖国通りと明治通りの交差点を渡っている時に、奴の彼女に携帯を鳴らされたこともあった。
奴と喧嘩して独り途方にくれてるとのことで、靖国通りを駆けて迎えに行って、二軒目に向かった俺の仲間と合流して朝まで呑んだ。
おまけに締めのラーメン屋で喧嘩もしたな。
そこで一番やり合った女と忘れ物の受渡しか何かで、その晩奴も一緒に3人で飯喰ったって聞いた時は呆れたよ。
ゴールデン街で3人で呑んだ回数は数えるのもバカらしい。
初めて連れてってやったのはいつだっけ?
今度3人で呑む夜は忘れられない夜になるかな。
“くるみ”でも聴きながら乾杯しよう。
勿論KAIヴァージョンな。
当然奢れよ。
俺のポケットには穴があいてて、宵越しの金なんか持ってたことがないんだしよ。
とにかく良かった。
おめでとう。
I need a love to keep me happy!Keith Richards
2007.2.27
Nishishinjuku2
パーパーパーパーくだらないジョークを飛ばしてる中でふとこぼれ落ちる言葉がある。
三軒目のバーのカウンター。
奴がポケットの中からくしゃくしゃの紙を取り出す。
俺は与太話を続けながら、サインして返す。
何の紙だかはここじゃ言わない。
何年前だったか、確かクリスマス前後の夕暮れ。
独りでジョン・レノン・ミュージアムに行って、最後のFINAL ROOMで涙がにじんだ後、出口を出たところで奴からメール。
その時の目の前のブルーのイルミネーションを今でも思い出す。
翌日小便横丁の寿司屋で落ち合った。
「大変だったね」
それだけで俺等はいつも通り呑んだ。
テニス好きの親父さんは、寿司を握りながらやたら気遣ってくれたっけ。
二丁目で呑んで終電で帰ろうと、靖国通りと明治通りの交差点を渡っている時に、奴の彼女に携帯を鳴らされたこともあった。
奴と喧嘩して独り途方にくれてるとのことで、靖国通りを駆けて迎えに行って、二軒目に向かった俺の仲間と合流して朝まで呑んだ。
おまけに締めのラーメン屋で喧嘩もしたな。
そこで一番やり合った女と忘れ物の受渡しか何かで、その晩奴も一緒に3人で飯喰ったって聞いた時は呆れたよ。
ゴールデン街で3人で呑んだ回数は数えるのもバカらしい。
初めて連れてってやったのはいつだっけ?
今度3人で呑む夜は忘れられない夜になるかな。
“くるみ”でも聴きながら乾杯しよう。
勿論KAIヴァージョンな。
当然奢れよ。
俺のポケットには穴があいてて、宵越しの金なんか持ってたことがないんだしよ。
とにかく良かった。
おめでとう。
I need a love to keep me happy!Keith Richards
2007.2.27
Nishishinjuku2
カテゴリー:word
03/01 19:55
05
Scene 155 [肴]
(腹減ったなあ…まあ生きてりゃじき朝飯かあ…)
相変わらずの与太話を肴に呑んで、口にしたのはお通しの大根ステーキ位。
いつもはそれで腹も減らずに帰るんだが、与太話がたまに行く辺りの蕎麦屋の話だったからか、職安通り迄の間にACBの斜め前の二郎のラーメン、西武新宿前の北京の揚げ焼き餃子が俺を誘いやがる。
河岸を変えりゃあ又呑み直したくなっちまうからな、我慢我慢。
今夜の与太話は面白かった。
受けたのは明治神宮に初詣に行った時の話。
そいつの会社は、毎年仕事始めは良くあるパターンで皆で明治神宮に行くんだが、ちゃんと本殿に上がって参拝するらしい。
「えっ-!何々-!じゃあ皆がお賽銭を投げ込むでっかいプールの向こうに行く訳?」「ええ。そこから廊下を通って地下に降りて行くんです」「じゃあ寒いでしょ?」「いやっ、それが暖かくて眠りそうになるんですよ」「冷暖房完備?」「って言うか、エアコンとかストーブとかじゃなくて畳が暖かいんですよね」「それは入れ替わり立ち代り参拝客が来て、ずっと誰かが座っているってこと?」「そんなんじゃなくてあれは絶対床暖ですよ!」「ま-じ!明治神宮で床暖!-」「本当ですって!だってずっと同じ温度で暖かいですもん!」「嘘だよ-」「いやっ!絶対本当ですって!」「そうかなあ-」………。
そんな話をしてたら深大寺で昼酒を呑んで来たって奴が、「あそこの蕎麦屋はつまみ美味いし、蕎麦は美味いし量もあるし安いしで、最高っす!近いなら行ってみて下さいよ!」「そっかあ、じゃあ行ってみるよ」なんて調子に乗ったから、店を出た後腹が減っちまったんだな。
話を聞くと、俺は深大寺なら武蔵境側から入った辺りの蕎麦屋に入るんだけど、そこは三鷹側から入ってすぐの所。
早速、翌日蕎麦好きのガキ共を連れて宿酔いのまま昼飯を喰いに行った。
車の中で寝ちまって「着いたよ!」と店の駐車場で起こされ、店の入口を見ると数十人並んでる。
(うわっ!止めようかな)とも考えたが、「時間見越して戻って来れば順番迄並ばなくてもいい」って言うんで、隣の水生植物園を散歩。
順路に従って歩いて行くと、深大寺城跡とあり、坂道を登り切ると芝生広場で柵の向うににはテニスコート。
(あっ!)と、そこがガキの頃に良く試合しに来てた名門クラブだと気付く。
