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another side of tennis

[Another Side of Tennis] 坂東海 カテゴリー:KAI

新宿ゴールデン街バーの片隅のテニスと音楽の与太話です。
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01

Scene 214 [たどり着いたらいつも雨降り]

入学式が終るのを待ちかねたかの様に雨が降り出した。
どこかで遊んでて“Rain Dogs”になった長男を着替えさて、皆で写真館へ。
まずは娘がランドセルを背負ってポーズ。
そして(こういうの似合わねえんだよなあ……)と感じつつも、家族4人でポーズ。
いくつになってもシャッターが切られると、(目瞑っちゃったかな?)とちょっと不安になる。

気のいい主人がやってる釜飯屋でお祝い。
とは言え、車で酒は呑めないから、あまりテンションは上がらない。
こりゃあ晩飯の時に、GANCIA Asti Spumanteで乾杯&ガブ呑みだな。
しかし、ここの釜飯は美味い。
お焦げのお茶漬けは本当幸せ……呑んだ後にこれ喰ったら……。

そのままテニススクールに向う。
「今は雨止んでるけどテニスあるの?」
「そんなの時間になんないとわかんないよ」
「何それ?元あそこのテニスコーチでしょ?」

そう、長男と長女を昔バイトしていたテニススクールに入会させた。
この間久し振りにあった友人が、「子供が中1になってやっと、テニスがしたいって言い出したよ。こればっかりは本人次第だからねえ。親が無理矢理やらせようとしてテニス嫌いになっちゃうとね」と言っていたが、ウチも正しくそう。
正月位だったか、二人して「テニスやりたい!」と言い出した。

「雨降って来て皆がテニスやらなくても、私は絶対テニスする!」
娘が張り切って言った時、フロントガラスに雨滴がポツリ。
「中止なら戻って机買いに行ってあげようよ」
「いや、でもさあこの位なら出来ると思うんだよなあ」
「行ってから中止になるとかなり時間の無駄だよ。二人で休みの日なんてなかなかないんだから、今日いろいろ準備したいんだよね」

パワーウィンドウを開けて手を出して見る。
バイトしてた時は、良くこうやって空を見上げてたな。
でも今日はすぐに手を引っ込めた。
当たり前だけどテニスウェアを着て空を見上げているコーチ達なら濡れてるとも感じない程度の雨だけど、スーツを着ているとやっぱり気になる。
歩道を歩く人達は女性から傘を開いて行く。

電話をしてた家人が電話を切り、「今のレッスンは中止になったけど、次はやる予定だって」と不服そうに言う。
「そりゃあそうだよ。コーチ達は少しでもレッスンしたいんだから」
子供達は「Yeah!やったあ!行く!行く!テニス行く!」と大騒ぎ。
「この間も雨だし、これで今日も降って来たら……。来週も雨予報だし、振替入れるのすんごい大変!パズル状態!」

結局30分で雨中止。
四国で幼い錦織選手をたまにみてたというヘッドコーチと世間話をして帰宅。
中止になった時は、「私だけでもやる!」と息巻いていた娘も、息子と二人で「30分だけでも出来て良かった!楽しかった!」と笑ってる。
「そうだよな、2週空いてたから、コートで球に触れられただけで良かったよな」
家人も「まあタダで30分テニス教えてもらったんだからね、まっいっか!ウルソンでまあるいケーキ買って帰る?」

おっ、いい感じじゃん。
GANCIA Asti Spumanteでケーキだぜ。
そうそう今日はあのイカしたシンガーにも乾杯しないとな。

2007.4.7
Sakai2
カテゴリー:KAI
04/10 13:05
02

Scene 209 [プロペラ]

破けたパンツの穴からのぞいてる、血だらけの膝小僧にヨードチンキを塗られてる。
膝小僧にはガキの頃何度もすりむいて消えない傷痕があるけど、この歳になって看護婦さん(あえて親愛の情をこめて看護師とはしない)に、ヨードチンキを塗ってもらって、絆創膏を貼ってもらうとは。
しかもここは真夜中の病院。
医者にも看護婦さんにも呆れられている気がして来る。
いやその前にこの俺が(ガキじゃあるまいし……)と、自分自身にがっかりしてる。
最後は眉毛の上のぱっくり開いた傷をホチキスで二針とめてもらって帰宅した。
イタイ……。

