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another side of tennis

[Another Side of Tennis] 坂東海 カテゴリー:word

新宿ゴールデン街バーの片隅のテニスと音楽の与太話です。
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01

Scene 156 [Keep Us Happy!]

語るに落ちる、言葉なんていらない夜がある。
パーパーパーパーくだらないジョークを飛ばしてる中でふとこぼれ落ちる言葉がある。

三軒目のバーのカウンター。
奴がポケットの中からくしゃくしゃの紙を取り出す。
俺は与太話を続けながら、サインして返す。
何の紙だかはここじゃ言わない。

何年前だったか、確かクリスマス前後の夕暮れ。
独りでジョン・レノン・ミュージアムに行って、最後のFINAL ROOMで涙がにじんだ後、出口を出たところで奴からメール。
その時の目の前のブルーのイルミネーションを今でも思い出す。
翌日小便横丁の寿司屋で落ち合った。
「大変だったね」
それだけで俺等はいつも通り呑んだ。
テニス好きの親父さんは、寿司を握りながらやたら気遣ってくれたっけ。

二丁目で呑んで終電で帰ろうと、靖国通りと明治通りの交差点を渡っている時に、奴の彼女に携帯を鳴らされたこともあった。
奴と喧嘩して独り途方にくれてるとのことで、靖国通りを駆けて迎えに行って、二軒目に向かった俺の仲間と合流して朝まで呑んだ。
おまけに締めのラーメン屋で喧嘩もしたな。
そこで一番やり合った女と忘れ物の受渡しか何かで、その晩奴も一緒に3人で飯喰ったって聞いた時は呆れたよ。

ゴールデン街で3人で呑んだ回数は数えるのもバカらしい。
初めて連れてってやったのはいつだっけ?
今度3人で呑む夜は忘れられない夜になるかな。
“くるみ”でも聴きながら乾杯しよう。
勿論KAIヴァージョンな。
当然奢れよ。
俺のポケットには穴があいてて、宵越しの金なんか持ってたことがないんだしよ。

とにかく良かった。
おめでとう。

I need a love to keep me happy!Keith Richards

2007.2.27
Nishishinjuku2
カテゴリー:word
03/01 19:55
02

Scene 155 [肴]

(腹減ったなあ…まあ生きてりゃじき朝飯かあ…)
相変わらずの与太話を肴に呑んで、口にしたのはお通しの大根ステーキ位。
いつもはそれで腹も減らずに帰るんだが、与太話がたまに行く辺りの蕎麦屋の話だったからか、職安通り迄の間にACBの斜め前の二郎のラーメン、西武新宿前の北京の揚げ焼き餃子が俺を誘いやがる。
河岸を変えりゃあ又呑み直したくなっちまうからな、我慢我慢。

今夜の与太話は面白かった。
受けたのは明治神宮に初詣に行った時の話。
そいつの会社は、毎年仕事始めは良くあるパターンで皆で明治神宮に行くんだが、ちゃんと本殿に上がって参拝するらしい。
「えっ-!何々-!じゃあ皆がお賽銭を投げ込むでっかいプールの向こうに行く訳?」「ええ。そこから廊下を通って地下に降りて行くんです」「じゃあ寒いでしょ?」「いやっ、それが暖かくて眠りそうになるんですよ」「冷暖房完備?」「って言うか、エアコンとかストーブとかじゃなくて畳が暖かいんですよね」「それは入れ替わり立ち代り参拝客が来て、ずっと誰かが座っているってこと?」「そんなんじゃなくてあれは絶対床暖ですよ!」「ま-じ!明治神宮で床暖!-」「本当ですって!だってずっと同じ温度で暖かいですもん!」「嘘だよ-」「いやっ!絶対本当ですって!」「そうかなあ-」………。

そんな話をしてたら深大寺で昼酒を呑んで来たって奴が、「あそこの蕎麦屋はつまみ美味いし、蕎麦は美味いし量もあるし安いしで、最高っす!近いなら行ってみて下さいよ!」「そっかあ、じゃあ行ってみるよ」なんて調子に乗ったから、店を出た後腹が減っちまったんだな。