フェンス越しに見た久々のそのクラブは、ガキの頃は前後左右コートだらけって感じだったのにどう数えても5、6面しかない。
コートに面した南側は宅地販売をしている。
肌寒い曇天の空模様がそのまま俺の気分に重なって来た。
一瞬、(でも東京で6面あるって凄いことだし…)と考えるが、頭を振って振り払う。
何でも金と数字に置き換えちゃいけない。
でも日本じゃやっぱりスポーツは、テニスコートどころじゃない広さのグラウンドをいつでもタダで使える学校スポーツがメインってことか…。
いかんいかん、こんなこと言うと又それをいい肴に絡んで来る奴がいるからな。
「オレハオヤガイシャモナイシヒモツキデモナイケドセカイニツウジルセンシュヲソダテルンダヨ!」
さて蕎麦だ。
店に入るとおばちゃん、お姉ちゃん達が暖かくもてなしてくれて気分がいい。
俺は天ぷらで呑んで、ガキは大盛りの蕎麦を音をたてて喰ってる。
蕎麦屋ってのはこうでなきゃな。
江戸時代は皆酒を呑みに来て話し込んでた場所なんだからさ。
何でも順位をつけて、何でもマニアックにじゃ疲れちまうよ。
でもこれを自分がちょっとかじってる事に当てはめると…。
店を出て植物園入口を挟んだ向うを見ると、さっき見たクラブへの入口の坂道だった。
2007.2.17
30m Street
相変わらずの与太話を肴に呑んで、口にしたのはお通しの大根ステーキ位。
いつもはそれで腹も減らずに帰るんだが、与太話がたまに行く辺りの蕎麦屋の話だったからか、職安通り迄の間にACBの斜め前の二郎のラーメン、西武新宿前の北京の揚げ焼き餃子が俺を誘いやがる。
河岸を変えりゃあ又呑み直したくなっちまうからな、我慢我慢。
今夜の与太話は面白かった。
受けたのは明治神宮に初詣に行った時の話。
そいつの会社は、毎年仕事始めは良くあるパターンで皆で明治神宮に行くんだが、ちゃんと本殿に上がって参拝するらしい。
「えっ-!何々-!じゃあ皆がお賽銭を投げ込むでっかいプールの向こうに行く訳?」「ええ。そこから廊下を通って地下に降りて行くんです」「じゃあ寒いでしょ?」「いやっ、それが暖かくて眠りそうになるんですよ」「冷暖房完備?」「って言うか、エアコンとかストーブとかじゃなくて畳が暖かいんですよね」「それは入れ替わり立ち代り参拝客が来て、ずっと誰かが座っているってこと?」「そんなんじゃなくてあれは絶対床暖ですよ!」「ま-じ!明治神宮で床暖!-」「本当ですって!だってずっと同じ温度で暖かいですもん!」「嘘だよ-」「いやっ!絶対本当ですって!」「そうかなあ-」………。
そんな話をしてたら深大寺で昼酒を呑んで来たって奴が、「あそこの蕎麦屋はつまみ美味いし、蕎麦は美味いし量もあるし安いしで、最高っす!近いなら行ってみて下さいよ!」「そっかあ、じゃあ行ってみるよ」なんて調子に乗ったから、店を出た後腹が減っちまったんだな。
話を聞くと、俺は深大寺なら武蔵境側から入った辺りの蕎麦屋に入るんだけど、そこは三鷹側から入ってすぐの所。
早速、翌日蕎麦好きのガキ共を連れて宿酔いのまま昼飯を喰いに行った。
車の中で寝ちまって「着いたよ!」と店の駐車場で起こされ、店の入口を見ると数十人並んでる。
(うわっ!止めようかな)とも考えたが、「時間見越して戻って来れば順番迄並ばなくてもいい」って言うんで、隣の水生植物園を散歩。
順路に従って歩いて行くと、深大寺城跡とあり、坂道を登り切ると芝生広場で柵の向うににはテニスコート。
(あっ!)と、そこがガキの頃に良く試合しに来てた名門クラブだと気付く。
フェンス越しに見た久々のそのクラブは、ガキの頃は前後左右コートだらけって感じだったのにどう数えても5、6面しかない。
コートに面した南側は宅地販売をしている。
肌寒い曇天の空模様がそのまま俺の気分に重なって来た。
一瞬、(でも東京で6面あるって凄いことだし…)と考えるが、頭を振って振り払う。
何でも金と数字に置き換えちゃいけない。
でも日本じゃやっぱりスポーツは、テニスコートどころじゃない広さのグラウンドをいつでもタダで使える学校スポーツがメインってことか…。
いかんいかん、こんなこと言うと又それをいい肴に絡んで来る奴がいるからな。
「オレハオヤガイシャモナイシヒモツキデモナイケドセカイニツウジルセンシュヲソダテルンダヨ!」
さて蕎麦だ。
店に入るとおばちゃん、お姉ちゃん達が暖かくもてなしてくれて気分がいい。
俺は天ぷらで呑んで、ガキは大盛りの蕎麦を音をたてて喰ってる。
蕎麦屋ってのはこうでなきゃな。
江戸時代は皆酒を呑みに来て話し込んでた場所なんだからさ。
何でも順位をつけて、何でもマニアックにじゃ疲れちまうよ。
でもこれを自分がちょっとかじってる事に当てはめると…。
店を出て植物園入口を挟んだ向うを見ると、さっき見たクラブへの入口の坂道だった。
2007.2.17
30m Street
カテゴリー:word
02/22 19:56
06
Scene 154 [10 Stories]
“くだらねえとつぶやいて 醒めたつらして歩く”
べらんめえ調なオリジナルとは違う、あのかすれ声が唄い出す。
リリースされたばかりの甲斐よしひろの、甲斐バンドを聴いて育った世代のアーティストの楽曲からピックアップされたカヴァーアルバム[10 Stories]。