十日位前の夜。
42inchのデカイ画面の中で、甲斐よしひろが竹内まりやの「駅」を唄ってる。
一緒に観ていたプロゴルファーは「かっこいいですねえ……」とため息。
“あの声”を聴くと、それが新しい歌だろうがカバーだろうが、俺は中3に戻る。
ニューアルバムの中では尾崎豊の「I LOVE YOU」も唄ってる。
初めて「15の夜」を聴いてイントロの音にぶっ飛んだ時の事を思い出しながらも、俺はやっぱり甲斐バンドが同じ1983年に、新宿の現都庁の空き地に3万人集めた野外ライヴが頭の中に蘇る。
あの時は前の日まで軽井沢でテニスキャンプだったんだよな。
お客さんは入替り立替りで数日滞在して帰って行くんだが、俺等はよく工事現場にあるスーパーハウスに数週間泊まり込んでのレッスンで、これぞ出稼ぎって感じだった。
やっと契約期間が終った帰りの高速バスが新宿行きだったから、走ってリハを観に行ったっけ。
「文化は孤独を救う」
どっかで見た言葉。
その通りだと感じる。
音楽、本、映画……。
特に音楽は俺をあっという間にガキの頃に引き戻す。
勿論だからと言って、真夜中にガキみたいに転んで怪我する必要はない。

顔の腫れも大分ひいたある晩、iBookを開いてのメールチェック。
「プロペラからの大切なお知らせ」という件名が目を引く。
(大体こういうのってシビアなんだよなあ)と開くと、「しばらく活動停止」……。
翌朝、もう随分長いつき合いになるボーカルとドラムにメール。
と言っても「お疲れ。淋しいね」程度だが。
俺等の結婚パーティーの出席の返事に、デビューが決まった直後で「プロペラゆうたろう」と書いて寄こしたのを思い出す。
パーティーじゃアコギをかき鳴らしながら、♪Happy Happy Wedding Song Congratulation♪と唄ってくれたな。
久々に奴等のデビューアルバムを手に取ったら、中からメンバーと西村雅彦が一緒に写ってるステッカーが出て来た。
西村氏の髪の毛のボリュームが今とは違う。
デビューがドコモとのタイアップだったんだよなあ、あれから11年か。

<いやいや メールせんきゅ~!!!てなことんだけど うたっていきますわ~ また飲もーぜ! ありがっと。>
<うす! ありがとちゃん 20年振りのフリーな感じをしばらくは楽しむよ(笑)>
あけっぴろげな笑顔が浮かぶ返信が相次いで返って来た。
そうだよな、いくつになってもやるべき事をやるだけだよな。
俺等はいつまでたっても健全な不良少年だ。

いつまでも ボクらが歩く日々に
いつの日か 本当の青空を
どこまでも キミを好きでいるために
いつの日か 本当の心の強さつかみ取るから きっと
そして君に 今こそ愛を…
(君に・・・/プロペラ)

2007.3.5
Shinakitsu
カテゴリー:KAI
03/06 12:09
03

Scene 201 [Sad iPod]

[Another Side of Tennis]
坂東海

Scene 201
[Sad iPod]

iPodが壊れた……。
リセットで復活で何とか騙し騙し使ってたけど、この間見慣れないアイコンが出て来た。
気を失ったんだか、めげたんだかした顔のiPod。
どうやら【Sad iPod】って言うらしい。
確かに悲しい。
ちぇっ、数年前の誕生日プレゼントにAppleStore限定のレーザー刻印を入れてもらったやつなのに。
「じゃあiPod Touchですね!」
確かに、Touchは欲しいって言ったし、新しいnanoの薄さと液晶の綺麗さに驚いたけど、
そんな顔するなよ。

と言う訳で家人の初代iPod shuffleを借りた。
昨日までは甲斐バンド、シオン、DYLAN、STONESの全アルバム、その他諸々をぶち込んで持ち歩いていたのに、これはたった120曲しか入らない。
(どうしようかなあ)と思案しながら入れたのは、SIONの新しい順での120曲。
朝のラッシュが終りかけた急行に乗って、独りだけの秘密に時めく感じで鞄から出した。
そしたらこいつがいい!
まず小さくて軽い。
首からかけるのは今日のカッコには合わないから止めた。
今聴きたい気分で選んだ120曲が沁みる。
「全カタログを持ち歩ける」「その日の気分で選べる」「全然聴いていなかった曲がシャッフルで飛び出して来る」
それはそれで素晴らしいけど、これも何かいい。
“足るを知れ”ってやつか。
とは言えもうすぐ、観れなかった腹癒せの甲斐バンドの紙ジャケ再発17枚+新ベスト1枚の計18枚一気買い分が届くからな。
足りないものは足りん!