話を聞くと、俺は深大寺なら武蔵境側から入った辺りの蕎麦屋に入るんだけど、そこは三鷹側から入ってすぐの所。
早速、翌日蕎麦好きのガキ共を連れて宿酔いのまま昼飯を喰いに行った。
車の中で寝ちまって「着いたよ!」と店の駐車場で起こされ、店の入口を見ると数十人並んでる。
(うわっ!止めようかな)とも考えたが、「時間見越して戻って来れば順番迄並ばなくてもいい」って言うんで、隣の水生植物園を散歩。
順路に従って歩いて行くと、深大寺城跡とあり、坂道を登り切ると芝生広場で柵の向うににはテニスコート。
(あっ!)と、そこがガキの頃に良く試合しに来てた名門クラブだと気付く。
フェンス越しに見た久々のそのクラブは、ガキの頃は前後左右コートだらけって感じだったのにどう数えても5、6面しかない。
コートに面した南側は宅地販売をしている。
肌寒い曇天の空模様がそのまま俺の気分に重なって来た。

一瞬、(でも東京で6面あるって凄いことだし…)と考えるが、頭を振って振り払う。
何でも金と数字に置き換えちゃいけない。
でも日本じゃやっぱりスポーツは、テニスコートどころじゃない広さのグラウンドをいつでもタダで使える学校スポーツがメインってことか…。
いかんいかん、こんなこと言うと又それをいい肴に絡んで来る奴がいるからな。
「オレハオヤガイシャモナイシヒモツキデモナイケドセカイニツウジルセンシュヲソダテルンダヨ!」

さて蕎麦だ。
店に入るとおばちゃん、お姉ちゃん達が暖かくもてなしてくれて気分がいい。
俺は天ぷらで呑んで、ガキは大盛りの蕎麦を音をたてて喰ってる。
蕎麦屋ってのはこうでなきゃな。
江戸時代は皆酒を呑みに来て話し込んでた場所なんだからさ。
何でも順位をつけて、何でもマニアックにじゃ疲れちまうよ。
でもこれを自分がちょっとかじってる事に当てはめると…。

店を出て植物園入口を挟んだ向うを見ると、さっき見たクラブへの入口の坂道だった。

2007.2.17
30m Street
カテゴリー:word
02/22 19:56
03

Scene 153 [節分]

今日は節分。
子供は小さいからまだ斜めに構えたりしないし、なによりちゃんと日本の風習を伝えないとで、早番の定時で急いで帰宅。
駅から家までの店の先々には恵方巻のポスター。
関西の習わしみたいだけど、僕が子供の時には見なかった。
コンビニの店頭で初めて知って、関西人のスタッフに「絶対食べ切らないといけない
からガキの頃は涙が出る位辛かった」という話を聞いて驚いたなあ。
そうそう朝出て来る時にチラッと見たスーパーのチラシには節分そばって言葉もあった。
最近は聞かなくなったけど引越そばがそのうち、蕎麦屋と引越屋のタイアップでブレークしたりして?

「私達はもうご飯済んじゃったよ」
ちぇっ!もう少し近い場所のスクールにしてよ!社長!(何て言えない言えない!そもそも今のスクールはお客さんもスタッフも、ついでに行きつけの店も最高だし!)
豆まきを子供達と済ませ、ビールを呑みながら(そう言えば部長が今日のボックス南1列目だって言ってたなあ)と録画しておいた東レPPOをチェック。
結果は知ってたけど、シャラポアがダブルフォルトを繰り返すのを観て、(プロでさえ相手に影響されにくいサーブでこんなにミスするんだからテニスって改めて難しいんだなあ…)と見入ってたら、いきなりヒンギスvsデメンティエワでデメンティエワの後方に部長の顔が…。
おかげでその後ポイント間は部長が気になっちゃって落ち着かなかったよ。
とは言え、週休日の水曜日に独りで東レPPOを観に行ったらアリーナの前の方に部長が招待されてて、当日売りでアリーナの一番後ろにいた僕と席を変ってくれたんだから感謝だ…あっ!その時は言わなかったけど、今日がこんないい席だったからなのかあ!
そっかあ、ズル…くないな、やっぱ感謝感謝。