[くるみ]では、以前「ロックミュージシャンとしての僕の肉体に、処女膜なるものが存在していたとして、僕のそれを破ったのはKAI BANDである。中2の夏、この方々に犯されて、狂ったように何度も絶頂を味わった僕は、いつのまにか、それなしでは生きて行けない体になってしまいました。大人になった今も、ふとあの時の興奮を思い出し、もう一度犯される日を夢みるのです」とコメントしてた桜井和寿が、“良かった事だけ思い出して やけに年老いた気持ちになる”と声を重ねて来る。
彼はこのテイクに最初にコーラスを入れてプレイバックした時に、甲斐が「どうかな?」と聞いてもしばらく黙り込み、再び甲斐が「どう?大丈夫?」と聞いたら、「自分がこのボーカルに影響を受けてるってことに気づいて、そのことを噛みしめてたんです」と答えたという。
好きなアーティストのバックボーン、ルーツを辿るのが普通だと俺は考える。
俺は甲斐バンドからディラン、ストーンズを知り、レゲエ、ブルースを聞き出した。
テニスなら、コナーズのそれまでのテニス界の価値観を全てぶっ飛ばしたあの攻撃的なプレースタイルは、板張りのコートでテニスを始めたのが基なのも知っている。
じゃあ、桜井和寿の“処女膜”を破った甲斐バンドを聴いた事があるミスチルファンはどの位いるんだろう?
今の音楽の聴き方は、タイアップで耳慣れた曲、売れてて皆が聴いてる曲をばらで買って来て聴いてるから、そんな風にさかのぼったりはしないんだろうな。
でもそんなのつまんねえ聴き方だなあ…。
そこで再び[10 Stories]。
[10 Stories]には甲斐独特の孤独感、焦燥感、諦観がない。
ただ一言「繋がり」という言葉が頭に浮かぶ。
多分甲斐は直感で、自分と自分のフォロワー、自分のファンと他の世代を歌えば自分の世界になるあの声ではっきりと見える形で結びつけ様としたんだ。
それはディランの曲名からとった“Series Of Dreams”というツアーの頃から、どこかに漠然とアイデアがあったんだろう。
Musician’s Musicianのこのトリックを面白いと感じたなら、皆自分が好きなオリジナルって奴が満ち溢れているもののルーツを辿ってみたらいい。
そうだな、その前に自分だけの“オリジナル”と胸を張って言えるものがあるかい?
うん-!やっぱり黙っちゃう?じゃあそれはさておき、日本テニス界の“オリジナル”は?と考えてみると…軟式テニスと砂入り人工芝か…どうもうまくないね…。
いやっ、そんなマイナス志向は良くないな。
まずテメエの愛しい人、ガキを連れてコートに行こうか?
それとももんじゃで釣って有明に試合観に行こうか?
町のテニスコートでプレーしてる沢山のおじさん、おばさんも頼むよ。
あんた等が大好きな“テニス”ってキーワードで、ちょいと誰かの肩に手を置いてみるのも悪くないでしょ?
「椎名林檎ってこの曲で有名になったんじゃないかなあ…」
マスターがつぶやく。
終電間際の一旦客足が途切れたゴールデン街のバー。
これ以上ないシチュエーションで甲斐が唄う[歌舞伎町の女王]が流れる。
帰ってる途中にも、<ビギンも最高だぜ!>とマスターからメール。
どうやら俺が帰った後も聴いてるらしく、[恋しくて]が気に入ったみたいだ。
そうそう、[10 Stories]を聴くなら俺みたいにバーで聴くか、ガキの頃みたいに家族が寝静まった夜中にiPodとかヘッドフォンでフルボリュームで聴くといいぜ。
2007.2.8
Koma-gekijo-mae
べらんめえ調なオリジナルとは違う、あのかすれ声が唄い出す。
リリースされたばかりの甲斐よしひろの、甲斐バンドを聴いて育った世代のアーティストの楽曲からピックアップされたカヴァーアルバム[10 Stories]。
[くるみ]では、以前「ロックミュージシャンとしての僕の肉体に、処女膜なるものが存在していたとして、僕のそれを破ったのはKAI BANDである。中2の夏、この方々に犯されて、狂ったように何度も絶頂を味わった僕は、いつのまにか、それなしでは生きて行けない体になってしまいました。大人になった今も、ふとあの時の興奮を思い出し、もう一度犯される日を夢みるのです」とコメントしてた桜井和寿が、“良かった事だけ思い出して やけに年老いた気持ちになる”と声を重ねて来る。
彼はこのテイクに最初にコーラスを入れてプレイバックした時に、甲斐が「どうかな?」と聞いてもしばらく黙り込み、再び甲斐が「どう?大丈夫?」と聞いたら、「自分がこのボーカルに影響を受けてるってことに気づいて、そのことを噛みしめてたんです」と答えたという。
好きなアーティストのバックボーン、ルーツを辿るのが普通だと俺は考える。
俺は甲斐バンドからディラン、ストーンズを知り、レゲエ、ブルースを聞き出した。
テニスなら、コナーズのそれまでのテニス界の価値観を全てぶっ飛ばしたあの攻撃的なプレースタイルは、板張りのコートでテニスを始めたのが基なのも知っている。
じゃあ、桜井和寿の“処女膜”を破った甲斐バンドを聴いた事があるミスチルファンはどの位いるんだろう?
