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another side of tennis

[Another Side of Tennis] 坂東海

新宿ゴールデン街バーの片隅のテニスと音楽の与太話です。
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01

Scene 180 [Promises and Lies]

全小、インターハイが終って、今日で全日本ジュニアも閉幕。
春先に新宿で餃子を肴に“金魚蜂ビール”を一緒に呑んだコーチ達は、そのまま大阪から名古屋に入って全中?
この暑さの中選手達はどんなファイトをしてるのかな?

この夏の僕は新規プロジェクトにかかりきりで、ジュニアの試合を一回も観に行けてない。
そんな夏はいつ以来だ-!
プライベートでも、大好きな宮古島どころか、山中湖にも河口湖にも行かない夏。
いやいや、とにかくそんなことよりもジュニアの試合を観てない。
西に行ってるだろう友人のコーチ達は忙しいだろうからと、今東京にいそうなコーチに様子を聞こうと顔を浮かべたけど、観戦に行きそうなタイプは誰もいない。
仕方ない…朝まで喧嘩になるのを承知であいつを新宿に呼び出すか…それとも喧嘩にはならないけど、人の金で神戸牛の様にビールを呑むあいつにするか。

斉藤佑樹選手、石川遼選手の例じゃないけど、誰かがフッとのし上がった後、マスコミで増幅された後に騒ぎ出すのは好きじゃない。
テニス界だと今は、8/12以降やたらジョコビッチの名前を口にする人達がいる。
一テニスファンならともかくプロテニスコーチは、自分の選手だけでなく、プロ選手やテニスを取り巻く状況も自分なりのストーリーを持って見つめているべきだ。
去年のフェデラー来日の際の、テニスコーチ達の紋切型な手放し称賛は辟易した。
勿論ある選手に肩入れして応援するのは素敵なこと。
ずっとジョコビッチを応援して来た人達は今回嬉しかっただろうな。
僕は全米オープンが近づくとここ数年、どうしてもブレークに肩入れしてしまう。

あっ、そうか今から夏休みってことにしてN.Y.行こうかな…って言うまでもなく無理だ。
とりあえず来週は休みをとってあったから、滅多に乗らない関越をUB40の古いアルバムでも聴きながら、夏気分出して山に向かってみるとするか。

帰って来て現場に戻ったら、又精一杯いいレッスンをしよう。
来月の全校でのキャンプには、以前担当していた方がわざわざ来てくださると聞いた。
嬉しい。本当に嬉しい。そしてありがたい。
期待は必ず数倍にして返すのが僕の主義。
異動しての一年間が伊達じゃないところをお見せしないとだ。

あっ、その前にせめて毎トーのジュニアの部位は観に行かないと。
口先だけの男になるのだけは、まっぴらごめんだからね。

2007.8.16
Nishikata
カテゴリー:Tennis
08/16 18:05
02

Scene 179 [Live & Let Die]

「知り合いがGuns観に行ったんですよ」
「へえ-、幕張?」
「そうそう、アクセルが太めになってたらしいんですけど」
「俺、前のドームの時観に行きましたよ」
「あ-っ、僕も。今回も“Paradise City”と“You Could Be Mine”だけでも聴きに行けば良かったかなと」

新しいプロジェクトが形になっての一息入れる呑み会。
フォアグラの串焼き、温泉玉子のピザで新規オープンの準備がほぼ終った事を労いつつ、次の展開をシュミレーション。
ちょっとほぐれて来たところでの会話。
隣のやたら腰の低い若手コーチもこの手の話が好きらしく、身を乗り出して来てる。

「ウチの5才の娘が好きになったんで一緒に聴いてたら、スピッツ好きになっちゃたんですよね」
「ウチの子供はエミネム聴いてますよ。エミネム!」
「うわ-、そりゃあ凄いや。俺も一枚しか持ってないもん。幼児がエミネムねえ。そう言えば“マシマロ”の頃の民生を武道館に独りで観に行ったんですけど、ダフ屋から買ったらほぼど真ん中の5、6列目で、若い奴等ばかり!」
「へえ-、それも勇気ありますねえ。でも民生はいいですよね」
「でね、“マシマロ”とか“イージュー★ライダー”とかシングルの曲が始まると蛍状態!「何人も携帯取り出してメールし出すの!来てないダチに<3曲目は“マシマロ”だよ!>とか送ってんだろうね」