でも好きなアーティストのアルバムが出ると、女もテニスもほっぽらかして家に帰って、ステレオの前に座り込んで朝まで何回でも繰り返したこと、WalkManを手に入れたら入れたで、どこでも同じ様に繰り返し聴いていたこと。
あの感覚は今でも残ってる。
流石に家に飛んで帰っても、スピーカーの前に座り込んでもないけど、新譜が出ればバーのカウンターで毎晩聴いてるし、iPodはリピートかけて聴いてるよ。

そんな初期衝動で言うと、初めてテニスコーチとしてコートに立った時の事も覚えてる。
それまで選手としてしか立って来なかったコート。
違和感は感じたけど、自然とデカイ声が出て、選手の時と同じ様に一生懸命ボールを追って、子供達と笑い合って楽しかったな。
そう、テニスコーチってのは打ち合って、ボールメイキングして、あるいはスコアメイキングして選手を育てて行く。
俺等をガキの頃相手してくれた“白髪ジジイ”は今も現役コーチ。
今度飯でも奢ってもらいに行こう。

話は戻って又iPod。
Shuffleのキャパに合わせて、初めて落語を入れてみた。
まともに聴くのは小学校以来だ。
電車の中で笑いそうになってコートの襟を立てて表情隠して聴いてたけど、すんげえ表現力に舌をまく。
お題は「しじみ売り」に変わった。
改札を出て地上に出た辺りで最後の佳境に入った。
歩きながら泣いちゃったよ。
(参ったな……)と歩いてたら、最後のオチで笑わされて泣き笑い。
こりゃはまったな。

2007.1.9
Kyounancho2
カテゴリー:KAI
01/10 17:38
04

Scene 196 [激愛~パッション~]

有明のクラブハウス前の旧センターコートに約1,000人が集まってる。
なかなか凄いが、テニスコート2面だと1,000人入ってもまだまだ余裕はある。
改めてテニスコートって広いんだなあと実感。

開会式後約1,000人が有明全面に散らばって団体戦開始。
流石に1,000人いるだけあっていろんな人がいる。
耳が不自由な方が多くちょっと驚かされる。
試合を観ていると反応も良く更に驚かされる。
そしてその中で微妙なジャッジを繰り返す人がいたり、ちょっと嫌味なプレーをする人がいて、(そういう事もするんだ?!)と感じてる自分に驕りを感じて苦笑い。

試合はミックスダブルス3試合の団体戦。
ジュニア時代にミックスダブルスを殆どやって事がないからか、途中から何か羨ましくなって来たりして……。
とにかく楽しそうな姿に心が暖かくなった。

翌々日時間が取れて、雨上がりの公園のコートにガキ二人を連れて行った。
「冬場は4時迄だから後1時間しかないですよ」
「1時間だけでOKなんでいいです」
「3時間単位じゃないと貸せないんですよねえ」
「え~っ!1時間分払うからいいじゃないですか」
「まあ黙ってるから遊んで来て下さい。3番でもどこでもいいから」
おじさんはガキに笑顔を向けて事務所に戻って行った。

奇麗に紅葉した木々に囲まれたセンターコート。
ノーバウンド、ワンバウンド、ツーバウンド関係なくラリー。
冗談で打ち込んだボールを長男がまぐれでストレートにエース。
娘がネット際から打つサーブ?がエース。
楽しい。
でも神経の奥の方で、(やっぱテニスはサーブ、レシーブだ。ジュニアのレッスンでのボリュームを増やさないと!)という想いが沸々して来る。