今の音楽の聴き方は、タイアップで耳慣れた曲、売れてて皆が聴いてる曲をばらで買って来て聴いてるから、そんな風にさかのぼったりはしないんだろうな。
でもそんなのつまんねえ聴き方だなあ…。
そこで再び[10 Stories]。
[10 Stories]には甲斐独特の孤独感、焦燥感、諦観がない。
ただ一言「繋がり」という言葉が頭に浮かぶ。
多分甲斐は直感で、自分と自分のフォロワー、自分のファンと他の世代を歌えば自分の世界になるあの声ではっきりと見える形で結びつけ様としたんだ。
それはディランの曲名からとった“Series Of Dreams”というツアーの頃から、どこかに漠然とアイデアがあったんだろう。
Musician’s Musicianのこのトリックを面白いと感じたなら、皆自分が好きなオリジナルって奴が満ち溢れているもののルーツを辿ってみたらいい。
そうだな、その前に自分だけの“オリジナル”と胸を張って言えるものがあるかい?
うん-!やっぱり黙っちゃう?じゃあそれはさておき、日本テニス界の“オリジナル”は?と考えてみると…軟式テニスと砂入り人工芝か…どうもうまくないね…。
いやっ、そんなマイナス志向は良くないな。
まずテメエの愛しい人、ガキを連れてコートに行こうか?
それとももんじゃで釣って有明に試合観に行こうか?
町のテニスコートでプレーしてる沢山のおじさん、おばさんも頼むよ。
あんた等が大好きな“テニス”ってキーワードで、ちょいと誰かの肩に手を置いてみるのも悪くないでしょ?
「椎名林檎ってこの曲で有名になったんじゃないかなあ…」
マスターがつぶやく。
終電間際の一旦客足が途切れたゴールデン街のバー。
これ以上ないシチュエーションで甲斐が唄う[歌舞伎町の女王]が流れる。
帰ってる途中にも、<ビギンも最高だぜ!>とマスターからメール。
どうやら俺が帰った後も聴いてるらしく、[恋しくて]が気に入ったみたいだ。
そうそう、[10 Stories]を聴くなら俺みたいにバーで聴くか、ガキの頃みたいに家族が寝静まった夜中にiPodとかヘッドフォンでフルボリュームで聴くといいぜ。
2007.2.8
Koma-gekijo-mae
カテゴリー:KAI
02/15 19:57
07
Scene 153 [節分]
今日は節分。
子供は小さいからまだ斜めに構えたりしないし、なによりちゃんと日本の風習を伝えないとで、早番の定時で急いで帰宅。
駅から家までの店の先々には恵方巻のポスター。
関西の習わしみたいだけど、僕が子供の時には見なかった。
コンビニの店頭で初めて知って、関西人のスタッフに「絶対食べ切らないといけない
からガキの頃は涙が出る位辛かった」という話を聞いて驚いたなあ。
そうそう朝出て来る時にチラッと見たスーパーのチラシには節分そばって言葉もあった。
最近は聞かなくなったけど引越そばがそのうち、蕎麦屋と引越屋のタイアップでブレークしたりして?
「私達はもうご飯済んじゃったよ」
ちぇっ!もう少し近い場所のスクールにしてよ!社長!(何て言えない言えない!そもそも今のスクールはお客さんもスタッフも、ついでに行きつけの店も最高だし!)
豆まきを子供達と済ませ、ビールを呑みながら(そう言えば部長が今日のボックス南1列目だって言ってたなあ)と録画しておいた東レPPOをチェック。
結果は知ってたけど、シャラポアがダブルフォルトを繰り返すのを観て、(プロでさえ相手に影響されにくいサーブでこんなにミスするんだからテニスって改めて難しいんだなあ…)と見入ってたら、いきなりヒンギスvsデメンティエワでデメンティエワの後方に部長の顔が…。
おかげでその後ポイント間は部長が気になっちゃって落ち着かなかったよ。
とは言え、週休日の水曜日に独りで東レPPOを観に行ったらアリーナの前の方に部長が招待されてて、当日売りでアリーナの一番後ろにいた僕と席を変ってくれたんだから感謝だ…あっ!その時は言わなかったけど、今日がこんないい席だったからなのかあ!
そっかあ、ズル…くないな、やっぱ感謝感謝。
あの日はキリレンコが上手くなってて驚いたなあ。
グラウンドストロークのヘッドの振り抜きの速さは本当驚いたよ。
オーソドックスなフォームからのサーブも良かった。
でも森上亜希子はこの間のジャパンオープンでキリレンコに勝ってるし、日本女子はもっともっと行けそうだな。
その後は初の生ヒンギス!
キリレンコの173cmに対してヒンギスは170cmだけど、キリレンコとはエンジンのデカさが違うっていうのか、プレーの幅、引出しが底なし!
昨日一緒に呑んだ他スクールの人が、今回のファンサービスイベントに呼ばれて行った時のヒンギスとファンとのゲームの話をしてくれたんだけど、面白かったなあ。
何でもヒンギスはこのイベントでサーブは打たない条件だったらしいんだけど、何かの時にその人が場をつなごうと慌てて「ヒンギス!プリーズ!」ってボールを渡したら、「OK!」って言ってあっさりサーブを打ったんだって!