“同じ匂い”を感じ取った後の会話は笑いと共に深くなる。
「当たり前ですけどテニスとゴルフは違いますからね、大変ですよ、特にゴルフはね。彼も今は腰低いけどわからないですよお。でも本当これで裏切ったら東京湾ですね」
“腰の低い若手コーチ”は相変わらずニコニコして会話を聞いてる。

話は最近観た映画の話に移り、更に自分が好きな映画の話に。
“腰の低い若手コーチ”の好きな映画のタイプは「ラブロマンス系」。
「ほう、やっぱりねえ」
「で、誰が演るラブロマンスがいいの?」
「ええっと…アル・パチーノです」
「ふうむ、アル・パチーノのラブロマンス…」

“アル・パチーノのラブロマンスが好きな腰の低い若手コーチ”が席を外した途端に二人で囁く。
「アル・パチーノのラブロマンスが好きって言うのは、“俺は実はこういうテイストなんだぜ”っていうアピールですかねえ」
「う-ん、なかなかいいところ突いて来ましたね」
ふと覗けた彼の感性に触れ、二人の間に“こいつはただ腰が低いだけの奴じゃない”という認識が生まれたのは間違いない。

いつの間にかこんな夜が少なくなった気がする。
自分が好きなものの良さをわかってもらおうとしたり、自分が好きで生業にしたものへの熱い夢を話したりといった、“大きくて迂闊な話”が少なくなったのは何故だろう?
当面食いつなぐ為の、小手先のテクニックなんていくら話してもつまらない。
いくつになっても「あっちっち!」となるくらいハートは熱くないとな。
何てたって、今でも“夜は無限”なんだから。

“アル・パチーノのラブロマンスが好きな腰の低い若手コーチ”と二人になったところで、彼がこっちに向き直って若干緊張した笑顔でこう言った。
「万が一私が裏切ったら東京湾に沈めて下さい!」

わかってるよ、アル・パチーノのラブロマンスを好きな奴がチンケな裏切りする訳ないだろ。
本当は“スカー・フェース”も好きなんじゃないか-!

2007.8.9
Koishikawa1
カテゴリー:Music
08/09 16:40
03

Scene 178 [夏色]

「俺等の名前が今月のテニマガに載ってるぜ!」
「何それ?」
「インターハイ記録集」
「興味ないなあ」

帰ってから一応家人に、「俺等の名前が今月のテニマガのインハイ特集ってのに載ってるんだって」と話してみた。
「へえ-。買った方がいいよ」。
「だって多分名前載ってるだけだぜ。俺トロフィーとか賞状とかも執着しないから、引越しの時に捨てたし。まああれは捨てたつもりが、お袋が全部取って置いてたけど」
「いいから買って子供達に見せてあげなよ。お父さんが強いとか偉いっていうのは、子供は嬉しいもんなんだから。毎晩呑み歩いてるせめてもの罪滅ぼしじゃないの」

それから数日すっかり忘れてての本屋。
一冊だけ残ってるテニマガを発見。
表紙には確かに「別冊付録[1976-2006]インターハイ記録集。
更に「あなたの名前が載っています!」』というキャッチコピー。
(“あなたの名前が載っています!”って何かインハイのイメージと違うなあ…)と感じつつも、一応手にとってレジへ。
帰りの電車でパラパラ捲ると、初日の1、2回戦は楽勝だったと記憶してたのが2回戦はフルセット。
その晩皆で遊びに出た事はしっかり覚えてるのに呆れたもんだ。

いずれにせよ、“暑い”だけじゃなく“熱い夏”、“あの夏”っていうのがあるのは悪くない。
巷じゃ甲子園の代表云々で盛り上がっているけど、テニスのインハイはもう団体戦は終了で個人戦がスタート。
今の俺にはちょっと縁遠い世界だけど、未だにシンパシーを感じるよ。

5歳の娘が最近気に入ってる歌はこれ。
“この長い長い下り坂を君を自転車の後ろに乗せて ブレーキいっぱい握りしめて ゆっくりゆっくり下ってく”
家の中じゃiTunes、車の中じゃiPodで繰り返し聴かされてる。
いい曲じゃん。

今年の“夏色”をあんたは見つけられそうかい?