そして又その翌々日。
今度はある小学校の体育館。
子供達の発表会を観てる。
つたない演技、はにかむ姿、あっけらかんとした態度、緊張した子をフォローするひそひそ声。
いずれも大人の世界じゃ冷たい視線に晒されかねない仕草がいい。
俺達は見栄張って、見下して、挙句の果てはそれで自分を苦しめてで、全く何してるんだろ。
子供達の演技の意味が通じづらくて、大人達が反応出来ない気まずい雰囲気が漂いかけたその時、最前列で観ていた女性の校長が意味に気づき「クスッ」っと笑った。
ふーっと空気が暖かくなり、拍手が起きた。

“愛しかない 世界ゆらすのは”KAI FIVE

2007.12.5
Yato
カテゴリー:KAI
12/06 16:45
05

Scene 193 [破れたハートを売り物に]

「でもハートが破けたら又くっつければいいんだよね?!」

まだ娘が2~3才の冬だったか、今はどでかいマンションになってる自宅側の工場の万年塀沿いを散歩してた時の一言。
ガキって奴はキャッチーなメロディ、言葉、リズムに敏感だ。
俺が聴いてる古い歌の中でも、教えた訳でもないのに流行った歌に興味を示す。
良く「あいつらは売れ線狙いで~」と皮肉ったりするけど、それは頭でっかちな感性かもしれない。
まあとにかく娘と手をつないで、「♪破れたハートを売り物にして 愛に飢えながら一人さまよってる♪」と唄ってたら、「ハートって破けるの?」と聞いて来て、「うん、大きくなって悲しい事があると破けるんだよ」って返事した後の娘の一言。
恋の痛手を受けちゃあ、しょっちゅう世界中の悲しみを背負った様な面してたくせに、確かにあの頃何度も破けたハートはくっついてる。
とは言え、喜びはリアルに蘇って来ないのに、痛みって奴は瞬時に蘇って俺をあの時に連れて行きやがるからな。

「お前さ、蝮谷のチャレンジャー観に行くんだろ?」

古いテニス仲間からの電話。
US OPENに憧れてNYに渡って紆余曲折で今日本テニス界に帰還した奴。
ずっと歯を食い縛ってジュニア育成して来て、今トラブルをラッキーなターニングポイントにしつつある奴。
そして俺。
「頑張ってたよ」なんて慰めをされれば睨み返してた頃からの付き合いの俺等は、「大学から世界を!」という大会を観ながらどんな話をするんだろう。
俺は今、夢の形がすり変わってしまう事があるのも知ってる。
でも無様でも夢というナイフを腹の中に呑んでいられるのも知ってる。
そしてその夢がてめえを諦めの悪い臆病者にすることがあるのも知ってる。
そんな俺でも「若手男子にチャンスを!」という運営サイドと、単純に勝負に賭ける選手の熱い想いにグッと来るんだろう。

そして今夜。
俺は奴とガキ二人、四人で渋公の最前列ど真ん中にいる。
耳慣れたストリングスのイントロが流れて、シンガーがGibsonのアコギをかき鳴らしながら唄い出した。
ガキが横でニコニコして手拍子を取りながら、♪破れたハートを売り物にして♪と唄ってる。
1981年、ませてから初めてのハートブレークをして、次の恋に夢中になって学校が終ればいつも神宮外苑に駆け付けてた秋に出た歌。
オリジナルはシンプルな歌詞とメロディに溢れ出るアフリカンパーカッション。

“生きることを素晴らしいと思いたい”

あの頃どこにでも書きなぐってた言葉。
そうなんだよな。

2007.11.11
CC Lemon Hall
カテゴリー:KAI
11/15 10:27
06

Scene 187 [ドタキャン]

八王子駅から八王子市民会館への一本道。
わくわくしながら歩いて行くと、“同じ人種”とおぼしき奴等が冴えない表情でこっちに歩いて来る。
(???)となりつつも会館まで歩いて行くと、友人が待ってて「甲斐がぶっ倒れて中止だって」。
後で、[フェアリー]のPVの撃たれるシーンを収録中にガードがずれ胸の上で直接火薬が爆発した事で、心臓に水が入ってライヴ当日の朝に体が動かなくなったと聞いたけど、八王子では、(「這ってでもステージに出る」と言ってたバンドが何故…)と、信じられない気持のまま八王子の居酒屋で呑んだくれた。
でもね、振替公演は滅茶苦茶熱かった。
今でも覚えている、1985年のこと。