その人も別にサーブを打たせようとした訳じゃなかったから驚いたみたいだけど、ヒンギスっていい奴だなあ。
おおっ!ヒンギス勝った!何故かちょっとウルウルしたりして…。
明日も朝から一日中レッスンだから又ビデオ観戦だな。
今度は部長も映らないだろうから集中して観れるはず。
いやっ、待てよ…まさか明日も観に行ったりしないだろうなあ…それならそれでいいけど、せめてTVに映る様なあんないい席じゃなくてもっと後ろでありますように!
鬼は-外!福は-内!
子供は小さいからまだ斜めに構えたりしないし、なによりちゃんと日本の風習を伝えないとで、早番の定時で急いで帰宅。
駅から家までの店の先々には恵方巻のポスター。
関西の習わしみたいだけど、僕が子供の時には見なかった。
コンビニの店頭で初めて知って、関西人のスタッフに「絶対食べ切らないといけない
からガキの頃は涙が出る位辛かった」という話を聞いて驚いたなあ。
そうそう朝出て来る時にチラッと見たスーパーのチラシには節分そばって言葉もあった。
最近は聞かなくなったけど引越そばがそのうち、蕎麦屋と引越屋のタイアップでブレークしたりして?
「私達はもうご飯済んじゃったよ」
ちぇっ!もう少し近い場所のスクールにしてよ!社長!(何て言えない言えない!そもそも今のスクールはお客さんもスタッフも、ついでに行きつけの店も最高だし!)
豆まきを子供達と済ませ、ビールを呑みながら(そう言えば部長が今日のボックス南1列目だって言ってたなあ)と録画しておいた東レPPOをチェック。
結果は知ってたけど、シャラポアがダブルフォルトを繰り返すのを観て、(プロでさえ相手に影響されにくいサーブでこんなにミスするんだからテニスって改めて難しいんだなあ…)と見入ってたら、いきなりヒンギスvsデメンティエワでデメンティエワの後方に部長の顔が…。
おかげでその後ポイント間は部長が気になっちゃって落ち着かなかったよ。
とは言え、週休日の水曜日に独りで東レPPOを観に行ったらアリーナの前の方に部長が招待されてて、当日売りでアリーナの一番後ろにいた僕と席を変ってくれたんだから感謝だ…あっ!その時は言わなかったけど、今日がこんないい席だったからなのかあ!
そっかあ、ズル…くないな、やっぱ感謝感謝。
あの日はキリレンコが上手くなってて驚いたなあ。
グラウンドストロークのヘッドの振り抜きの速さは本当驚いたよ。
オーソドックスなフォームからのサーブも良かった。
でも森上亜希子はこの間のジャパンオープンでキリレンコに勝ってるし、日本女子はもっともっと行けそうだな。
その後は初の生ヒンギス!
キリレンコの173cmに対してヒンギスは170cmだけど、キリレンコとはエンジンのデカさが違うっていうのか、プレーの幅、引出しが底なし!
昨日一緒に呑んだ他スクールの人が、今回のファンサービスイベントに呼ばれて行った時のヒンギスとファンとのゲームの話をしてくれたんだけど、面白かったなあ。
何でもヒンギスはこのイベントでサーブは打たない条件だったらしいんだけど、何かの時にその人が場をつなごうと慌てて「ヒンギス!プリーズ!」ってボールを渡したら、「OK!」って言ってあっさりサーブを打ったんだって!
その人も別にサーブを打たせようとした訳じゃなかったから驚いたみたいだけど、ヒンギスっていい奴だなあ。
おおっ!ヒンギス勝った!何故かちょっとウルウルしたりして…。
明日も朝から一日中レッスンだから又ビデオ観戦だな。
今度は部長も映らないだろうから集中して観れるはず。
いやっ、待てよ…まさか明日も観に行ったりしないだろうなあ…それならそれでいいけど、せめてTVに映る様なあんないい席じゃなくてもっと後ろでありますように!
鬼は-外!福は-内!