2007.8.2
Wainosuke
カテゴリー:Tennis
08/03 10:26
04

Scene 177 [コーチ会議]

最近じゃ珍しくFAXが送られて来た。
「コーチ会議のお知らせ」
転送に次ぐ転送で字が潰れてる。

「合宿でやりたい練習メニューはありますか?」
「コンディショニング的な内容も取り入れたいですね。今お手元に回しているのは、私個人所有のコンディショニングの本の一覧です。20冊位かな?興味があれば合宿の前に貸しますよ」
「他には?」
「学校の狭いグラウンドでは満足に出来ないフライの練習はさせてあげたいですねえ」

そう、この“コーチ会議”はテニスのコーチでなく、少年野球のコーチ=素人のお父さん達の会議。
熱心に親身に、それでいてさり気ない自己主張、家族を持ってる男同士の気遣いで議事が進行して行く。
そしてそのまま酒席へ鞍替え。

話していると皆野球部にいた訳ではなく、小学校の時の遊びとして野球を覚えて行って、部活は他のスポーツだったという人が殆ど。
今じゃや「ゲームが悪い」なんて言う前に治安も悪くなってるし、遊びとしてスポーツをやるのは本当に難しい。

ボール一個とバット一本で、夕方まで毎日遊んでたんだなあ。
今では「アンチ巨人」って言葉を余り聞かなくなってしまったけど、その理由は結構深刻だ。
「巨人」が単純明快な“リーダー”でなくなった今、プロ野球は明らかに動員数が落ちてる。
各地に根差したチームが増えて、そのチームの動員が増えている事は素晴らしいが、大きなうねりは感じない。
でもね、好きでも嫌いでも「巨人」が強いことによって、野球が生活の一部の様に野球をして来た大人が沢山いる。
そしてその大人が少年野球の現場で草の根活動を続けている。

正しく“三つ子の魂百まで”かあ。テニスでもこんな流れを作りたいぜ…って毎度同じつぶやきを繰り返してるなあ。
僕のスクールには1週間で約400人のジュニア達が通ってくれてるけど、テニスを今の日本で盛り上げるには、土地の問題含め、やっぱり学校とか公共施設との連携は欠かせない。
久し振りに顧問の先生にでも電話してみるかな。
でも何か照れくさいんだよなあ。

「滅茶苦茶遊んでるでしょう?」
「そうそう!殆ど家帰ってないんじゃないですか?」

おいおい、こんな集まりでもそんな目で見られているのか…。

「ほら!この人はプロなんだから!皆いろいろ話を聞いて!」

監督!コーチ、頑張ります!………又上手くのせられて深入りさせられてく気がする。

2007.7.22
Shibakubo 1
カテゴリー:word
07/26 08:21
05

Scene 176 [Cross Road Blues]

うずら串をしこたま喰って皆と別れて帰路についた。
流れに沿って大ガードをくぐって駅の方への歩いてたら、そこでは珍しくJazz MenがLiveをしてる。
立ち止まると気が変わって二軒目に行く予感がして駅に向かおうとしたけど、何か惹かれて立ち止まった。
交差点のコーナーで靖国通りをバックに演奏してる奴等は、ドラム、ベース、サックスの若い3人。
フリー・インプロヴィゼイションでいい音を出してて、SOMETIMEで聴いてる様な気になった。

とは言っても別にJAZZ通ではないんで、気がつけば客引きに引っかかってる奴等の脇をすり抜けて、足はゴールデン街に向かってる。
誰も誘いも引き止めもしてないのに、(あ-あ、せっかく帰ろうとしたのになあ)と頭の中でぼやくが、こんな瞬間が好きなことは否めない。
歌舞伎町ってのは面白くて、こっちがテンション低かったりする時にはやたら客引きが声をかけて来て、奴等の態度で自分の街の中での見え方がわかる。
今夜は声かけZERO。
俺は大方声をかけられないけど、まあ財布に穴が開いてるのがばれているんだろうよ。