次は横浜。
奴と車でロッド・スチュワートを観に行った。
会場の隣のパーキングに入れようとしたけど、「まだ時間あるし…」とちょっとぶらついた後、新横浜の方から会場の方に車を走らせていたら、何か後ろがうるさい。
バックミラーにはパトカー。
で、すったもんだの挙句切符切られた…。
でもガキの頃から好きだったのに、タイミングが合わなくて観れなかったロッドを観れるんだからまあいい…勿論本当は良くない…ちきしょーっ!ロッド盛り上げてくれよ!
車から降りて横浜アリーナに行ったら、ガランとしてて誰もいない。
そして公演中止の貼り紙。
どうやら、数日前から中止広告を新聞でうってたらしい。
確か振替公演はなかったけど、数年後にやっと観れた時は、二階が暗幕で覆われた武道館のオープニングで、「Get Back」をかまして来てカッコ良かったな。
最後の曲でバンドが後奏をしてる中、イヤフォンを外してジャケットのポケットに入れながら、振り向きもせずにさっさとステージを降りて行ったけど。

そして今夜、千葉の田舎町の美味い蕎麦屋。
今日の仕込みと明日からの大会への乾杯をした直後のメール。
<フェデラー欠場ですよ…>
「まじですか?!」「今年はガキにフェデラー観せてやろうと思ってたのに」「せっかくのロイヤルボックスがあ!」「連戦の疲れが原因みたいよ」「俺だって疲れてますよ~」「みんな疲れてるよねえ。と言う訳で俺東京帰っていい?」「代りは誰か来るんすか?」「フェレール、ガスケ、ヴィーナスだって」「ふ~ん…えっヴィーナス?!」「フェデラー1人分でその3人呼べるってこと?!」「すいませ~ん!天草のボトルと割り用に緑茶下さ~い!」

トラブルとハプニングの後は、それ故に燃え上がらないとね。
What’s Up!Japan Open 2007!

2007.9.28
Higashishinjuku
カテゴリー:KAI
10/04 21:18
07

Scene 166 [MUSIC DAY]

チケットの座席番号はSA列31番。
(A〜Zのその後ろかあ…)と座席図を見ると、何と最前列。
ちょっと後ろからのプレッシャーを感じつつ、ビールを呑みながら開演を待つ。

殆ど演出がないままフラッとバンドが出て来た。
そして上手にいる俺の目の前で、66才のギタリストが軽快なイントロを弾き出した。
[傷だらけの天使]!そして間を入れずに[太陽にほえろ!]。
ギターが唄ってる。
かっこいい…。

井上尭之バンドが一旦退き、ステージ上には押尾コータローだけ残る。
彼は今一緒にプレーしたギタリストと、これから出て来るシンガーに対する敬愛たっぷりのコメントをした後、アコギ一本で凄いパフォーマンスをやってのけた。
ベースは勿論、ドラム、パーカッションとあらゆる音が鳴ってた。

そして彼が高校生時代に大阪城ホールで、「甲斐〜!」とこぶしを突き上げ叫んでいたというシンガーを招き入れる。
二人で[安奈]と[翼あるもの]。
甲斐が押尾コータローのギターに刺激されているのがわかる。
[翼あるもの]で押尾コータローは、アコギ一本で甲斐バンドを再演してみせた。

井上尭之が入って来て、甲斐は彼がギターを鳴らす姿をファンだったという少年時代に戻ったかの様に横で見つめ、感嘆の仕草を繰り返す。
更にバンドが加わって、一気にステージは加速して行く。
ラストの曲のイントロの泣きのギターが始まった瞬間、客席のあちこちからため息があがった。
[時の過ぎゆくままに]。
‘79年頃だったか、「今一番曲を書いて欲しいのは誰?」との問いに、ジュリーが「甲斐よしひろ。でも無理だろうなあ」と答えたという話を思い出す。
最後のサビの前の上り詰める様なソロを井上尭之が目の前で引いてる。
涙がにじむ。
エンディングで客席に背を向けて井上尭之と抱き合った甲斐のサングラスの下は、泣いている様にも見えた。

上手の俺からは下手に下がったバンドがそのまま会場を出て行く感じに見えた。
アンコールの拍手は延々と鳴り止まない。
しばらくすると下手の袖が慌しくなり、バンドが缶ビール片手に戻って来て、今日2回目の[HERO]。
物凄いエネルギーとリスペクトが交差してる。
正しく“音を楽しむ”=“音楽”。