カテゴリー:word
02/08 19:58
08
Scene 4 [Ladies&Gentleman]
「お兄さん、焼けてるねえ、何してるの?」
「えっ、テニスのコーチ-!」
「なんでこんなつぶれそうな店来てんの?」
「おおっママ、ごめんごめん、そんな事ないよね、人類が滅亡してもこの店は残ってるよね!」
「ああ、さっきまでここにいた人と来てるんだあ、今トイレ?」
「お兄さん、は何?キムタク?に似てるけどあの人はテニスやる様には見えないなあ…。」
「へえ、社長さんなんだ…」
「昔はテニス上手かったの?」
「そっかあ、俺も昔はちょっとはテニスやったんだよ、ずっとやってりゃあ社長になれたかなあ、チッキショウ、未だに人の下でペコペコしてるんだよな」
「あのさあ、何だっけ、カワサキだかフタバヤのラケットがどっかに仕舞ってあるはずだなあ」
「えっ、そんなメーカー知らない-!」
「えーっとお、カワサキとも書いてあるんだけどドンナイとも書いてあったなあ」
「ドンナイ知らないの?ボーグが使ってたんだよ」
「あっ、あれドネーって読むんだ!えっボルグ?だって新聞にはボーグって書いてあったぜ」
「おっ、社長帰って来たね!流石だよ!俺より若いのに社長だけあって華があるね!今夜は俺が奢っちゃうよ!俺だってこんな店の領収書位切れるんだから」
「うん?あっ、ママ、だから言葉の文だって、俺くらいいい客いないでしょ?口開けの客としては最高じゃない?こんなに皆を盛り上げてさあ。しまいには口開けどころか誰もいなくなっても最後まで呑んでるんだから…」
「ねえ、社長!あれっ?二人で何か難しい話してるの?」
「懐かしいなあ、王様夫人。そりゃキング夫人!…社長聞いてる?…」
「ママ、お湯割りおかわり…」
「………」
「………」
「………」
「おい!キムタク!お前みたいな奴がいるから娘が心配なんだよ!」
「笑ってんじゃないよ!社長も本当に頼むよ!」
「ウチの娘は可愛くて素直で本当にいい娘なんだよ」
「何言ってんのママ、関係ないじゃない、じゃないの!」
「心配だから帰る!」
「お勘定?テメエで払えよ!キムタク!」
「おっメールだ」
「キムタク驚くなって!メールはお前等だけのもんじゃ…長介が死んだ?…」
「ダメだ、こりゃ…」
「バカヤロウ…」
…合掌。
2004.3.20
Shinjuku Shonbenyokochou
→続きを読む:Scene 4 [Ladies&Gentleman]
「えっ、テニスのコーチ-!」
「なんでこんなつぶれそうな店来てんの?」
「おおっママ、ごめんごめん、そんな事ないよね、人類が滅亡してもこの店は残ってるよね!」
「ああ、さっきまでここにいた人と来てるんだあ、今トイレ?」
「お兄さん、は何?キムタク?に似てるけどあの人はテニスやる様には見えないなあ…。」
「へえ、社長さんなんだ…」
「昔はテニス上手かったの?」
「そっかあ、俺も昔はちょっとはテニスやったんだよ、ずっとやってりゃあ社長になれたかなあ、チッキショウ、未だに人の下でペコペコしてるんだよな」
「あのさあ、何だっけ、カワサキだかフタバヤのラケットがどっかに仕舞ってあるはずだなあ」
「えっ、そんなメーカー知らない-!」
「えーっとお、カワサキとも書いてあるんだけどドンナイとも書いてあったなあ」
「ドンナイ知らないの?ボーグが使ってたんだよ」
「あっ、あれドネーって読むんだ!えっボルグ?だって新聞にはボーグって書いてあったぜ」
「おっ、社長帰って来たね!流石だよ!俺より若いのに社長だけあって華があるね!今夜は俺が奢っちゃうよ!俺だってこんな店の領収書位切れるんだから」
「うん?あっ、ママ、だから言葉の文だって、俺くらいいい客いないでしょ?口開けの客としては最高じゃない?こんなに皆を盛り上げてさあ。しまいには口開けどころか誰もいなくなっても最後まで呑んでるんだから…」
「ねえ、社長!あれっ?二人で何か難しい話してるの?」
「懐かしいなあ、王様夫人。そりゃキング夫人!…社長聞いてる?…」
「ママ、お湯割りおかわり…」
「………」
「………」
「………」
「おい!キムタク!お前みたいな奴がいるから娘が心配なんだよ!」
「笑ってんじゃないよ!社長も本当に頼むよ!」
「ウチの娘は可愛くて素直で本当にいい娘なんだよ」
「何言ってんのママ、関係ないじゃない、じゃないの!」
「心配だから帰る!」
「お勘定?テメエで払えよ!キムタク!」
「おっメールだ」
「キムタク驚くなって!メールはお前等だけのもんじゃ…長介が死んだ?…」
「ダメだ、こりゃ…」
「バカヤロウ…」
…合掌。
2004.3.20
Shinjuku Shonbenyokochou
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カテゴリー:word
03/25 16:58
09
Scene 3 [TRIP]
ここは最高だ。
何杯目かもうわからないビールを呑みほしながら思う。
旅行は好きじゃなかった。
間の抜けた阿呆面を誰かに見られて笑われている様な気がする。
動物園でたまに動物に観察されている気がするのと同じだ。
来日が実現する前のSTONESをN.Y.に観に行った時だけは別だった。
まだ治安の悪かった街を朝から晩まで徘徊した。
屋台のホットドックを食べ、ビールはブッシュを呑み、真夜中の42ndで黒人に追い掛けられ、ニューヨーカーに成りきってた…つもりだったのは自分だけだったんだろうけど楽しかった。
今俺はハワイにいる。
オアフのワイキキビーチでダイヤモンドヘッドを左に海を見てる。
昔の俺が見たら軽蔑するだろうな。
昔の俺になんて言い訳しよう。
「俺が嫌いな旅行ってのはあそこにいる皆でバッチ付けてぞろぞろ動いて写真を撮る為だけに名所を駆け足で回って行く様な団体パック旅行の事だったんだよ」
う-ん、シェアスタジアムで皮ジャン着て酔っぱらってSTONES観てる俺には通じないか…。
そもそも今回はハネムーンだ。
仕方ない。
奴の言いなりにハワイに来た。
成田ではハワイ行きゲートにいるのが恥ずかしく居心地が悪かった。
でもホノルル空港に着いた途端俺はぶっ飛んだ。
信じられない青空、湿気のない暖かさ。
俺等は観光は組まずプールサイド、ビーチでひたすらのんびりしてる。
あっ分かった!