さてフェドカップ。
失った代償も大きいけど、世代交代とまでは行かないけど、何かを期待させられた二日間。
業界雀みたいに結果論からガタガタ言わないが、チームにとってプレーヤーにとって“交差点”だったのは間違いない。
ただただ歩いているんじゃなくて、たまに“交差点”に出くわす方が楽しい。
「そんな“交差点”は滅多にない」って奴もいるんだろうけど、それは多分気付いていないんだな。
今この一瞬でも心の中に“交差点”はあるのに。

痛い目に会わずに、何も失わずに得られるものなんてろくなもんじゃない。
ロバート・ジョンソンは、クロス・ロードで悪魔に魂を売って最高のブルースマンになったと言われてる。
それが伝説とは言え、写真3枚と29曲の42テイクしか遺していない彼が、キースやクラプトンに影響を与え、未だに語り継がれているだけで充分だ。

Hey!Brother!次の“交差点”はどうしようか?
迷ってる暇はない。
俺達はいくつになっても、どんな時でも“交差点”にたたずんでるんだから。
そして後ろを見れば道は一つしかない。

2007.7.18
Shinjuku Cross Road
カテゴリー:Music
07/19 13:42
06

Scene 175 [真実一路]

“女子テニスは、ヒンギスの独り舞台になるより、たくさんの新しいスターが出現したほうがおもしろいという意見もあるだろう。でも、やはり女王は必要なのだ。そしてS.グラフ(ドイツ)に代わる女王としての風格を持っているのは、ヒンギスしかいないと思う。”[Tennis Classic break] 1999年3月号

ウィンブルドンが終って、こんな記事を思い出した。

俺はまだ白いテニスウェアが当たり前の時にテニスを始めた口なんだけど、ウッドラケット全盛でありながら既にYAMAHAのグラファイトは広まりつつあったし、古いテニス界の仕来たりが取っ払われて行くのを見て来た。
そんなこともあって、テニスに関してはラジカルな考え方をする方だ。
観戦する際も予定調和な結果よりは、番狂わせや新しい力の台頭を期待してしまう(勿論日本人選手を応援する場合は異常に肩入れするが)。
セイコーワールドスーパーテニスでは、(ボルグが負けるところ生で観れちゃう!-)ってドキドキしたな(結果はマッチポイントを逃れてボルグがアマヤに勝った)。

そんな俺が(そうだよなあ…)と納得させられたのが、冒頭の記事。
この記事のタイトルは「あなたが負けてどうするの!-マルチナ・ヒンギスの苦悩」。
心からテニスを愛し、日本テニス界だけでなくテニスそのももの行く末を真剣に案じている宮城黎子氏が、ヒンギスに向けた言葉。
この年は、故障続きのグラフに引退の影がちらつき、ヒンギスも全豪を獲ったものの、ダベンポート、ウィリアムス姉妹のパワーが目立ち出した年…テニスフリークには、グラフが全仏決勝でヒンギスに逆転勝ち、全英決勝でダベンポートに敗退した後故障が再発し、引退した年と言った方がわかりやすいかな。

今年のウィンブルドンに若干の淋しさを感じている人は、女子シングルス決勝の組合せがその原因ではないだろうか。
ヴィーナスの優勝は、2005年同様にドラマチックだったけど。
やはりウィンブルドンの決勝は、男子のフェデラーvsナダルの様に、誰が観てもわかる
その時の両雄が勝ち上がって来て、がっぷり四つの戦いを繰り広げるのが似合う。
その点今の女子は、誰もが認める“女王”、 そして“両雄”の不在で、日本のマスコミなんかはシャラポア頼みの記事に終始してる。
いや、これはシャラポアがいて良かったと言うべきか。

個人的には、この隙に森上選手を始め日本女子選手に駆け上がって欲しいし、イバノビッチ達若手がタイトルを獲るのも見たい。
男子もブレークや、ロクスがもうひと暴れするのも見てみたい…って、こりゃあテニス界の未来を案じてるんじゃなくて、個人的な好みじゃないか…。

う-む…「あなたが負けてどうするの!」、なんて力強い愛の言葉を吐くには、まだまだヒヨッコだな、俺は。

2007.7.12
Shinjuku Takano
カテゴリー:Tennis
07/12 23:16
07

Scene 174 [Fool to cry]