あの日はキリレンコが上手くなってて驚いたなあ。
グラウンドストロークのヘッドの振り抜きの速さは本当驚いたよ。
オーソドックスなフォームからのサーブも良かった。
でも森上亜希子はこの間のジャパンオープンでキリレンコに勝ってるし、日本女子はもっともっと行けそうだな。

その後は初の生ヒンギス!
キリレンコの173cmに対してヒンギスは170cmだけど、キリレンコとはエンジンのデカさが違うっていうのか、プレーの幅、引出しが底なし!
昨日一緒に呑んだ他スクールの人が、今回のファンサービスイベントに呼ばれて行った時のヒンギスとファンとのゲームの話をしてくれたんだけど、面白かったなあ。
何でもヒンギスはこのイベントでサーブは打たない条件だったらしいんだけど、何かの時にその人が場をつなごうと慌てて「ヒンギス!プリーズ!」ってボールを渡したら、「OK!」って言ってあっさりサーブを打ったんだって!
その人も別にサーブを打たせようとした訳じゃなかったから驚いたみたいだけど、ヒンギスっていい奴だなあ。

おおっ!ヒンギス勝った!何故かちょっとウルウルしたりして…。
明日も朝から一日中レッスンだから又ビデオ観戦だな。
今度は部長も映らないだろうから集中して観れるはず。
いやっ、待てよ…まさか明日も観に行ったりしないだろうなあ…それならそれでいいけど、せめてTVに映る様なあんないい席じゃなくてもっと後ろでありますように!
鬼は-外!福は-内!
カテゴリー:word
02/08 19:58
04

Scene 4 [Ladies&Gentleman]

「お兄さん、焼けてるねえ、何してるの?」
「えっ、テニスのコーチ-!」
「なんでこんなつぶれそうな店来てんの?」
「おおっママ、ごめんごめん、そんな事ないよね、人類が滅亡してもこの店は残ってるよね!」
「ああ、さっきまでここにいた人と来てるんだあ、今トイレ?」
「お兄さん、は何?キムタク?に似てるけどあの人はテニスやる様には見えないなあ…。」
「へえ、社長さんなんだ…」
「昔はテニス上手かったの?」
「そっかあ、俺も昔はちょっとはテニスやったんだよ、ずっとやってりゃあ社長になれたかなあ、チッキショウ、未だに人の下でペコペコしてるんだよな」
「あのさあ、何だっけ、カワサキだかフタバヤのラケットがどっかに仕舞ってあるはずだなあ」
「えっ、そんなメーカー知らない-!」
「えーっとお、カワサキとも書いてあるんだけどドンナイとも書いてあったなあ」
「ドンナイ知らないの?ボーグが使ってたんだよ」
「あっ、あれドネーって読むんだ!えっボルグ?だって新聞にはボーグって書いてあったぜ」
「おっ、社長帰って来たね!流石だよ!俺より若いのに社長だけあって華があるね!今夜は俺が奢っちゃうよ!俺だってこんな店の領収書位切れるんだから」
「うん?あっ、ママ、だから言葉の文だって、俺くらいいい客いないでしょ?口開けの客としては最高じゃない?こんなに皆を盛り上げてさあ。しまいには口開けどころか誰もいなくなっても最後まで呑んでるんだから…」
「ねえ、社長!あれっ?二人で何か難しい話してるの?」
「懐かしいなあ、王様夫人。そりゃキング夫人!…社長聞いてる?…」
「ママ、お湯割りおかわり…」
「………」
「………」
「………」
「おい!キムタク!お前みたいな奴がいるから娘が心配なんだよ!」
「笑ってんじゃないよ!社長も本当に頼むよ!」
「ウチの娘は可愛くて素直で本当にいい娘なんだよ」
「何言ってんのママ、関係ないじゃない、じゃないの!」
「心配だから帰る!」
「お勘定?テメエで払えよ!キムタク!」
「おっメールだ」
「キムタク驚くなって!メールはお前等だけのもんじゃ…長介が死んだ?…」
「ダメだ、こりゃ…」
「バカヤロウ…」
…合掌。