「昔の俺よ!俺は観光地が嫌いで保養地は好きだったんだよ!」
う-む、まだ納得してないなあ。
そう言えば昨日面白い事があった。
暑くて誰もいないテニスコートで奴とテニスをした。
ハンディで左手でラケットを持ってプレーしてたら、にやけた日本人が近付いて来た。
試合をしないか?って言うんでシングルスをした。
それなりの腕前だったけど3ポイントやった後ラケットを右手に持ち替えて6-0で勝った。
聞けばこのホテルの専属コーチ。
「こんな暑いところで新婚カップルばっかり見てりゃ、ちょっとからかって新婦の前で新郎に恥かかせようって気になるのもわかるよ。新郎が自分より上手いテニスコーチなんてのはまずないだろうしな」って言うと「そうっすか、すいません」って謝って来た。
でも又今日も日本人カップルをからかってるんだろうな。
さてと部屋に戻るかな。
「いいトリップでしたか?」と日系のスタッフが話しかけて来る。
「おい!昔の俺!聞いたか?俺は観光しに来たんじゃなくてトリップしに来たんだ!」
これでどうだ?納得したか?
無理か…。
1996.3.16
Waikiki
→続きを読む:Scene 3 [TRIP]
何杯目かもうわからないビールを呑みほしながら思う。
旅行は好きじゃなかった。
間の抜けた阿呆面を誰かに見られて笑われている様な気がする。
動物園でたまに動物に観察されている気がするのと同じだ。
来日が実現する前のSTONESをN.Y.に観に行った時だけは別だった。
まだ治安の悪かった街を朝から晩まで徘徊した。
屋台のホットドックを食べ、ビールはブッシュを呑み、真夜中の42ndで黒人に追い掛けられ、ニューヨーカーに成りきってた…つもりだったのは自分だけだったんだろうけど楽しかった。
今俺はハワイにいる。
オアフのワイキキビーチでダイヤモンドヘッドを左に海を見てる。
昔の俺が見たら軽蔑するだろうな。
昔の俺になんて言い訳しよう。
「俺が嫌いな旅行ってのはあそこにいる皆でバッチ付けてぞろぞろ動いて写真を撮る為だけに名所を駆け足で回って行く様な団体パック旅行の事だったんだよ」
う-ん、シェアスタジアムで皮ジャン着て酔っぱらってSTONES観てる俺には通じないか…。
そもそも今回はハネムーンだ。
仕方ない。
奴の言いなりにハワイに来た。
成田ではハワイ行きゲートにいるのが恥ずかしく居心地が悪かった。
でもホノルル空港に着いた途端俺はぶっ飛んだ。
信じられない青空、湿気のない暖かさ。
俺等は観光は組まずプールサイド、ビーチでひたすらのんびりしてる。
あっ分かった!
「昔の俺よ!俺は観光地が嫌いで保養地は好きだったんだよ!」
う-む、まだ納得してないなあ。
そう言えば昨日面白い事があった。
暑くて誰もいないテニスコートで奴とテニスをした。
ハンディで左手でラケットを持ってプレーしてたら、にやけた日本人が近付いて来た。
試合をしないか?って言うんでシングルスをした。
それなりの腕前だったけど3ポイントやった後ラケットを右手に持ち替えて6-0で勝った。
聞けばこのホテルの専属コーチ。
「こんな暑いところで新婚カップルばっかり見てりゃ、ちょっとからかって新婦の前で新郎に恥かかせようって気になるのもわかるよ。新郎が自分より上手いテニスコーチなんてのはまずないだろうしな」って言うと「そうっすか、すいません」って謝って来た。
でも又今日も日本人カップルをからかってるんだろうな。
さてと部屋に戻るかな。
「いいトリップでしたか?」と日系のスタッフが話しかけて来る。
「おい!昔の俺!聞いたか?俺は観光しに来たんじゃなくてトリップしに来たんだ!」
これでどうだ?納得したか?
無理か…。
1996.3.16
Waikiki
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カテゴリー:STONES
03/18 16:57
10
Scene 2 [いとしのエリー]
「私さあテニススクール入ったんだ!」
電話の相手は真理。
高校のテニス部時代からの付き合い。
「最近のラケットって軽くてチョー楽だよ!由実もやろうよ!」
テニスかあ、最近とんとご無沙汰してる。
結婚当初は初心者だった旦那に教えがてら真理達とプレーしてたけど。
今じゃ旦那の方がはまっていて休日は朝からテニス。
私は音楽好きの5才の息子とiBookのGarageBandで遊んでる。
うん、考えとくよと真理の電話を切る。
つけっ放しで音を消したTVには桑田佳祐が写ってる。
そう言えばと大事にとってある昔行ったLiveのチケットを探して見る。
1985.9.29 サザンオールスターズ 西武球場
私と真理は大学では体育会には入らずサークルに入って都内のテニススクールでコーチのアルバイトをしていた。
これが呆れる位良く呑む集まりで、毎晩ナイターレッスンが終ると居酒屋、そしてカラオケボックスもない時代だったからカラオケスナックで朝まで…。
私達も女だてらに朝まで一緒に騒いだ。
その時の仲間全員でサザンを観に行ったんだ。
当日は強い雨、当時はまだ西武球場はドームじゃなかった。
発熱してた私は行くかどうか悩んだけど皆と一緒にいたくて行った。
お揃いのadidasのUP上下を着て、開演まで雨で試合中止の時のプロ野球選手の様に濡れて滑るアリーナ席をスライディングして楽しんだ。
そしてLiveは始まった。
Ah You Should Go Back You Don’t Have To-
オープニングは[いとしのエリー]
雨の中とても美しく感じた。
更に記憶が蘇る。
私がテニスを始めた年の夏、1980年7月サザンは田園コロシアムでLiveをやった。
[エースをねらえ!]の岡ひろみの様に先輩にしごかれ、ボール拾いばっかりでもテニスが好きで熱中していた私には田園コロシアムのコートの上にステージを組むサザン、アリーナとなるコートの上で騒ぐ観客が許せなかった。
田園コロシアムは世界一のクレーコートなんだぞ!