今年のウィンブルドンが終った。
と言ってもまだ準々決勝にも入っていないけど。

「どうしたの?何怒ってんの?」
夜中にウィンブルドンを観てたら、家人が寝ぼけ眼でリビングに入って来た。
安易に大勢側につくアナウンサーに怒ってたのが聞こえたらしい。
写真週刊誌的にシャラポアばかり取り上げたり、有名選手側に立った解説は本当に腹立たしい。
その時の試合は森上亜希子vsヴィーナス・ウィリアムズ。
しかもファーストを取られて、セカンド4-1UPからの再試合。
TVの前で皆がどういう想いで観てるかわからないのか。

まあいい。
とにかく試合中は(競ってもダメなんだ。勝ってくれ!)と念じてたし、試合前から勝つと信じてた。
地上波で観てたからとっくに結果は出てたはずだが、情報をシャットアウトして自分なりにリアルタイムで観戦したんだよね。
勝敗の行方は皆知ってる通り…。
彼女の悔しさを考えれば俺のは身勝手な落ち込みだけど、新聞、ニュース、WEBと試合の記事が載ってそうな所は全て避けた。
ありきたりのわかった風なコメントを載せてそうなテニスブログは特に避けた。

で、ウィンブルドンは終った訳だが、昨夜呑み屋でいい事があった。
テニススクールの幹部と昭和の香りがするバーで呑んでた。
自然と会話はウィンブルドンに、そしてやっぱり「森上悔しかったねえ…」。
その後奴が言った「セカンド5-1の30-0だったかなあ。森上がフォアのクロスをネットした時、(ああ…)って思いましたよ。あれが俗に言う“あの一球”ですかねえ」。
思わず握手しちまった。
俺もあのネットを観た時、「えっ-!」と呟き、血の気が引いた。
Badな事だけど、同じ想いで同じ感覚で観てた奴がいた事が嬉しかった。

その後は二人でもう“森上礼賛”。
ベースライン一杯に打って行けるハートの強さ。
キッとした眼差しとその目の力の強さ。
「セカンドの“あの一球”があっても、それでもファイナルは取ると思わせられたし、観てて心強かったよね!」

いい気分で帰路についた。
(そう言えば森上選手はダブルスもあるじゃん!)と、あれから初めて彼女のサイトを覗いた。
泣いちゃったよ…。
勿論お涙頂戴なコメントが出てたんじゃあない。

彼女のポジティブなエネルギーとタフネスさ、そしてイノセントな心に乾杯!

2007.7.5
Minoru
カテゴリー:Tennis
07/05 13:58
08

Scene 173 [Freedom of selection]

「辞めないで下さい!お願いします!」
いい大人が数十人涙ぐんでる。
皆の視線の先には一人の老人。
少年野球チームの下級生親子のBBQ。
公園でやるはずだったが、雨で近所の集会所。
子供達は雨の中外で遊んでる。
親達の涙の訳は、その老人が数日前に言った「今月一杯でコーチを辞める」
という一言。

コーチに必要な事は、指導力云々の前に“情熱”と“継続性”。
「この選手を-してあげたい」という“情熱”と、それを根気良く続けて行ける“継続性”。
いや、それを含めて指導力というんだろう。
彼にはそれがある。
「リタイアしてるんだから当たり前だ」なんて言う奴は、金をもらってる仕事でさえ誠実にこなせない大馬鹿野郎だな。

でもね、自分の都合でしか物事を考えられない勘違いしてる奴は確かにいる。
今回の騒動の発端はこんな感じ。
彼は、まだ野球が上手くない子達の為にTボールの練習(台座の上に置いたボールを打つ練習)を練習前に自由参加で行っていた。
それを数人の母親が、「早くから練習に行くと疲れ切って帰って来て不機嫌で困る」「自由と言っても子供が行きたがるから困る」といった意見を出したってこと。
あのなあ、“自由参加”なんだよ、“自由参加”。
わからなければ、“自由”って辞書で引いてみな。
この手の“選択の自由”があるのに文句言う奴って何なんだよ。
TVにはチャンネルが付いてて、嫌ならチャンネル変えればいいのに、わざわざ新聞の投書欄か何かにしたり顔で文句言って来る奴等と一緒だ。
“選択の自由”がわからない奴は、“言論の自由”を勘違いする。
そんな親がいりゃあ、そりゃあ嫌になるさ。