2004.3.20
Shinjuku Shonbenyokochou


  続きを読む:Scene 4 [Ladies&Gentleman]
カテゴリー:word
03/25 16:58
05

Scene 2 [いとしのエリー]

「私さあテニススクール入ったんだ!」
電話の相手は真理。
高校のテニス部時代からの付き合い。
「最近のラケットって軽くてチョー楽だよ!由実もやろうよ!」
テニスかあ、最近とんとご無沙汰してる。
結婚当初は初心者だった旦那に教えがてら真理達とプレーしてたけど。
今じゃ旦那の方がはまっていて休日は朝からテニス。
私は音楽好きの5才の息子とiBookのGarageBandで遊んでる。

うん、考えとくよと真理の電話を切る。
つけっ放しで音を消したTVには桑田佳祐が写ってる。
そう言えばと大事にとってある昔行ったLiveのチケットを探して見る。
1985.9.29 サザンオールスターズ 西武球場
私と真理は大学では体育会には入らずサークルに入って都内のテニススクールでコーチのアルバイトをしていた。
これが呆れる位良く呑む集まりで、毎晩ナイターレッスンが終ると居酒屋、そしてカラオケボックスもない時代だったからカラオケスナックで朝まで…。
私達も女だてらに朝まで一緒に騒いだ。
その時の仲間全員でサザンを観に行ったんだ。
当日は強い雨、当時はまだ西武球場はドームじゃなかった。
発熱してた私は行くかどうか悩んだけど皆と一緒にいたくて行った。
お揃いのadidasのUP上下を着て、開演まで雨で試合中止の時のプロ野球選手の様に濡れて滑るアリーナ席をスライディングして楽しんだ。
そしてLiveは始まった。
Ah You Should Go Back You Don’t Have To-
オープニングは[いとしのエリー]
雨の中とても美しく感じた。

更に記憶が蘇る。
私がテニスを始めた年の夏、1980年7月サザンは田園コロシアムでLiveをやった。
[エースをねらえ!]の岡ひろみの様に先輩にしごかれ、ボール拾いばっかりでもテニスが好きで熱中していた私には田園コロシアムのコートの上にステージを組むサザン、アリーナとなるコートの上で騒ぐ観客が許せなかった。
田園コロシアムは世界一のクレーコートなんだぞ!
勿論私は田園コロシアムでプレーした事はなかったけど、あのすりばち状の階段席をコートの方へ降りて行く雰囲気が好きだった。
大学入学直前の1983年4月、新宿LOFTにARBを観に行った。
中央線の朝のラッシュ並みのすし詰めのLiveのアンコールのゲストに桑田佳祐が出た。
彼はARBをBackに石橋凌と[いとしのエリー]を唄った。
一郎のギター、KEITHのドラム、サンジのベースで桑田佳祐が凌と[いとしのエリー]を唄ってる…。
自分の好きなBandがゲストに呼んだって事で私は単純に桑田佳祐を好きになった。
凌の方が断然かっこよかったけど…。

ふとTVを見ると相変わらずの他人の上げ下げをしている。
スイッチを消して考えてみる。
テニス、12年振り、今の私にどの程度のプレーが出来るんだろう?
友達は離ればなれだし、おばさんサークルは恐いし、旦那とやって負けるのはシャクだし、やるならテニススクールかなあ…。
まあ今回はいいや、又気が向いたら向いたでその時はその時だ。

うん?そう言えば私は田園コロシアムじゃないけど田園テニス倶楽部のコートに立った事があった。
いつだったか新丸子で朝まで呑んだ後、始発までの時間潰しに田園調布まで歩いて行く途中、田園テニス倶楽部横を通った。
もう田園コロシアムはなくて、他のコートを見ようと近付いたらコート入口の鍵がかかっていなかった。

夏の朝日の中、私は一人コートに立ち一回だけサーブの素振りをしたんだ。

2004.2.19 Daytime
Kichijyoji


  続きを読む:Scene 2 [いとしのエリー]
カテゴリー:word
03/11 16:55
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