ここまで来て今更だが、5/4は[MUSIC DAY]なのは知ってた?
毎年この日は主だったライヴハウスが、一斉に[音楽の日]としてイベントを組んでる。
元祖はフランスで、何でも30年以上前から夏至の日に、老若男女で1日中音楽を楽しむらしい。
日本の[MUSIC DAY]は今年で10周年。
で、もうわかったよね?
[TENNIS DAY]=[テニスの日]だよ。
奇しくも[テニスの日]も今年、区切りの10周年。
9/23は[MUSIC DAY]みたいないかしたコラボが生まれるといいな。
皆のテニスへのリスペクトで、いい祭りにしようぜ。

2007.5.4
Jingumae
カテゴリー:KAI
05/10 20:39
08

Scene 164 [Spicy Life]

頼まれ物で入ったスーパー。
何気なく通ったカレーコーナー。
[LEE(辛さ×20倍)]。
殆ど無意識に5箱位買い物籠に入れる。
(30倍はまだ出てないかなあ)と探したけど、夏限定だけにやっぱりまだない。
家に帰って箱を見ると、パッケージがちょっと違う。
良く見ると昔から変らないデザインに、勲章の様な吹き出しで「2006激辛激ウマ日本一決定戦ホームカレー部門優勝」。
(おお~っ、皆わかってんじゃん!)と嬉しくなった。

食べ歩き何て大げさなもんじゃないが、美味くて辛いカレーは探したもんだ。
[ボルツ]から始まり、今は[プーさん]一筋(たまにココイチやリトルスプーンにも行くけど)。
[ボルツ]時代?はほぼ毎日朝まで呑んでたから、昼は刺激を求めて辛いカレーって感じで、[ボルツ]は辛さMaxまで制覇。
食べ終えて「俺も大人になった気がするぜ!」とバカな事を言った覚えがある。
[プーさん]はね、もうFuckin’Great!で、一番辛いのじゃなくても大満足!
むしろ一歩手前でゆっくり味わいたいなんて気になる。
そしてこの店を出ると、俺と奴は必ずこう言う…「幸せ!」。

[激辛激ウマ日本一決定戦]のホームページを覗いたら、[LEE]の発売開始は1986年。
発売当初はどこでも売ってる訳じゃなくて、見つけたら買いだめ。
ある時なんて見つけたその足で、同じく[LEE]ファンのギタリストの家に向かって、途中のホカ弁で白飯を調達して、クーラーのない部屋で汗をダラダラ流して喰ったっけなあ。
バイト先のスクールでも、電気ポットの中に[LEE]を放り込んで喰ったよ。
[LEE]の30倍は暫く販売されていなかったのが、1996年に復活して夏のスペシャルアイテムとなってる…なんだかどっかのB級グルメっぽくなって来ちゃったな…。

1986年と1996年?甲斐バンドの解散と復活だ。
武道館5日間連続での解散ライヴ。
毎日通って毎晩呑んで、あげくの果ては最終日、甲斐バンドがビッグイベントをやった都有5号地(現都庁)に入り込んで呑んで…武道館の後の黒澤フィルムスタジオでのスペシャルライヴのチケットはダフ屋に電話して5万で買って(俺のすぐ後に電話した奴は10万、その次は15万って上がって行ったのは笑った)、あれが1986年。
ライヴは超満だったけど、働き出した奴が多くていつも一緒だったメンツが揃わなかった1996年。
そうそうこの年、俺と奴はハワイでちょいとしたセレモニーをしたっけな。
そして去年、2006年、10年後の2016年…。
何て、演歌歌手みたいに10年周期で物思いにふけってどうする!
とにかく“辛いものは残る”ってことだ!?