親達が涙ぐんで引き止めた後、遊び疲れたのかタイミングを見計らってたのか、子供達が部屋に入って来てポケットから手紙を出して一人一人、「コーチ、辞めないで下さい」と手渡した。
親の差し金ではなく、下級生クラスのリーダーの子が“自主的”に皆に呼びかけてたとのこと。
子供らしい紋切り型の言葉とつたない字のメッセージ。
彼は一言「俺は幸せだね」。

スポーツ界の草の根で頑張ってる人達の幸せ。
それは単純に、選手の成長と、選手と周囲の気持ち。
ガキの頃だけでもテニスに明け暮れていた俺には良くわかる。
来月も彼はグラウンドに立っているはずだ。

ガキの頃のテニスって言えば、昨夜ダブルスのパートナーだった先輩からこんな電話をもらったよ。
「頼まれたものさ。日本全国探したけどどっこにもないんだよ。でもさ一個だけ見つけたから、発売日に本店に取りに行ってな」
頼んだものは7月7日発売の【ドリフ大爆笑30周年記念傑作大全集DVD-BOX】の10,000セット限定フィギュア付初回限定版。
発売予定を知った時には、とっくに予約終了で通常版のみ予約可。
その先輩は昔のテニス仲間と呑むと、俺のことを「関東大会に連れてってくれた」と言ってるらしい。
う-む、確かに高校から硬式を始めた先輩を成長させたからな!

先輩ありがとうございます!今度は何頼もうかな-!

2007.6.28
Iidabashi A5
カテゴリー:word
06/28 13:20
09

Scene 172 [螢]

そう言えば、先々週螢を観に行った。
大人になってからは…いやっ、ガキの頃から通じて初めてか。
とにかく螢を観た記憶はない。

「深大寺の野草園で螢鑑賞会がある」との事だったが、そもそも深大寺に野草園があるなんて聞いた事がない。
「植物園だろ?」と車で向かったものの、植物園の門は閉ざされ、参拝時間もとっくに過ぎた山門前の蕎麦屋は殆どが閉まってる。
仕方なく交番で尋ねると、更に調布よりの中央道を越えた辺の調布市野草園が会場だった。

車では入っていけず、住宅街の狭い道から田んぼの間の、あぜ道がそのまま公道になった様な道を歩く。
会場に入った頃から徐々に雨足が強まる。
このまま強くなって行くと螢が飛ばないから中止。
と言って今開場しても明る過ぎて螢観賞にはならない。

ちょっとやきもきしながら並んでいると、「あっ!-螢だ!」という声。
野草園の中の茂みに緑色のほのかな光。
入場前に「フラッシュに関係なく、カメラ、ビデオ、携帯といった少しでも光を出す物は螢が驚くから禁止」と注意がある。
気付くと辺りは真っ暗で、ちょっと先に中央道の薄暗いランプが見える。
本当の闇が少なくなったんだなあと感じる。

中に入ると皆口々に「あっ!-いたいた!」と声をあげる。
先の方で液晶画面が光っているのが見えて、(どこかのガキが携帯で写真撮ろうとしてるのか…)と思いきや、お爺さんの一眼レフ。
ダメだよね、「ちょっとだけ」は。
徐々に闇に慣れ、螢のかもし出す雰囲気に影響されてか、皆静かに歩いて観賞してる。

帰りの車の中、ガキ共は「お便りノートに螢観たって書いておいて!」と楽しそう。
俺は何かのんびりした気分で、こんな歌を頭の中で鳴らしてた。

“螢を見るなら あの町が一番さ 小さな川には いくつも橋がかかってよ ひっそりと そしてあったかい その川の回りには いろんな店がポツポツと 飲み屋やら メシ屋やら それがまた うまくてよ ひっそりと そしてあったかい 一の坂川へ お前を連れて 一の坂川へ連れて帰る”螢/SION