勿論私は田園コロシアムでプレーした事はなかったけど、あのすりばち状の階段席をコートの方へ降りて行く雰囲気が好きだった。
大学入学直前の1983年4月、新宿LOFTにARBを観に行った。
中央線の朝のラッシュ並みのすし詰めのLiveのアンコールのゲストに桑田佳祐が出た。
彼はARBをBackに石橋凌と[いとしのエリー]を唄った。
一郎のギター、KEITHのドラム、サンジのベースで桑田佳祐が凌と[いとしのエリー]を唄ってる…。
自分の好きなBandがゲストに呼んだって事で私は単純に桑田佳祐を好きになった。
凌の方が断然かっこよかったけど…。
ふとTVを見ると相変わらずの他人の上げ下げをしている。
スイッチを消して考えてみる。
テニス、12年振り、今の私にどの程度のプレーが出来るんだろう?
友達は離ればなれだし、おばさんサークルは恐いし、旦那とやって負けるのはシャクだし、やるならテニススクールかなあ…。
まあ今回はいいや、又気が向いたら向いたでその時はその時だ。
うん?そう言えば私は田園コロシアムじゃないけど田園テニス倶楽部のコートに立った事があった。
いつだったか新丸子で朝まで呑んだ後、始発までの時間潰しに田園調布まで歩いて行く途中、田園テニス倶楽部横を通った。
もう田園コロシアムはなくて、他のコートを見ようと近付いたらコート入口の鍵がかかっていなかった。
夏の朝日の中、私は一人コートに立ち一回だけサーブの素振りをしたんだ。
2004.2.19 Daytime
Kichijyoji
→続きを読む:Scene 2 [いとしのエリー]
電話の相手は真理。
高校のテニス部時代からの付き合い。
「最近のラケットって軽くてチョー楽だよ!由実もやろうよ!」
テニスかあ、最近とんとご無沙汰してる。
結婚当初は初心者だった旦那に教えがてら真理達とプレーしてたけど。
今じゃ旦那の方がはまっていて休日は朝からテニス。
私は音楽好きの5才の息子とiBookのGarageBandで遊んでる。
うん、考えとくよと真理の電話を切る。
つけっ放しで音を消したTVには桑田佳祐が写ってる。
そう言えばと大事にとってある昔行ったLiveのチケットを探して見る。
1985.9.29 サザンオールスターズ 西武球場
私と真理は大学では体育会には入らずサークルに入って都内のテニススクールでコーチのアルバイトをしていた。
これが呆れる位良く呑む集まりで、毎晩ナイターレッスンが終ると居酒屋、そしてカラオケボックスもない時代だったからカラオケスナックで朝まで…。
私達も女だてらに朝まで一緒に騒いだ。
その時の仲間全員でサザンを観に行ったんだ。
当日は強い雨、当時はまだ西武球場はドームじゃなかった。
発熱してた私は行くかどうか悩んだけど皆と一緒にいたくて行った。
お揃いのadidasのUP上下を着て、開演まで雨で試合中止の時のプロ野球選手の様に濡れて滑るアリーナ席をスライディングして楽しんだ。
そしてLiveは始まった。
Ah You Should Go Back You Don’t Have To-
オープニングは[いとしのエリー]
雨の中とても美しく感じた。
更に記憶が蘇る。
私がテニスを始めた年の夏、1980年7月サザンは田園コロシアムでLiveをやった。
[エースをねらえ!]の岡ひろみの様に先輩にしごかれ、ボール拾いばっかりでもテニスが好きで熱中していた私には田園コロシアムのコートの上にステージを組むサザン、アリーナとなるコートの上で騒ぐ観客が許せなかった。
田園コロシアムは世界一のクレーコートなんだぞ!
勿論私は田園コロシアムでプレーした事はなかったけど、あのすりばち状の階段席をコートの方へ降りて行く雰囲気が好きだった。
大学入学直前の1983年4月、新宿LOFTにARBを観に行った。
中央線の朝のラッシュ並みのすし詰めのLiveのアンコールのゲストに桑田佳祐が出た。
彼はARBをBackに石橋凌と[いとしのエリー]を唄った。
一郎のギター、KEITHのドラム、サンジのベースで桑田佳祐が凌と[いとしのエリー]を唄ってる…。
自分の好きなBandがゲストに呼んだって事で私は単純に桑田佳祐を好きになった。
凌の方が断然かっこよかったけど…。
ふとTVを見ると相変わらずの他人の上げ下げをしている。
スイッチを消して考えてみる。
テニス、12年振り、今の私にどの程度のプレーが出来るんだろう?
友達は離ればなれだし、おばさんサークルは恐いし、旦那とやって負けるのはシャクだし、やるならテニススクールかなあ…。
まあ今回はいいや、又気が向いたら向いたでその時はその時だ。
うん?そう言えば私は田園コロシアムじゃないけど田園テニス倶楽部のコートに立った事があった。
いつだったか新丸子で朝まで呑んだ後、始発までの時間潰しに田園調布まで歩いて行く途中、田園テニス倶楽部横を通った。
もう田園コロシアムはなくて、他のコートを見ようと近付いたらコート入口の鍵がかかっていなかった。
夏の朝日の中、私は一人コートに立ち一回だけサーブの素振りをしたんだ。
2004.2.19 Daytime
Kichijyoji
→続きを読む:Scene 2 [いとしのエリー]
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03/11 16:55
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