さてさてこの先俺はどこへ行くんだか、何をしでかすんだか…。
OK!OK!エネルギッシュにやって行くしかないよな!
俺にはまだ自分の心の中の声が聴こえる。

今夜は嬉しいメールが入ったから、もう1杯だけ呑んでから帰るかな。
おめでとう。
いつも通りフォアローゼスのジンジャエール割で乾杯しといたよ。
これからもお互いスパイスの効いた人生を楽しもうぜ。

2007.4.25
Hanazono3
カテゴリー:KAI
04/26 12:14
09

Scene 161 [ラン・フリー(スワン・ダンスを君と)]

スポーツ番組のコメンテーターに、そのスポーツと関係ないタレントが起用される様になったのはいつからだろう?
プロ野球のオールスター?まああれはお祭りだから正しい。
やっぱりプロ野球の副音声?これも副音声ならではの雰囲気で面白かったからOK。
ちょっといつからってのは思い出せないけど、とにかく陸上、バレーボールと「感動しました!」系のオンパレードの押し売りに辟易してチャンネルを変えてしまった。

プレーの最中の陳腐なコメントはまだ我慢出来る。
エンターテイメントとしてショー・アップするのもいい。
到底我慢出来ないのは、その競技の専門知識のない奴がするインタビュー。
専門知識って言うよりは愛のないって言う方が正しいか。
そんな奴等が出来る事と言ったら、ワイドショーの冠婚葬祭レポート並みのインタビュー。
最近だと某民放の世界フィギュア。
優勝して涙ぐんでいる安藤美姫選手に「今のお気持ちは?」………。
そして最後はお決まりの「これをご覧になっている皆さんへ一言!」。
勘弁してくれよ…。
お前は視聴者の代表でも何でもない、単なる野次馬の代表なんだからさ、「今の気持ちは?」と頭の悪い場違いな質問は仕方ないけど、いかにも「皆の代表です」みたいな態度をとるなよな。

何て、インタビューアー君だけを責めても仕方ない。
日本にはスポーツ文化ってものがないんだから。
“運動部”と文化部”、 “体育の日”に“文化の日”。
ガキの頃からこれじゃ、確かにスポーツ文化なんて理解出来ない。
そうでなきゃ“世界一”のアスリート達に、あれだけリスペクトのない態度をとれないよな。
でもなあ、グラミー賞とかアカデミー賞の授賞式のスピーチ位観てないもんかなあ。

(そう考えるとテニスって、マナー的にもプレー中はコメントし辛いし、タレントのコメンテーターっていないな…)と考えていたら、思い出した。
元阪神の掛布が引退したばかりの頃に、確か全豪オープンのコメンテーターをしてた。
そこで彼が言った言葉は、
グラフは“おっぱい”が大きいからフォアハンドストロークのフィニッシュが
人と違って右肩の上に行くんです」
これは皆で大うけした!素晴らしい!
何てくだらない話をする前に、テニス中継事情の今は、タレントコメンテーターどころかグランドスラムの中継だって怪しいんだから、そっちの方が問題だが。

そう言えば世界フィギュア男子フリーのゲストは松岡修造氏。
テニス番組のゲストに他のスポーツ選手が出てるもんなら、「何だよ、あいつ関係ないじやん!」とでも毒づくだろうに、修造氏がスケート番組に出てると、「スケートだけにコメントが滑ってるねえ」とギャグ飛ばす程度なんだから、全く現金なもんだ。

でも今回の世界フィギュアは、そんな周りの事は関係なく良かった。
俺はたまたま数場面観ただけだったが、いずれも選手のパフォーマンスは素晴らしく、モチベーションの高さとガッツが伝わって来た。
電波の悪い車の中の荒れた画面で観た高橋大輔選手のフリー。
浅田真央選手の凄い滑りの後の安藤美姫選手の滑り。
家族からは、日本人選手の出番を待っている時の期待感をたっぷり感じた。

“まぶしく輝く瞳だけが 夜の闇に穴を開ける 二人だけの橋をかけよう ラン・フリー スワン・ダンスを滑るように ラン・フリー ふるえだす生命のまま ラン・フリー スワン・ソングを奏でるように ラン・フリー 光 渡っていこう 愛しい人よ”ラン・フリー(スワン・ダンスを君と)/TOKIO

スポーツ番組に関わる人達、今度のフレンチとウィンブルドンのウィナースピーチは、是非観てくれよ。

2007.4.3
Suidobashi
カテゴリー:KAI
04/05 10:47
10

Scene 160 [T.V. Mix]

カラオケはあまり好きじゃない。
下手だからってことじゃなくて、お付き合い的盛上りがどうも…ってこと。
でもこの仕事=プロテニスコーチをしていると、スタッフは下は10代、上は50代だから、皆が何を歌っても古い新しいという尺度じゃなくて聴けるのが楽しい。