家に帰って会場でもらった案内文には、「螢は通常1年で成虫になる。成虫の平均寿命は約2週間」。
頭のどこかで知ってた事だけど、本当に刹那、そして切ない。
今頃あの時の螢達は…。
それでも俺等の脳裏には、あの闇と螢の光が浮かぶ。
生きるって事はこんな感じなんだろう。

案内文にはこうも書いてあった。
「螢が生息するには年間を通じて安定した流れがあり、合成洗剤等が流れ込まず
泥水も流れない小川やせせらぎで、水辺に土があり草木が生えていて多くの生物
が生息する環境が必要。こうした環境は人間にとっても良好な環境と言える」
でも現実的に俺等はコンクリート・ジャングルに住んでいて、そのジャングルはボブ・マーレーが“コンクリート・ジャングル”と痛烈に歌い上げた頃より、更に増幅して混迷している。

繊細な生物が棲める環境は人間にもいい。
これは「子供にとっていい環境は大人にとってもいい」って事だ。
じゃあテニスをやる環境は今子供にとってどうだろうか?
普及型と強化型と変に二極化してないか?
縦横の連携のないスポーツの先行きは明白だ。
それぞれのポジションで俺達はまだまだ動ける。

一応言っておくと、ゴールデン街が子供にとっていい街になる必要はない。

2007.6.20
Misakicho
カテゴリー:SION
06/22 09:40
10

Scene 171 [遊ぼうよ]

「いいっすよ」
良く耳にする体育会系言葉。
これが最近凄いいい言葉だなあと感じてる。
年下、部下が年上、上司に応える言葉だけど、ギクシャクしがちな縦関係を気さくに親しげにしつつ、上の者への親愛の情がこもっていて、下の者の気遣い、優しさが見える。
人間関係ってやつは上の者の器量も大事だけど、下の者の器量も大事なんだよね。
ちょいと鼻高々のあんた、実は下の奴等があんたが鼻高々でいられるスペースを作ってくれてるんじゃないかい?
まあそういう場合は、あと少しすればあんたと彼等の立場は入れ替わっているんだろうよ。

この手の話で今も思い出すのは、高校時代の部室での出来事。
練習が終って部室で着替えていると、皆(何か面白いことないかな?)と悪戯を始める。
それはたいていが先輩が後輩をからかうことになるんだが、テニスが上手い先輩や人望がある先輩にちょっかいを出されると、皆「何するんすか!-」と笑って応える訳だ。
そしてある日、いつも通りふざけが始まった。
標的は俺等の同期のお調子者。
その日は皆がそいつに乗っかって行く様な感じだったかな。
おふざけも終りかなというタイミングで、大して上手くも強くもない先輩がそいつにちょっかいを出したその時、奴のデカイ声が部室に響いた。

「ふざけるんじゃねえですよ!」

俺等は腹をかかえて大笑い。
面白いだろ?これ。
言われた先輩は若干バツが悪そうだったけど、もし奴が「ふざけるんじゃねえ!」って啖呵切ってたら、あの先輩の立場はなかったよね。
俺の周りはそういう啖呵を切る側の奴等ばっかりだから、何かと笑いが溢れてる。
そう言えば旦那に、「人間関係はユーモアなんだよ!」って怒鳴りつけて離婚した女がいたなあ。

バーに独りで呑みに行く楽しさは、そこに居合わせた客同士がそれなりの接点を見つけて、笑いに結び付けて行くところなんだが、やっぱりどこでも空気が読めない奴はいる訳だ。
でもそいつを邪険には扱わないで、話を上手く誘導してやったり、わざと話の腰を折ってやったり、空気の読めなさを利用して面白がったりするんだよね。
勿論たまには説教みたいになってる時もあるが。

さて今周りを見回して、あんたの周りにはユーモアがあるかい?
口から生まれて来たあんた、皆を楽しませてるか?
口下手のあんたも、とりあえず隣の仲間に声かけてみないか?
えっ-!「どう声かけたらいいかわからない」。
そうだな、まずはドリフのDVDを観ながら、長介と一緒に「おいっすー!」とでもやってみようか?

2007.6.14
Nishiarai-honcho
カテゴリー:word
06/14 17:00
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