奥田民生は大学生のバイトが出たばかりの[愛のために]を歌うのを聴いてガツンと来て、その晩はそいつに何回も歌わせて、帰りにCD屋で即買った。
♪陸海空 いろんなとこから どこでも駆けつけましょう♪
凄いよなあ…この言葉とメロディの絡み。
こんなことを言うと、多分俺の直属の上司のヘッドコーチは、「それもいいけど甲斐の[HERO]の♪HERO、空はひび割れ HERO、太陽は燃えつき HERO、海は枯れ果てて 月は砕け散っても♪ってところもいいぜ!」って言う。
カラオケって言葉も、「アメリカってTVじゃ生演奏しないのが当たり前だから、日本でいうカラオケのことをT.V.Mixって言うんだぜ!」って説明するに決まってる。

数年前の那須でのジュニアキャンプ。
施設に着くや否やレッスンを始めて、盛り上がって来たら高原特有のスコール。
インドアは無かったけど幸い夕方には止む予報で、中断した分はナイターと早朝にレッスン出来そうで一安心したものの、問題は今をどうするかだ。
まずは各クラスに大部屋に分かれてビデオレッスン。
それでも雨はまだ止まない。
そこで出て来た案が皆でカラオケ。

これが凄かった。
子供特有のピッチのズレとキンキン声。
マイクがハウればそれはそれで面白がる。
子供達は誰かが歌っても気にしないから(持ち歌が少ないから?)、何回♪アンアンアン とってもだいすき~♪、♪おおきなのっぽの古時計~♪と聴かされたことか…。
その何回もリピートされた中でやたら気になる曲があった。
カラオケのしょぼい音でもかっこいいイントロ。
ピッチのずれた子供達が1本のマイクに群がって歌ってるってのに、響くメロディ。
思わず隣の子供に「これ何て曲?」って聴くと「ハネモネ!スピッツ!」と即答(後でスタッフに「何で子供達がこんな曲知ってんの?」と聞くと、「ポケモンの主題歌みたいですよ」とのことだったので、その時は納得してたが、最近になって某清涼飲料水のタイアップだったと判明)。

やっぱり東京に帰ったその足でCD屋に行って、すぐ手に入れた。
以前、家人の友人の車に相乗りした時にかかってた、パフィーの[愛のしるし]が気に入って(誰が書いたんかいな?)とクレジットを見たら草野正宗だったりしたから、スピッツ、ロビンソンという語感から遠ざけていたのはちょっと失敗だったな。

そんなことがあって最近、家人が車で良く聴くCDに[空も飛べるはず]を入れておいたら5才の娘が気に入っちゃって車だろうが、iTunesだろうが音楽が聴ける場所では必ず一緒に聴かされる羽目に。
で、これが又いい。
何がいいって、ちゃんと演奏してる。
「当たり前だ!」なんて言っちゃダメだよ、これが今はなかなかないんだからさ。
ちなみに僕と娘の今のお気に入りは[涙がキラリ☆]。

ところで僕は音として言葉が身体に入るまでは歌詞カードは見ないんだよね。
だからそのまま見ないこともあって、後で(あっ!?こんな歌詞だったんだ)なんてこともある。
最近iTunesの使い方を覚えた娘が、例によってスピッツをかけてた。
その時ふと飛び込んで来たフレーズがあったんだよね。
“君と出会った奇跡がこの胸にあふれてる きっと今は自由に空も飛べるはず ゴミできらめく世界が僕たちを拒んでも ずっとそばで笑ってほしい”
バンドマンとガキの感性に最敬礼…。

明日から1泊2日でスクール代表のジュニアトーナメント。
僕は引率で、スクール最寄駅から選手達と地区の待合せ場所に行って、そこからチャーターバスで皆で会場入り。
会場はインドア完備で雨でカラオケなんてことはないから、たっぷりプレーで皆の開けっぴろげな感性を見せてくれよ。
あっそうか!最近の観光バスはカラオケついてるんだよね?!
又何かいい曲教えてくれるかな。
でもなあ…、車内で君達の歌声を聴き続ける自信は正直言って、ない…。
やっぱ寝かせて…じゃなくて作戦会議しながら行こうぜ!

2007.3.28
Fujisawa
カテゴリー:KAI
03/29 16:56
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